名古屋市で40度超え 不快指数は日本記録の熊谷と同じ

不快指数メーター(ペイレスイメージズ/アフロ)

名古屋市で40度超え

 優勢な太平洋高気圧に覆われ、強い日射によってほぼ全国的に暑い日が続いていますが、8月3日14時1分に名古屋市で、最高気温40.3度を観測しました。これは、これまで名古屋市で最高だった昭和17年(1942年)8月2日の39.9度を76年ぶりに更新するとともに、東京23区や人口100万人以上の大都市では初めてのことです。

 名古屋市は、南から海風が入りやすく、岐阜県の多治見市などの内陸部より高温にならないのですが、この日は、海風が入らず、北西から山を越えて乾いた風が吹き下ろす「フェーン現象」の影響も加わって、40度超えとなったと思われます。

 北日本は週末に前線を伴った低気圧の影響で雨となり、気温もそれほどあがりませんが、東日本から西日本、特に東海から近畿地方は今後も晴れて気温の高い日が続きます。名古屋市で再び40度超えがあるかもしれません(図1)。

図1 主な都市の天気と気温の10日間予報
図1 主な都市の天気と気温の10日間予報

名古屋市の不快指数は86

 名古屋市が40.3度の気温を観測した時、湿度が27%で、不快指数は86でした。

 今年、平成30年(2018年)7月23日14時23分に埼玉県の熊谷で41.1度を観測し、最高気温の日本記録となっていますが、不快指数も86です。これは、最高気温を出したときの湿度が24%と8月3日の名古屋市より若干乾燥していたためです。

 不快指数は、気温が高いほど大きな値となりますが、同じ気温なら、湿度が高いほど大きな値となります(図2)。

図2 不快指数の説明図
図2 不快指数の説明図

 記録的な高温となると、不快指数も高くなって100を超えると思われるかたも多いかと思いますが、日本での記録的な高温はフェーン現象(風下側は風上側に比べて高温・乾燥となる)がからみますので、湿度が低く、なかなか不快指数は100には達しません。

 太平洋高気圧の縁辺部を回るように暖湿気流が入っているときには、記録的な高温にならなくても、湿度が高いために大きな不快指数となります。

 熱中症などの猛暑対策は、気温だけでなく、湿度にも注意が必要です。同じ気温でも湿度が高くなると体への負担が増えるからです。高温で湿度が高いときは、不快に感じるというレベルではありません。命に関わる危険なレベルです。

    

アメリカで始まった不快指数

 不快指数は、気温が高いときに感じる蒸し暑さ、つまり不快感を表す数値のことです。

 昭和32年頃(1957年頃)にアメリカの気象学者E.C.トムが気温と湿度を用いて温湿度指数を提唱し、冷房設計に使われたのが最初と言われています。

 不快は、感覚的なもののほか、心理的なものや慣れによる要素など個人差もかなりありますが、簡単に体で感じている温度が表現できるという実用性で、昭和34年夏からのアメリカの天気予報番組で取り上げられたことをきっかけに普及しました。

 日本で不快指数が使われだしたのは、昭和36年頃からです。

 ただ、この不快指数の計算がややこしいということをよくききます。

 表1は、T:気温(セッシ)、U:相対湿度(%)としたときの不快指数(DI)の計算式です。

表1 不快指数の計算式
表1 不快指数の計算式

 T:湿温度計の乾球温度(セッシ)、Tw:湿球温度(セッシ)とすると、不快指数の計算式は簡単になります。

 特に、気温の単位がセッシではなく、華氏であるなら、不快指数の計算はもっと簡単になります(表2)。

表2 湿球温度を用いた不快指数
表2 湿球温度を用いた不快指数

 これは、昔は湿度を簡単に測定するのには、水で湿らせた温度計は空気が乾いていればいるほど蒸発熱を奪われて気温との差が大きくなるという原理を使った乾湿温度計が使われていたなごりです。

 ほとんど全ての国で使われているセッシは、水の状態(氷点が0度、1気圧での沸点が100度)によって決められています。これに対し、アメリカでは、今でも根強く華氏目盛が使われています。

 華氏目盛りは、ドイツの物理学者Gabriel Fahrenheit(1686~1736)が作ったもので、人の体温を100(=37.8℃)、血液の凍る温度(氷と塩をまぜると得られる最も低い温度)を0(=-17.8℃)としたもので、人間の状態で決められているともいえる温度目盛です。

図1の出典:ウェザーマップ提供。

図2、表1、表2の出典:著者作成。