大学入試。さて、今年の志願者数1位は?

入試シーズン本番

2月に入り、関西の私立大学は入試本番をむかえ、とりあえず前期日程の志願者動向が概ね出そろったよう。3月などに後期日程を用意している大学も多いため、最終的な結果ではありませんが、まぁ今春の大勢が見えてきたと思われるので、昨晩(2月3日)にチェックした「キャンパスナビネットワーク」の志願者数速報データをもとに、急ぎ紹介していきます(以下の数値はバタバタとこちらで手計算した部分もあります。もし思わぬ集計ミスがあったら伏してお詫びいたします)。

近畿大学の志願者増、今年も止まらず。

昨年躍進を遂げた近畿大学は、昨年現時点からの比較で言えば5683名増、計96756名(同時期での対前年比率106.2%)の受験生を集めています。関東の大学は、入試方式によっては出願〆切がまだきていないことも多く、単純な比較はできませんが、昨晩での集計値で言えば、明治大学103371名(対前年比98.0%)、早稲田大学100934名(対前年比95.7%)、法政大学92742名(対前年比97.8%)、日本大学83365名(対前年比86.1%)といったあたりが対抗馬となるのでしょう。最終的な志願者数ベスト5は、以上の5大学になりそうです。

関西に話を戻して、「産近甲龍」という括りで言えば(いや、近畿大学はこうした従来の大学間序列や枠組みを壊すと宣言してるわけですが)、農学部を新たに増設するなどした龍谷大学は5434名増(対前年比115.8%)。一方、近大のあおりをくったのか京都産業大学7001名減(対前年比79.0%)、甲南大学1808名減(対前年比90.6%)となっています。もちろん志願者数が、その大学の力を表すすべてではないですが、近畿大学が今年も相変わらず台風の目のようです。

関関同立の注目は、立命館大学大阪いばらきキャンパス

一方、「関関同立」の括りで言えば、同志社大学が3519名減で対前年比93.3%。ここのところ同志社大の入学試験は難化傾向が続いたため、敬遠されたのかも知れません。私の本務校である関西学院大学は、1408名減で対前年比96.6%。昨年度まで入試部長だった身としては、退いた途端にいきなり受験者が増えたら、ちょっとさびしいものがある…とも思っていたのですが、某予備校の予測値はもっと低かったので、この程度の減で一安心。いや、少子化の時代情況の中、安心している場合ではないのですが。

関西大学は、1048名減で対前年比98.6%。関西大学で特徴的なのは、政策創造学部(1068名増、対前年比140.6%)、社会安全学部(1287名増、対前年比155.0%)と爆発的に伸びた学部がある点。前年の反動もあってか、比較的狙い目だと受験生に思われたのかもしれませんが、これだけ志願者が集まれば、今年は難化することになるのかも。立命館大学は、唯一1150名増の対前年比101.5%。ただし、大分県にある立命館アジア太平洋大学(APU)は、1147名減の対前年比60.8%。立命館大とAPUは、同一の試験を同じ試験会場で行うなどしていたと思うので、APUから立命館へという人の流れがあったのかも知れません。立命館・APUともにSGU(スーパーグローバルユニバーシティ)に採択されているため、同じSGUならば地の利のある立命館本体へ、ということでしょうか。

それから、立命館大学大阪いばらきキャンパスの新設に、受験生がどう反応するかは注目の的でした。茨木市に移ってくるのは、京都の衣笠キャンパスから政策科学部と、滋賀のびわこくさつキャンパスから経営学部。政策科学部は10名増の対前年比100.0%でしたが、経営学部は1525名増の対前年比120.4%。やはり草津→茨木の方が、衣笠→茨木よりも移動距離が大きく、インパクト大だったのでしょうか。一方、関西大学吹田キャンパスにある政策創造学部と商学部をみてみると、政策創造学部は前述のように大幅増で、政策科学部進出の影響は見えませんが、商学部は1296名減の対前年比85.4%。もちろん、学部に関しても単純に志願者数だけで云々すべきではないでしょうが。

今年の場合、定員や入試方式、難易度(予備校の出す予測値)などに関して、関関同立各大学にさほど大きな変化はなかったと思うので、やはり志願者の増減には、新キャンパスの影響が比較的ストレートに出てきているのでは。来年も、立命館大学大阪いばらきキャンパスに新設が予定されている心理学系学部の動向が注目を集めそうです。

社会学部、軒並み減。なぜだ!

さて最後に、社会学部の教員として懸念事項を。関西大学社会学部が777名減で対前年比91.7%、関西学院大学社会学部が520名減で対前年比89.8%、同志社大学社会学部が565名減で対前年比85.9%、立命館大学産業社会学部が1381名減で対前年比84.4%。

全国的にはここまで顕著な傾向はないようですが、社会学部の不人気は何ゆえかと考え込まざるをえません。ビジネスに直結している感じがやや薄いと思われ、就職に弱そうなイメージがあるのでしょうか。私はここ数年、個人的なブログ(現在のタイトルは「特研日誌」)の方で、自身のゼミの卒業生の進路を毎年書いています(カテゴリー「就職」をクリックすると遡れます)が、社会学部卒であっても、メディア関連をはじめ、商社でも金融でもメーカーでも公務員でも、行くときは行きます。今年も卒業式後に今春のゼミ卒業生進路をあげますが、決して内定状況は悪くないです。

国公立志向、理系志向はまだまだ続くのでしょう。社会学部は基本的に私立大にあるため、アゲインストの風が吹いてるのはたしかですが。

そう言えば、関関同立以外にも、龍谷大学・佛教大学・追手門学院大学・桃山学院大学・奈良大学などにも社会学部はあり、実は、関西は社会学部王国でもあります。社会学部には「学際系学部の老舗」といった趣きがあり、加えて関西には学際的な風土のようなものも感じられます(首都圏に比べ研究者の数が相対的に少ないので、違う学問分野の方ともからむ、仲よくするみたいな伝統がある気がします)。盛り上げていきたいものです。