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FC琉球がGMOコインとIEOを実施。クラブ独自のコインを発行、経済圏の確立を目指す。

上野直彦AGI Creative Labo株式会社 CEO
日本のスポーツチーム初の挑戦が始まった。ヨーロッパの強豪チームも進めている。

コロナ禍の財政難、沖縄のスポーツクラブから新しい挑戦が始まった

4月27日、スポーツ界に衝撃が走った。

暗号資産やブロックチェーン業界も同じだった。

J2リーグ・FC琉球(運営: 琉球フットボールクラブ株式会社)GMOコイン取引所を通して、スポーツクラブ初となるIEO(Initial Exchange Offeringという資金調達法)を実施するというニュースが流れたのだ。FC Ryukyu Coin(以下、FCRコイン)というクラブ独自のコインを発行、抽選販売が4月27日(水)16時から締切りである5月18日(水)に向けて始まっている。すでに相当数の応募があり最終日も迫っている。

具体的な数字としては、総供給量である10億FCRコインの45%にあたる4.5億FCRコインを約9.9億円で販売し、チームの強化や育成費、また新しいスタジアム・練習場等の施設関連、FCRコインが活用できるプラットフォーム「FC RYUKYU SOCIO」の開発・エコシステム構築の費用にあてていく。

日本のサッカークラブが単独の暗号資産発行となるIEOは初の試みであり、プロスポーツ界にとっても新たな挑戦である。まさに新時代の資金調達法だが、海外ではラ・リーガの強豪チームが同じような手法を取り入れようとしていると聞く。今回、日本のサッカーチームが先駆けてこの領域への挑戦を始めた。

自分の日経(日本で最初のスポーツ×トークンエコノミーのセッション)Yahoo!での連載記事では過去に何度も「スポーツ×トークン特集」を組み、大きな反響をいただいた。ただ、チーム独自コインの発行は初めてである。どういった目的・課題解決のために使用するのだろうか?新時代のファイナンスともいえる今回の取り組みは、以下の地域スポーツクラブが持つ恒常的な課題を解決するものとされている。

◯地域スポーツチームの運営資金問題

◯限定されるサポーターの支援方法

IEOとしては昨年実施された​​株式会社HashPalette(ハッシュパレット) に続いて国内では2例目となったが、ここへ至るまでのプロセスは金融庁とのやり取りなど含め決して平坦ではなかったはずである。チームの代表である倉林 啓士郎氏に経緯や将来のビジョン、愛してやまない沖縄での地域創生をどのように実現させていくかを伺ってみた。

なお、今回のインタビューは倉林氏がFC琉球の社長に就任した2017年の記者会見取材からのご縁で実現した(その際、東京からの記者は自分一人だけだった)。今回の記事では暗号資産の施策そのものではなく、新しいスポーツクラブ経営の可能性を客観的に描いていく(あらゆる投資・暗号資産やトークンなどの売買は読者の自己判断と自己責任でお願いします)。

倉林氏は沖縄初のJ2リーグ昇格を実現させ、創業経営するスポーツメーカーである株式会社イミオを成長させた手腕を持つ。このIEOという新しい挑戦、早速に他のスポーツクラブや行政等からも問い合わせを受けている。

今シーズンのホーム開幕・FC町田ゼルビア戦での一コマ。倉林代表(左)と上原慎也選手。
今シーズンのホーム開幕・FC町田ゼルビア戦での一コマ。倉林代表(左)と上原慎也選手。

沖縄と共に強くなる、沖縄と共に成長する

ー5月18日の募集締め切りまでわずかとなりましたが、今回の案件は他のスポーツクラブも暗号資産・ブロックチェーンの関係者ともに注目してます。そこで初めて倉林さんを知った方もいると思いますので、FC琉球の代表となった経緯をあらためて教えていただけますでしょうか。

倉林 我々FC琉球は現在Jリーグの2部・J2リーグに所属しているクラブですが「沖縄と共に強くなる。」という理念を掲げ、沖縄県と一緒にこのクラブを強くし、会社としても成長していきたい。チームの経営を引き受けた時からそのような強い思いで運営をしています。

FC琉球は2003年に創設され来年2023年が記念すべき20周年を迎えます。2014年からJリーグ(J3リーグ)に参入。私が代表に就任したのは2016年の年末からです。

2018年はチームが本当に頑張ってくれて、J3で優勝してJ2昇格という沖縄サッカーの歴史で初の快挙を達成しました。ファン・サポーターだけでなく沖縄県全体から祝福の言葉をいただき、本当に感激しました。

J2リーグは2019年から今年2022年で4シーズン目となります。初年度が14位、2年目が16位、そして昨年が9位と、少しずつ順位の方も改善してきている状況でJ1昇格に向けてクラブ全体で活動しています。

ーHPをみると様々なプロジェクトや社会連携の取り組みがあります。

倉林 沖縄市及び沖縄県全域をホームタウンとし、地域貢献活動いわゆる「SDGsゆいまーるプロジェクト」として小学校や病院の訪問、清掃活動やサッカー教室などさせていただいています。昨年はコロナ禍で苦しんでいる沖縄の県産品を応援するために、特産品を使ったお弁当を作ってイオン様で販売させていただき、利益の中から、そのお弁当を子供食堂に寄贈するというプロジェクトを実施いたしました。県内だけでなくJリーグからも非常に高い評価を頂き「Jリーグシャレン!アウォーズ」も受賞いたしました。

また、沖縄県内の全266校の小学校に離島も含めてサッカーボールの寄贈というプロジェクトを昨年度から実施しています。今年も実施させていただく予定で全校にFC琉球のロゴの入ったサッカーボールを寄贈していきます。

ー新しい練習場やスタジアムの構想についても読みました。

倉林 まず練習場の整備というところなのですが、今年2022年の6月末に沖縄県南部の八重瀬町に拠点練習場と専用クラブハウスが完成予定です。本当にこれはクラブ創設からの悲願でした。クラブハウス付きの練習場、やっと実現という印象ですね…ちょっと感激しています。こちらでトップチームが毎日練習をできることで、さらにチームが強化されていく。選手のモチベーションアップにも繋がります。

さらに、FC琉球に初めてJ2ライセンスが交付された2017年には那覇市の奥武山公園内にサッカー専用スタジアムを建設するという整備計画を県が公表しました。

この那覇中心市街地にJ1規格のサッカースタジアムをつくるという計画をクラブとしてもしっかり推進されるように各方面に働きかけています。

また、Jリーグのアジア戦略室とも連携し、クラブとしてアジア戦略に取り組んでいます。沖縄は日本の最南端の県ですが、アジアに向けては最先端です。アジア諸国に一番近い位置にあるというメリットを活かし、中国や台湾のサッカー協会とのパートナーシップをはじめ、タイのU23代表シティチョーク・パソ選手の獲得、ベトナム1部・サイゴンFCと提携し2名の選手がトップチームに参加するなどしております。

スタジアム整備やアジア戦略など、今回のFCRコインの発行をフックにして、さらにしっかりと形にしていきたいと考えています。

FCRコインはファン・サポーターの投票権にも活用される。
FCRコインはファン・サポーターの投票権にも活用される。

国内2例目となるIEOの実現

ー先日の記者会見(オンライン)ではサッカーやスポーツ記者がクリプトやブロックチェーン関連に慣れていない印象を持ちました。読者にIEOについてご説明いただけますでしょうか。

倉林 IEOとは、「イニシャル・エクスチェンジ・オファリング」の略称です。

FC琉球が金融庁に登録認可されている暗号資産交換業者、今回の場合ですとGMOコインを介して暗号資産(FCRコイン)を上場させ、投資家から資金を集める仕組みのこと。これをIEOと言うのです。わかりやすくいえば暗号資産版の株式上場のようなものです。

ー 一連のスキームも教えていただけますでしょうか。後に続くスポーツチームや法人の参考になるかと思います。

倉林 IEOの流れとしては、まず発行体であるFC琉球(琉球フットボール株式会社)が暗号資産交換業者に申請をいたします。そして、暗号資産交換業者が発行体およびIEOプロジェクトを申請します。その後に日本暗号資産取引業協会(JVCEA)の審査、最後に金融庁の審査となります。

金融庁の審査完了後にIEOの実施をようやく告知することができます。我々で言いますと4月27日に初リリースさせていただきました。それから投資家への応募抽選販売が、今回ですと4月27日から5月18日まで行われます。販売割り当てが完了した後に取引所への上場という流れとなります。

ーただ、金融庁とのやり取りには時間がかかるかと思いますが。

倉林 おっしゃる通りです。この金融庁の承認を得た上で、取引所を通じて暗号資産の発行と上場を行う資金調達のプロセスとなりますから、とても多くの時間と作業がありました。ですのでIEOと一言ではいえないくらい、非常に難易度は高いプロジェクトだったと感じます。

最初の発行はGMOコインでとなりますが、FCRコインはオープンなブロックチェーンであるイーサリアムに準拠しているものですので、グローバルな取引も可能となります。今後は国内だけではなく海外特にアジアでの取引所で扱われる暗号資産になれるように上場の準備を進めていきます。

こちらのIEOというプロジェクトは国内でまだ2例目、つまりFC琉球が2例目なのですが、スポーツクラブとしては初の取り組みとなります。

ー実は倉林さんが数年前からこの取り組みをされているのを取材から知っていましたから、やっと実現したかという印象を持ちました。でも、なぜこの先取的な取り組みが例えば首都圏にあるJ1のビッグクラブでなかったのでしょうか。

倉林 それは面白い質問です。J2の中でも小さいクラブ規模の我々が、なぜ2例目になれたかと申しますと、シンプルに早い時期から取り組んでいたということが挙げられます。

上野さんはご存知ですが、我々がIEOに取り組み始めたのは実は4年前からなんです。その頃は2018年の暗号資産バブルのような時期でもありましたが、その時の資金調達方法はICO(イニシャル・コイン・オファリング)と呼ばれるものでした。

特に難しい審査もなく、いろんなプロジェクトが仮想通貨を発行して資金調達ができるものでした。しかし実用性であるとか、実効性の低いプロジェクトも多く出てきてしまい、結果として規制が厳しくなったというところもありました。

当時は金融庁やJリーグの法務部とも相談をして、日本で独自コイン発行に関してもう少し法整備がなされるまで待とうということで、一旦ペンディングさせました。

ーこの期間、本当に息の長い取り組みだったと思います。

倉林 それが昨年、ようやくGMOコインのように登録された暗号資産交換業者において、独自の暗号資産を発行することは適法であるという法整備がなされたのです。そこから再度準備してきたものを動かし始め、1年弱ぐらいの審査も終えて、今回ようやく4年越しのIEO実施となったのです。

この取り組みは地域スポーツクラブの課題解決に繋がる仕組みになると絶対に思ってます。長期的にファンとトークンホルダーの皆様のため、価値向上に励んでいくつもりです。

クラブチームとファン・サポーターの新しい関係を構築していく、そういったスポーツクラブのエコシステムの構築もミッションの一つにある。
クラブチームとファン・サポーターの新しい関係を構築していく、そういったスポーツクラブのエコシステムの構築もミッションの一つにある。

FCRコインのポテンシャル

読谷村の練習場。熱心なサポーターは平時の練習でも見学・応援にやって来る。新しいスタジアムや練習場建設の資金の一部にもトークン活用が検討されている。
読谷村の練習場。熱心なサポーターは平時の練習でも見学・応援にやって来る。新しいスタジアムや練習場建設の資金の一部にもトークン活用が検討されている。

ー概要はわかりました。では今後の展開や倉林さんが考えるFCRコインの可能性について教えて下さい。

倉林 FC琉球の今回のIEOプロジェクトは「ファン、サポーターとサッカークラブの関係性を、新しく独自のトークンを活用することでアップデートする」ものです。地域サッカークラブ経営の新しいスタイルを示し、FC琉球だけでなく、日本とアジアのサッカーを、欧州や南米に並ぶようなものにしたいというビジョンを掲げています。

沖縄という長い歴史を持ち、地政学からアジアのハブになりえる地域にあるクラブというメリットをフルに活かして、このプラットフォームを展開させていきたいと考えています。

ー具体的にはどのように進めていきますか。

倉林 GMOコインとFC琉球がタッグを組んで、ファン・サポーターの方々にコインを購入していただくことで、今後いろいろな形でクラブ経営に参加していただきます。投げ銭や投票機能、トークンパートナーとしての権利付与、さらにユーティリティ性を高めたトークンの活用についてご提供していくのが「FC RYUKYU SOSIO」というサービスとなります。

こちらも開発が進んでおり、5月18日の割当後に活用できるようになる予定です。

なぜ我々がFCRコインというものを発行しようと思ったかといいますと、地域スポーツクラブ経営で常につきまとってくるのが資金面での課題です。

特に地方の、大きな企業がバックアップについてない小さいクラブなどは、運営資金の問題はほぼ常に出てくることになります。現在のJリーグのクラブの平均収益の比較ですが、J1は平均が38億円、J2が15億円、J3で4.6億円です。J2の平均収益は15億円ですが、我々FC琉球の営業収入は昨年ようやく6.5億円という現実があります。

ー正直かなり厳しい現実が、しかも毎年あるわけですね。

倉林 私はJ3リーグから経営を経験していますが、J2に昇格してからは常に降格のリスクと戦っています。限られた収入の中から選手強化費を捻出し、豊富な予算で良い選手を取っている強豪クラブと対等に戦わなくてはならない。非常に難しい現実を常に突きつけられた経営となっています。

経済水準がけして高くはない沖縄県内で急に1億円、2億円の収入を増やすことは簡単ではないので、我々はいろいろな資金調達方法を模索してきました。金融機関からの借入であるとか、株式による資金調達などもしてまいりました。

ただ毎年毎年、株式による資金調達をするわけにはいかないですし、銀行も赤字クラブには資金を出しづらいという状況もありますので、資金力をつけるためには何か根本的な改善をしていかないといけない。

そういう時に出てきたのがICOやIEOによる独自の暗号資産の発行という方法でした。このFCRコインによってファン・サポーターによる、より熱量の高い応援が実現していく。よりクラブ経営に熱く関わっていただくということが実現できると思っています。

例えばFC琉球が勝利したり、得点を入れるたびにFCRコインの価値が動き、コインを持っているファン・サポーターにさらに喜んでいただける。もちろんFC琉球がJ1に昇格するその時に、FCRコインの価値が大きく変動する。そういった喜びとか熱量をファンとクラブで共有できる仕組みになると考えてます。

試合へのご招待、ロゴの掲載権、ファンの会議出席などトークンホルダーのメリットは多岐にわたっている。
試合へのご招待、ロゴの掲載権、ファンの会議出席などトークンホルダーのメリットは多岐にわたっている。

ファン・サポーターのメリット

ー新しい形のお気に入りのチームの応援の仕方を感じます。未来形といえるかもしれません。ファン・サポーターのメリットについてはいかがでしょうか。

倉林 一つは一定期間(6ヶ月間)保有していることでトークンパートナーとしての権利を獲得することができます。

これは持っているコインの数に応じて、既存のスポンサー企業のような形でロゴを出すとか、お名前を出すとか、そういったことが可能になります。

また、選手やチームに対するFCRコインの送付機能。こちらのギフティング・投げ銭といわれてるような機能を持つことができます。

もう一つは我々のクラブ運営に対する投票決議への参加権を持ち、クラブの意思決定に参加することが可能となります。さらに将来的な機能として、沖縄県内の様々な企業や我々のスポンサー企業を巻き込んでこのFCRコインを決済に活用できるといった「地域通貨」のような活用プランを検討中です。

もう一つはクラブ独自のNFTを活用したデジタルコンテンツの購入を可能とします。今回のIEOに合わせて公式マスコットのNFTを1000体限定で作成し、配布させていただく予定です。またNFTについて試合観戦チケットとの連動を考えています。

時間はかかりましたが、正式な暗号資産として金融庁にも登録して発行が実現しました。そのためあまり多くの情報を出せていない現状の中でも、募集開始からの短期間で想定以上の応募が集まっています。改めてこのプロジェクトを実現させることができて良かったと思っていますし、この資金やコインの仕組みを有効活用して、さらに沖縄とともに強くなり、沖縄初のJ1昇格を実現していく。そういったスポーツクラブの先行事例をつくっていきたいです。

チームの独自コインは経営の一部参画や投票も魅力の一つ。ある意味、新しい株式会社の形態ともいえる。スポーツ産業以外の企業から注目されている理由もよく分かる。
チームの独自コインは経営の一部参画や投票も魅力の一つ。ある意味、新しい株式会社の形態ともいえる。スポーツ産業以外の企業から注目されている理由もよく分かる。

FC琉球のリブランディングと新たな展開

ー記者会見では見えてこなかった今後の構想やビジョンがかなり明確となりました。

倉林 先ほど投票の権利のお話をさせていただきましたが、来年FC琉球は創設して20周年となります。この20周年を機にクラブのリブランディングも計画しています。

場合によってはチーム名・名称を変更する、エンブレムを変更する、そういったプランも検討中です。FCRのトークンホルダーには投票機能があるので、リブランディングについても投票実施できれば話題にもなるしよりサポーターと一緒に歩むことができます。

ーチーム名やロゴの変更にトークンを持っていたら参加できる、それは面白いです。

倉林 そうですね。この20年間はいいことも悪いことも本当にいろいろなことがあったと思います。20周年を機に、一度過去と未来を整理をして、さらに力強くファン・サポーターと一緒に歩んでいきたいです。

「沖縄は日本の最南端、アジアの最先端」、浦崎元副知事の言葉で倉林代表が最も好きな言葉である。トークンエコノミーは沖縄が持つ地政学的なポテンシャルを引き出せるか。
「沖縄は日本の最南端、アジアの最先端」、浦崎元副知事の言葉で倉林代表が最も好きな言葉である。トークンエコノミーは沖縄が持つ地政学的なポテンシャルを引き出せるか。

ー最後にFCRコインの次の展開を教えていただけますでしょうか。

倉林 先ほどもお話しさせていただきましたが、FCRコインはいちクラブのファントークンとしてだけではなく、より発展させた形として沖縄の地域通貨として地域活性化に使用してもらうようなコインの流通を考えています。

例えば沖縄に観光に来た方がFCRコインを持っていると、コインで沖縄そばが食べられるとか、レンタカーが借りられるとか、お土産が買えるなど、そういったFCRコインを使えるお店や提携先を広げていく展開を考えています。既にクラブスポンサー企業様は沖縄県内で約300社ありますので具体的に話して進めていきます。

また横展開としてはFC琉球というブランドの下に、フットサルチームやビーチサッカーやダンス、陸上などいろんなスポーツの競技を横展開させていき、そこにファン・サポーターも巻き込んでいくような沖縄県内でのクラブとしての横展開も検討しています。

最後はアジア展開です。アジアでのFCRコインの上場を考えています。イーサリアムのブロックチェーンのメリットとしてグローバルに何の制約も受けないという部分があります。海外送金についてもスピード感や手数料の安さというメリットがあります、サッカーというグローバルスポーツの文脈からも、沖縄のチームであればアジアに展開していくというのは重要です。そうやって他のアジア地域でもファン・サポーターを増やしていきたいです。観光面でも強みを持つ沖縄ではアジア諸国での展開は、大事な戦略となります。

FC琉球代表の倉林啓士郎氏。今回のプロジェクトは数年間の取り組みをやっと実現させた。応募も想定以上のスピードで進んでいる。Yahoo!では今後も、FC琉球を、そして沖縄スポーツを継続的に取材していく。
FC琉球代表の倉林啓士郎氏。今回のプロジェクトは数年間の取り組みをやっと実現させた。応募も想定以上のスピードで進んでいる。Yahoo!では今後も、FC琉球を、そして沖縄スポーツを継続的に取材していく。

倉林啓士郎(KURABAYASHI Keishiro)

1981年6月2日生まれ

東京都出身

琉球フットボールクラブ株式会社代表取締役社長

東京大学経済学部卒業。在学中に株式会社DeNAにてモバイル新規事業を担当。事業立ち上げのやりがいを知り、大学4年時にパキスタンからのフェアトレードによるサッカーボール製造販売事業を開始し、2006年にスポーツブランド「sfida」を展開する株式会社イミオを設立。

2016年琉球フットボールクラブ株式会社の代表取締役社長に就任し、2019年4月に同代表取締役会長に就任。2022年4月に代表取締役社長に復帰。

*参考資料

FCRコイン ホワイトペーパー

FCRコインの販売及び取扱に関する開示情報

*記事中の画像・写真はすべてFC琉球提供

(了)

AGI Creative Labo株式会社 CEO

兵庫県生まれ スポーツジャーナリスト/早稲田大学スポーツビジネス研究所・招聘研究員/江戸川大学・追手門学院大学で非常勤講師/トヨタブロックチェーンラボ所属/ブロックチェーン企業ALiSアンバサダー,Gaudiyクリエイティブディレクター/NFTコンテンツ開発会社AGICL CEO/CBDC/漫画『アオアシ』取材・原案協力/『スポーツビジネスの未来 2021ー2030』(日経BP)など重版/ NewsPicksで「ビジネスはJリーグを救えるか?」連載/趣味はサッカー、ゴルフ、マラソン、トライアスロン / Twitterアカウントは @Nao_Ueno

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