毎日の積雪の和(積雪度)で地方交付税が違う

JR東日本 新青森駅舎(写真:アフロ)

日本は多くの人が住む場所での雪が多い国です。

全国的に暖冬となり、日本海側の降雪量はほぼ全国的に少なかったのですが、全国的に気温が上昇し、雪解けが進んでいる18日2時現在でも、青森県酸ヶ湯で243センチメートル、北海道朱鞠内で204センチメートルなど、11ヵ所のアメダス観測所で積雪が1メートル以上です。

過去には、県庁所在地という中心都市でも、福井市の213センチメートルをはじめ、青森市、富山市、金沢市、札幌市、鳥取市、新潟市、秋田市、甲府市、山形市、松江市の11市で1メートル以上の積雪となったことがあります。

記録のほとんどは、冬型の気圧によって雪が降り長期間にわたって積もった記録ですが、甲府市(2014年2月15日)の114センチメートルは、南岸低気圧の通過によって一気に積もった記録です。

県庁所在地以外では、滋賀県の伊吹山で測候所があった1927年に観測した1182センチメートルが記録で、アメダスの青森県酸ヶ湯の566センチメートルが続きます。同じ市町村であっても、雪の降り方には地域差があります。

豪雪地帯対策特別措置法などにある積雪度

降雪が止んでも積雪が長く残ると、生活物資の輸送が困難になるなど影響が出ます。積雪の影響を見積るのに、毎日の最深積雪の値を足算した積雪積算値(積雪度)が使われます。積雪が50センチメートル、20センチメートル、10センチメートルと3日しかない地方(積雪の和は80センチメートル)より、20センチメートルの積雪が1週間続いている地方(積雪の和は140センチメートル)のほうが、雪による生活が大変という考え方です。

地方交付税法や豪雪地帯特別法などには積雪度という言葉が出てきます。積雪の多い地方では、土木工事が割高になるなど生活が大変であるため、その分だけ、地方交付税を割り増すなどの措置のためです。

豪雪地帯対策特別措置法でいう豪雪地帯の定義は、積雪が特に甚だしいため産業発展が停滞的で、住民の生活水準向上が阻害されている地域で、積雪積算値が5000センチメートル日以上を豪雪地域とし、各自治体で豪雪地域がどのくらいの割合を占めるかなどで自治体を分類しています(図)。5000センチメートル日は、50センチメートルの積雪が100日(約3ヶ月)続くと達する値です。

また、豪雪地帯のうち、積雪の度が特に高く、積雪により長期間自動車の交通が途絶する等により住民生活に著しい支障を生ずる市町村を特別豪雪地帯としていますが、積算積雪値が1万1000センチメートル日などをもとにして決めています。

図 豪雪地帯と特別豪雪地帯の指定地域
図 豪雪地帯と特別豪雪地帯の指定地域

今冬のこれまでの積雪の和

今冬の3月17日までの積雪積算値は、東京(千代田区)では、積雪が1月18日6センチメートル、19日3センチメートル、20日1 センチメートルだけですので、10センチメートル日となります。

同様の計算をすると、青森市5373センチメートル日、札幌市4539センチメートル日 となっています。

雪解けが進み、各地で積雪が少なくなっていますが、北海道では気温がまだ低く、積雪の減り方が少ないために、しばらくは積雪積算値は増え続けます。

もう少し不便さが続きますが、春はすぐそこです。

ちなみに、市民生活と関係が深い「積雪の和」は、気象庁の統計項目ではありません。気象学的な意味が少いためで、気象庁が行っているのは、「降雪の和」です。

図の出展:饒村曜(2002)、気象災害の予測と対策、オーム社。