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4月は気温上昇が一番大きい月

饒村曜気象予報士
桜と家族(写真:アフロ)

花散らしの低気圧と前線の影響で広い範囲で雨となり、寒冷前線の通過で少し寒くなりましたが、春は低気圧が通過するたびに春本番になってゆきます。4月は一年中で一番気温上昇の大きい月です。

月初めと月末の気温差

東京の平均気温は4月1日に11.0度が月末の30日には16.5度と5.5度も上昇しています。

月初めと終わりの気温上昇は、2月が1.7度、3月が3.1度、4月が5.5度、5月が3.4度、6月が2.7度、7月が3.5度と、4月が一番大きくなっています。

東京だけでなく、北にある札幌や、南にある鹿児島でも同様です。

札幌は、2月が2.3度、3月が5.2度、4月が6.3度、5月が4.1度、6月が4.0度、7月が3.8度です。

鹿児島は、2月が2.6度、3が3.7度、4月が4.5度、5月が3.0度、6月が3.0度、7月が2.4度です。

多くの地方では、4月が一年中で一番気温上昇の大きい月です。

春は、時には寒く、時には暖かいの繰り返しです。次第に寒さの頻度が減り、暖かさの頻度が増えて行きます。暖かい日が続くと夏が近づき、春が終わりとなります。

春は低気圧が通過するたびに春本番になってゆくのです。

春暮れてのち、夏になり、夏果てて、秋の来るにはあらず。春はやがて夏の気を催し、夏より既に秋は通ひ、秋は即ち寒くなり、十月は小春の天気、草も青くなり、梅も蕾みぬ。

出典:徒然草(吉田兼好)

沖縄の気温差が大きいのは6月

沖縄で月の初めと終わりの気温上昇が大きいのは6月です。

那覇の気温上昇は、2月が1.2度、3月が2.5度、4月が2.7度、5月が1.9度、6月が3.5度、7月が0.3度と、4月は前後の月より大きいのですが、一番大きのは6月です。

これは、沖縄では6月に梅雨が明けるからで、月初めは雨や曇りの日が多く、月末は真夏の晴天になるからです。

沖縄の梅雨

沖縄の平年(1981年から2010年の平均)の梅雨入りは5月9日頃、梅雨明けは6月23日頃となっています。

1951年以降で一番早かった入梅は、1980年の4月20日です。

沖縄の梅雨入りは本州から四国・九州より1ヶ月ほど早く、10年に1回くらいは4月でも入梅になります。

気象予報士

1951年新潟県生まれ。新潟大学理学部卒業後に気象庁に入り、予報官などを経て、1995年阪神大震災のときは神戸海洋気象台予報課長。その後、福井・和歌山・静岡・東京航空地方気象台長など、防災対策先進県で勤務しました。自然災害に対しては、ちょっとした知恵があれば軽減できるのではないかと感じ、台風進路予報の予報円表示など防災情報の発表やその改善のかたわら、わかりやすい著作などを積み重ねてきました。2015年6月新刊『特別警報と自然災害がわかる本』(オーム社)という本を出版しました。

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