早稲田大学睡眠研究所・所長 早稲田大学スポーツ科学学術院・准教授。東京医科歯科大学医学部卒業。自治医科大学講師、ハーバード大学、スタンフォード大学の客員研究員などを経て、現職。精神科専門医、日本睡眠学会専門医など。専門は睡眠、身体運動とメンタルヘルス。著書に、「リモート疲れとストレスを癒す『休む技術』」(大和書房)、「自分の『異常性』に気づかない人たち」(草思社)など多数。
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精神科医・西多昌規が明かすメンタルヘルスの深層
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記事一覧
- 猛暑でメンタルヘルスは悪化する
猛暑が続いており、脱水や熱中症のリスクが高まっている。身体へのダメージはわかりやすいが、メンタルヘルスへの悪影響もわかってきている。
- 元首相暗殺による社会的喪失体験、関係者の悲嘆反応、警護担当者の複雑性PTSD
安倍元総理が暗殺されて、一週間が過ぎた。毀誉褒貶の多い元総理だが、これまでの要人の死でも経験されなかった喪失感がある。国民だけでなく、親族など関係者、現場に居合わせた人たちの精神的問題も気になる。
- 過小計算されていた日本のLGBTQ
LGBTQの概念は急速に普及している。LGBTQと言われる人たちは、果たしてどれくらいいるのだろうか。最近の調査研究では、過去の結果よりもはるかに多くの実数がいるようである。
- 新型コロナ後遺症と詐病、身体化障害、虚偽性障害
新型コロナによる後遺症は、検査による客観的な所見もないので、患者の訴えを信頼して判断するしかない。本当は症状がないのに後遺症だと主張する「詐病」など、やや厄介な精神疾患が絡んでくる可能性がある。
- 話題の乳酸菌飲料は本当に眠りに効く?
ヤクルト1000が大人気である。「睡眠の質向上」が、売れている理由の一つだろう。乳酸菌飲料の睡眠改善作用、糖分との関係、プラセボ作用との関連、そして乳酸菌飲料がここまで売れる社会的背景について考える。
- テンプレ化しメディアの免罪符となった「いのちの電話」
著名人の自殺報道記事の末尾に、「いのちの電話」情報が付記されるようになった。相談体制が不十分にもかかわらず、これさえ載せておけば大丈夫といわんばかりのメディアは、ますます信頼を失ってしまったようだ。
- 多すぎる「5月病」記事による副作用
「5月病」の記事が、各メディアで増えてくる時期である。正しい内容の情報が増えることは歓迎すべきだが、記事が増えすぎるマイナスの側面はないのだろうか。
- ソーシャルメディアでの戦争映像がメンタルヘルスに与える影響
戦争関連の悲惨な映像を多く見るほど、メンタルへの悪影響が出やすいことが報告されている。ソーシャルメディアの発達で、編集の加わっていない生々しい情報も多く、戦争報道によるメンタルリスクは高まっている。
- 適応障害はうつ病の一歩手前なのか?
「適応障害」は、進学や就職、異動など外的なストレス因で生じる心身の不調である。ストレスによるうつ病も多いので、適応障害は「うつ未満の不調」「うつの一歩手前」とも見られる。それは正しい見方なのだろうか。
- ウクライナで生じている精神医学的問題
ロシア・ウクライナ戦争は長期化の様相を呈している。戦争にはつきものの精神障害の発生も、メディアや論文によって、発表されるようになってきている。
- 独裁者の精神神経疾患:ヒトラーとパーキンソン病、双極性障害、覚せい剤依存
報道や公表映像から、プーチン大統領が神経疾患ないし精神疾患を患っているのではないかという観測がある。過去の独裁者で、精神神経疾患によって判断能力を失っていたと確認されているのは、ヒトラーである。
- ドーピング疑惑で毀損されるフィギュアスケートの危機
北京五輪では、フィギュアスケート選手、カミラ・ワリエワ選手のドーピング疑惑が問題となった。勝利のためならば手段を選ばない姿勢は、出場を認めないなど、組織として厳しく臨んでいく必要がある。
- 精神科医療での在宅医療の実態
在宅医療医が、患者家族に散弾銃で射殺された事件は記憶に新しい。在宅医療は、危険と常に隣り合わせという経験談もみられる。精神科医療にも在宅医療はあるが、実態はどうなのだろうか。
- 高梨沙羅のインスタ謝罪から考える アスリートへの「オンライン虐待」とメンタルヘルス
高梨沙羅選手が、メンタル面で追い詰められているようであり心配だ。ソーシャルメディアによるネットいじめが、アスリートのメンタルヘルスに与える影響は強まっており、社会を巻き込んだ対策が必要な状況だ。
- オミクロン株:軽症だが社会を分断する毒力は強い
オミクロン株の急拡大で、わたしのまわりにも、学生を中心に感染者が増えている。無症状や軽症が多いには安心材料だが、逆に油断と慢心、不満も強くなっている。
- 新型コロナ終息後のメンタルヘルス問題
オミクロン株が猛威を振るっているが、新型コロナウイルス感染は、終盤戦にさしかかっていると考えられる。メンタルヘルス問題も個別化・分断化だけでなく、「人づきあい」の風化・劣化が、将来的には懸念される。
- 親切でも恨みをかう精神科医という仕事
大阪の心療内科クリニック放火事件は、わたしのとっても衝撃である。自分が過去に患者から恨みをかった経験を思いだしながら、精神科医という仕事のリスクを再考する。
- こたつで気持ちよくウトウト… でも、居眠り後に身体がだるくなる理由は?
こたつに入ると居眠りしてしまい、そのあと身体がだるくなってしまった経験をした人も多いと思う。こたつは心身ともにほっとする暖房器具だが、こたつで寝てしまうのは、医学的にはかなりマズいことを紹介したい。
- 抗うつ薬はCOVIDー19の重症化を防げるのか
去年はアビガン、今年はイベルメクチンと、従来薬剤の新型コロナに対する有効性を巡って、激しい議論が起こっている。新たに抗うつ薬が有効であるという論文も出たが、中身はどうだろうか。
- 「ゲーム障害」はゴリ押しされて作られたのか
「ゲーム障害」が国際診断基準に収載される予定だが、最近になって、その妥当性に疑義が投げかけられている。現実に治療介入が必要なゲーム依存の患者もいれば、新たな差別・スティグマの起源になる恐れもある。
- 神戸5人殺傷事件における無罪報道の不備
2017年に神戸市で発生した、祖父母ら5人の殺人事件に対して、被告に無罪判決が下された。被告は、未治療の統合失調症であったという。報道を見ると、無罪後の処遇の記載のない、不備な内容のものが目立つ。
- 逮捕された日大理事と精神科病院での虐待事件
逮捕された日大理事の悪逆無道ぶりが報道されている。金銭や女性の乱脈ばかりでなく、精神科病院での非人道的な虐待にも、間接的ながら関わっていたことをご存じだろうか。
- 鬼滅の刃「これは夢だ!起きろ!」 炭治郎のように自覚することは可能?
アニメ「鬼滅の刃 では、下弦の壱・魘夢が夢を悪用し、炭治郎たちを苦境に陥れる場面がある。本記事では、夢のメカニズム、明晰夢について解説する。
- 複雑性PTSDと睡眠障害、悪夢
複雑性PTSDは、一般的なPTSDと比べて、情緒不安定や自尊感情の低下など、症状が多彩であり難治である。睡眠障害については、複雑性PTSDに絞った研究は少なく、不眠の頻度は多いが、不明な点が多い。
- リアルタイムで「鬼滅の刃」みたい子どもVS寝かせたい親 夜更し対策どうすれば?
コロナ禍の影響で、子どもの夜更かしが増えている。さらに10月10日からはTVアニメ「鬼滅の刃 無限列車編」が日曜夜遅くに放送開始され、子どもの夜更かしと睡眠不足が心配される。