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古巣のJリーグ優勝を祝福する板倉滉 「ファミリークラブ。だけど仲良しこよしじゃないのがフロンターレ」

中田徹サッカーライター
フローニンゲンのCB板倉滉 (撮影:2020年9月)【中田徹】

 川崎フロンターレは11月25日、ガンバ大阪に5対0で勝ち、2年ぶり3度目のJリーグ優勝を果たした。クラブOBの板倉滉(フローニンゲン)にウィーレム2戦(11月29日。1対0でフローニンゲンの勝利)後、喜びの声を聞いた。

――フロンターレの優勝、おめでとうございます

「最高です。強すぎですよね? Jリーグでずば抜けてますよね!? 僕にとって、フロンターレはとても愛着のあるクラブです。だから優勝して『自分も頑張ろう。負けてられない』と、いい影響を受けてます。優勝した次の日の朝は『よっしゃ、やるぞー!』みたいな感じで、フローニンゲンの練習でも気合が入りました。

 フロンターレは良い先輩たちが多かった。(ガンバ大阪戦で)アキさん(家長昭博)、ハットトリックしたでしょ。俺、アキさんと仲がよくて、めちゃくちゃ面倒見てもらったんですよ。かっこいいですよね。男からかっこいいと思われる選手。ふるまいとか雰囲気とか、立ってるだけでかっこいいでしょ? でも、人柄もあるんですよ。面白いし、優しいし、『ちょっと離れたお兄ちゃん』みたいな感じです。それで、優勝を決める試合でハットトリックですよ! かっこいいなあ……。

 フロンターレは、練習から激しくやってるんです。自分がいたときもそう。(小林)悠さんとか、ノボリ(登里享平)さん、(中村)憲剛さん、(谷口)彰悟さんといった先輩たちがガツガツ練習するし、厳しいことを言うし。その中でやってるから、若手の選手たちも『もっと自分も頑張らないといけない』となる。だから、フロンターレにいたら、自分がサボるなんて考えられないですよね」

――「厳しいこと」とは?

「プレー中にちょっとしたミスをしたら『おい、お前! やれよ!!』って言われて怒られますよ。憲剛さんも若手に対して容赦なく言うけれど、結局、やっぱり人がいい。普段はいい人なんです……。って、プレー中もいい人なんですよ!(笑)

 

(先輩たちは)みんな、プレー中もいい人なんだけど、普段も優しくしてくれる。長くフロンターレでやっている選手が多いから“ファミリー感”が強くて選手同士が固まっている。

 フロンターレはチーム全員で固まってます。例えば、“若手は若手”、“上の人は上の人”とグループに分かれるのが普通だと思うんですが、フロンターレにはそれがない。チーム全体に一体感があるんです。それは上の人たちが作り上げたものだと思います。若手もあれだけ活躍しているんだから、すごいですよ」

――三笘薫選手はルーキーイヤーで活躍しました

「フロンターレで試合に出ることは、そんな簡単なことじゃない。僕はそれを経験しましたから。自分が高校を卒業して入ったときなんて、こんなうまい選手たちの中で試合に出られると思ってませんでした。『もう無理だ』『大学に行ったほうが良かったかな』と思ったこともありました。でも、そういうときにも厳しい声をかけてくれたり、逆にサポートしてくれたりしたし、いいチームですよ。みんな長くプレーしていてファミリー感が強いけれど、仲良しこよしじゃないのがフロンターレ。フロンターレの良さはやっぱりそこじゃないですか」

中村憲剛引退発表後の板倉滉コメントはこちらから

サッカーライター

1966年生まれ。サッカー好きが高じて、駐在先のオランダでサッカーライターに転じる。一ヶ月、3000km以上の距離を車で駆け抜け取材し、サッカー・スポーツ媒体に寄稿している。

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