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台風22号が沖縄へ 台風接近数は10月でも沖縄と伊豆・小笠原は多い

饒村曜気象予報士
気象衛星「ひまわり」の可視画像(平成29年10月28日9時)

10月の台風

 台風22号が沖縄を襲っています。予報円が東日本から西日本の太平洋側にかかっていますので、少し北上すれば上陸の可能性もあります(図1)。

図 台風22号の進路予報(平成29年10月28日9時の予報)
図 台風22号の進路予報(平成29年10月28日9時の予報)

台風の情報については、常に最新のものを入手して下さい。

 10月に日本列島に向かう台風は、沖縄本島がある北緯25度付近までは自転車並みの速度での北上ですが、北緯25度を越えて北上すると、進路を東に変え、急加速するのが一般的ですが、台風22号もそのような台風です。

台風接近数

 気象庁では、台風の中心が北海道、本州、四国、九州の海岸線に達した場合を「上陸」と定義しています。

 そして、台風の中心が国内のいずれかの気象台や測候所、特別地域気象観測所(旧測候所)等から300キロメートル以内に入った場合を「接近」として定義しています。

 台風の接近数の平年値は、沖縄地方は10月は年1個、11月は3年に1個ですが、伊豆・小笠原もほぼ同じ接近数です(表)。

表 地方ごとの台風接近数の平年値
表 地方ごとの台風接近数の平年値

 沖縄地方、伊豆・小笠原地方は、ともに10月から11月も台風シーズンです。

 沖縄地方は、台風の動きが遅いので暴風雨が長引き、台風が急加速して接近する伊豆・小笠原地方は、あっとゆう間に接近しますので油断しがちです。

 沖縄地方、伊豆・小笠原地方だけでなく、今年は、10月といっても、台風が北上する傾向がありますので、東日本から西日本の太平洋側でも、最新の台風情報の入手に努め、十分な警戒が必要です。

図表の出典:気象庁ホームページ。

気象予報士

1951年新潟県生まれ。新潟大学理学部卒業後に気象庁に入り、予報官などを経て、1995年阪神大震災のときは神戸海洋気象台予報課長。その後、福井・和歌山・静岡・東京航空地方気象台長など、防災対策先進県で勤務しました。自然災害に対しては、ちょっとした知恵があれば軽減できるのではないかと感じ、台風進路予報の予報円表示など防災情報の発表やその改善のかたわら、わかりやすい著作などを積み重ねてきました。2015年6月新刊『特別警報と自然災害がわかる本』(オーム社)という本を出版しました。

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