Yahoo!ニュース

週明けの関東地方は南岸低気圧で雪の可能性、その後は日本海低気圧で春一番

饒村曜気象予報士
春一番(ペイレスイメージズ/アフロ)

週明けの南岸低気圧

 週明けは、本州の南岸を低気圧が通過する見込みで、関東地方では標高の高いところは雪、平野部でも雨か雪の予報です(図1)。

図1 予想天気図(平成30年(2018年)2月26日9時の予想)
図1 予想天気図(平成30年(2018年)2月26日9時の予想)

 低気圧が、本州の南岸を少し離れて通るため、大雪にはならない見込みですが、雪による交通機関の乱れが心配です。

 ただ、南岸低気圧による天気予報は、難しい予報の一つです。南岸低気圧がもう少し北を通過するなら大雪、もう少し南を通過するなら雨も雪も降りません。また、下層にちょっとした寒気が入れば雨が雪に変わります。

 しかし、人々の生活にとって、雨と雪は大違いです。昔、気象庁の予報官をしましたが、その時のプレッシャーは大きいものがありました。

その後の日本海低気圧による春一番

 南岸低気圧が通過したあと、低気圧が日本海を発達しながら通過します(図2)。

図2 専門家向けの予想天気図(2月28日21時の予想)
図2 専門家向けの予想天気図(2月28日21時の予想)

 日本海低気圧に向かって強い南風が吹きますので、関東地方などは春一番の可能性があります。春一番の基準は地方により異なりますが、立春から春分までの間に日本海で低気圧が発達し、南寄りの風が強く吹いて気温が上昇することは目安です。

 10日ほど前の2月14日、日本海で低気圧が発達したため、低気圧に向かって南よりの強い風が吹き、北陸、中国、九州北部で春一番が吹いています。しかし、北陸・中国・九州北部地方以外では、南よりの風が弱かったために春一番が見送られた経緯があります。

3月1日は東京に暴風警報の可能性「中」

 春一番という南からの強い風が吹いたあと、北からの強い風が吹き、強い寒気が南下して西高東低の冬型の気圧配置となり、寒くなります(図3)。

図3 専門家向けの予想天気図(3月1日21時の予想)
図3 専門家向けの予想天気図(3月1日21時の予想)

 日本海低気圧が発達しながら通過するため、全国的に大荒れとなります。

 東京地方でも、3月1日に暴風警報を発表する可能性が「中」となっています(図4)。

図4 東京地方の警報級の可能性(2月24日17時00分発表)
図4 東京地方の警報級の可能性(2月24日17時00分発表)

 それだけ、3月1日の日本海低気圧は警戒する必要があります。

 今週は気象の変化が大きい一週間です。最新の気象情報入手に努め、警戒してください。

 寒さと暖かさと寒さが交互にきながら、次第に春に向かってゆきます。

図1、図2、図3、図4の出典:気象庁ホームページ。

気象予報士

1951年新潟県生まれ。新潟大学理学部卒業後に気象庁に入り、予報官などを経て、1995年阪神大震災のときは神戸海洋気象台予報課長。その後、福井・和歌山・静岡・東京航空地方気象台長など、防災対策先進県で勤務しました。自然災害に対しては、ちょっとした知恵があれば軽減できるのではないかと感じ、台風進路予報の予報円表示など防災情報の発表やその改善のかたわら、わかりやすい著作などを積み重ねてきました。2015年6月新刊『特別警報と自然災害がわかる本』(オーム社)という本を出版しました。

饒村曜の最近の記事