視聴熱一位を獲得。dTV配信ドラマ『花にけだもの』は若者向けドラマのプラットフォームとなりえるのか?

『花にけだもの』dTV×FOD共同製作ドラマ

 dTVで、現在第9話まで配信されている『花にけだもの』が面白い。

 本作はdTVとFOD(フジテレビ・オン・デマンド)が共同制作するドラマの第三弾。

 原作は杉山美和子の人気少女漫画『花にけだもの』(小学館)。

 女子高生の熊倉久実(中村ゆりか)が名門高校に転校してきたところからはじまるラブストーリーだ。

 転校してすぐに運命の出会いを果たした柿木園豹(杉野遥亮)に振り回されながらも、久実は次第にひかれていく。

 一方で久実には大神カンナ(入山杏奈・AKB48)という親友ができるのだが、実はカンナと豹は中学時代からの知り合いで……。

 といった感じで次第に物語は複雑になっていく。

 他にもカンナが好きな明るい好青年の日吉竜星(甲斐翔真)。竜生の友達で次第に久実にひかれていく和泉千隼(松尾太陽)といったイケメンたちが絡んでいきドラマはどんどんおもしろくなっていく。

 いわゆる若手俳優が出演する学園ドラマなのだが、これから伸びていくであろうフレッシュな顔ぶれが揃っている。

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 YouTubeで無料公開されている第一話は再生回数100万回を突破。テレビジョンが定めた新しい指標である視聴熱ランキングでは12月9日のデイリーチャートで1位を獲得しSNSユーザーからの高い支持を得ている。おそらくスマートフォンから見ている若い女性視聴者が支持しているのだろう。

 

 Dtvには漫画の画像をカラーに着色して音声を乗せたムービーコミックスというコンテンツもあり『花にけだもの』の漫画も配信されている。これが思った以上に見応えがあり、ドラマの予習復習がてら見ても楽しむこともできるし、ドラマ版との違いを比較しながら楽しむことができる。なるほど、これはテレビでは味わえない映像体験だ。

 もちろんdTVでは一話から見ることが可能である。こういったゼロから見る視聴者に対する配慮はテレビではなかなかできないことだ。

 ホームページも充実しており、ドラマの内容もさることながら、一つの物語を視聴者に知ってもらおうという配慮の細かさに感心させられる。

 魅力的な3人のイケメン俳優と二人の女優

 本作はいわゆる女性視聴者向けのイケメンドラマだ。

 だからドラマの見所はヒロインを見守るイケメン3人なのだが、この三人がプレイボーイ、クール、明るく温和と性格がバラバラなので、誰が一番好きかと盛り上がることができる。

 プレイボーイの柿木園豹を演じるのは杉野遥亮。モデルとして活躍する傍ら『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』(日本テレビ系)等の作品に出演する新鋭の若手俳優だ。

 クールな和泉千隼を演じるのは超特急の松尾太陽。明るい日吉竜生を演じるのは『仮面ライダーエグゼイド』(テレビ朝日系)でパラドを演じた甲斐翔真と力のある俳優がそろっている。

 女優陣も大神カンナを演じる入山杏奈もクールで大人びた存在感を見せている。

 何より素晴らしいのは主演の中村ゆりかである。

連続テレビ小説『まれ』(NHK)などに出演し最近ではFODで先に配信されたフジテレビ系の深夜ドラマ『ぼくは麻理のなか』でもメガネをかけた眼光の鋭い潔癖な女子高生・柿口依を演じていた新鋭の女優だ。

『ぼくは麻理のなか』を見て以降、中村ゆりかに興味を持ち、作品を追いかけているのだが、作品ごとに表情が変わる面白い女優である。

 『花にけだもの』ではボブになっていて、依さんにあった病んだ感じがない明るいヒロインになっている。ただ、両親を無くしていて転校が多いため、いじめに合いやすくて、そのことに少し慣れてしまっているという悲しさが背景にあり、そういう影の部分を的確に演じている。

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 見ていて思うのは、主要登場人物が基本的にみんな凄く良い奴だということだ。こういう恋愛ドラマだとヒロインを巡ってイケメンが対立するみたいな展開や、逆にヒロインの親友が恋のライバルに、という展開になって対立を煽りがちなのだが、本作の場合、ストーリー上はそういう展開に見えるし嫌ないじめっ子も登場するのだが、主要登場人物の気持ちを追っていくと、みんなが自分の友達や恋人のことを大事に思っていて、それゆえにぶつかってしまうというドラマになっている。

 だからこそ、見ていて胸が痛くなる。

 視聴者の高齢化にともない民放地上波では若者向け青春ドラマを作ることが難しくなっている。

今後、サブスクリプション・サービスを通してスマホで見られるドラマが若者向け青春ドラマを手がけるのはあらためて考えると

必然だが、本作を見ていると若い視聴者は、今はこういう場所にいるのだと、あらためて実感する。

 そんなサブスプリクションサービスと若者向けドラマの今後を占う意味でも注目していきたい作品だ。

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