台風5号は史上3位の長寿台風、逆に短命台風は寿命0時間

気象衛星「ひまわり」の赤外画像(平成29年8月9日3時)

台風5号は3番目の長寿

台風5号は、8月9日3時に温帯低気圧となり、18日と18時間の生涯をとじました。

気象庁が台風の統計をとりはじめた昭和26年(1951年)以降、史上3位の長寿台風です(表1)。

表1 長寿台風
表1 長寿台風

夏の台風は、台風の移動に関係が深い上空の流れが弱いことなどから著しく不規則な進路をとることが多く、その場所が海面水温の高い海上であるなら長寿台風となります。

台風5号は、日本の南東海上から南海上にいるとき、まさにそのような台風でした(図1)。

図1 台風5号の経路
図1 台風5号の経路

これまで一番の長寿は、昭和61年(1986年)の台風14号で、寿命は19日と6時間ですので、12時間及びませんでした。昭和61年の台風14号は、台湾で「超級怪台」と呼ばれ警戒した台風です。

台風の発生と消滅

気象庁では、天気図上で最初に台風を解析したとき、その天気図の時刻をもって台風の発生時刻としています。

 したがって、北西太平洋を広くカバーする「アジア太平洋天気図」を作成している3時、9時、15時、21時の4つの時間に台風発生が多くなります。

 また、日本付近の天気図である「極東天気図」は、3時間ごとに作成していますので、日本付近で発生する台風については、0時、6時、12時、18時に発生ということもあります。

 厳密にいうと、天気図上で初めて確認された時点では、台風になってから、ある程度時間がすぎています。その時間は、どの位かはわかりませんが、少なくとも前の天気図が書かれた時刻までよりも短い時間です。

 台風の消滅も同じです。

 存在していた台風が、天気図上で最初に台風ではなくなった(熱帯低気圧に変わった、温帯低気圧に変わった、気象庁の担当領域である北西太平洋域外に達した)時間が、台風の消滅時刻です。

 消滅時刻も「アジア太平洋天気図」や「極東天気図」の作られる3時間ごとの時刻が多いのですが、発生と異なるのは、日本に接近・上陸した台風については、1時間ごとに「台風天気図」を作っていることです。まれに、 前記の3時間ごとの時刻以外で消滅ということがあるのはこのためです。

 天気図上で初めて確認できなくなった時点では、台風でなくなってからある程度すぎています。しかし、この時間も、前の天気図が書かれた時刻までよりも短かい時間です。

 つまり、発生でも実際よりやや遅め、消滅でも実際よりやや遅めです。

 台風発生の日時から台風消滅の日時までが「台風の寿命」です。台風発生後に一時的に熱帯低気圧に衰えていた期間も含めて台風の寿命です。

 台風の寿命が長い台風を、長寿台風といいます。長寿台風の寿命について、具体的な定義はありませんが、台風の平均寿命が約5日ですので、10日の寿命があれば、長寿台風と呼んでいいのではないかと思います。

寿命0の台風

逆に短命台風は、昭和45年の台風13号で0時間です(表2)。

表2 短命台風
表2 短命台風

これは台風の定義が、「最大風速が17.2メートル以上の熱帯低気圧」という風速の条件の他に、「北太平洋西部(南シナ海を含む)にある熱帯低気圧」という領域の制限があるためです。

昭和45年の台風13号は、この北西太平洋の東の端である東経180度で誕生し、そのまま北西に進みました(図2)。

図2 昭和45年の台風13号の経路
図2 昭和45年の台風13号の経路

このため、台風が発生した9月2日21時のみが北太平洋西部で、それ以降は北太平洋中部なったので、寿命0時間の台風です。

このように、最大風速が17.2メートル以上に発達している熱帯低気圧でも、北太平洋西部という領域の出入りによって、台風になったり、台風にならなかったりします。