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3月の気象災害第一位は風、次に雪だが、霜はこれから

饒村曜気象予報士
東京都 桜とスカイツリー(写真:アフロ)

3月の気象災害で一番多いのは、風による災害です。

2002年に過去30年の調査したことがあるのですが、現在も傾向は同じと思います。

一番多い風による災害は全体の26パーセント、次いで多い雪による災害が24パーセントで、風と雪で半分を占めています。

しかし、土砂災害12パーセント、波に関する災害11パーセント、洪水・浸水害6パーセント、乾燥・干害5パーセント、その他16パーセントと占める割合は小さいものの色々な災害がおきています。

つまり、春先は天気変化が激しく、色々な災害が起きることがあるので、気象台等から発表される警報や注意報、気象情報には十分な注意を払う必用があります。ただ、霜は降りても霜による災害はもう少し後になってからです。

大陸から高気圧が張りだし、上空に寒気が入ったため、晴れて寒い朝となり、西日本を中心に各地で霜注意報が発表となっています。

霜注意報は、霜によって農作物に著しい被害が予想される場合に、その旨を注意して行う予報のことです。

晩秋から冬と3月は、霜が良くおります。ただ、3月は霜が降りても被害となると、それほど大きくなりません。

冬の間は、植物の芽が硬い殻などによって寒さから守られていますので、霜が降りても被害が出ません。

このため霜注意報は、気象庁が自治体等と協議して発表期間を決めています。

冬場は霜が降りても霜注意報は発表しませんので、北日本では霜が降りてもは、まだ植物が生育していないためめ霜注意報は発表しません。

霜注意報の基準は、晩霜期に発表するという地方と、具体的に期間を決めている地方があります。

例えば、東京都千代田区では4月10日から5月15日で最低気温が2度以下、大阪市は4月15日以降の晩霜で最低気温が4度以下、福岡市は3月15日からの晩霜で最低気温が3度以下です。

現時点で、東京都千代田区と大阪市では、霜が降りても霜注意報は発表されません。

3月は、霜による災害が多くはありませんが、これから温かくなり、色々な植物が生育しはめた時の霜が要注意なのです。

桜のシーズンの終わりは、霜による災害の始まりになります。

気象予報士

1951年新潟県生まれ。新潟大学理学部卒業後に気象庁に入り、予報官などを経て、1995年阪神大震災のときは神戸海洋気象台予報課長。その後、福井・和歌山・静岡・東京航空地方気象台長など、防災対策先進県で勤務しました。自然災害に対しては、ちょっとした知恵があれば軽減できるのではないかと感じ、台風進路予報の予報円表示など防災情報の発表やその改善のかたわら、わかりやすい著作などを積み重ねてきました。2015年6月新刊『特別警報と自然災害がわかる本』(オーム社)という本を出版しました。

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