IT業界のトレンド、ビデオ業界におけるYouTubeネットワークについて

ここ1,2年はモバイルで高品質なビデオが撮れるようになったことも影響し、ビデオ業界が盛り上がりを見せている。ちょっと前まではInstagramだとかPinterestだとか写真をベースにしたものが急成長していたが、そちらがいったん落ち着き(まだ成長はしているけども)、アーリーアダプターは次にビデオに注目している感じである。

以前、Instagramがビデオ対応した際にはモバイルビデオ業界の現状について解説したが、今回はビデオサービス最大手のYouTube周りについて考察する。

YouTubeは今年5月に8周年を迎え、今や毎月10億人が訪れるサイトに成長し、1カ月あたり60億時間も視聴されている。今ではYouTubeに動画をアップロードして生活している人も存在しているし、年収数千万クラスの人も英語圏内では出てきている。

日本だと一番人気のHIKAKINさんぐらいしかYouTubeで生活できる人は居ないだろうが、それでもバイト代ぐらいは稼げているであろう配信者(以下、YouTuber)は増えてきている。

こうした個人配信者が増えるとともに、企業も盛んにYouTubeを利用するようになってきた。そこで最近盛上がっているのが、YouTubeネットワークと呼ばれるサービス類だ。

YouTubeネットワークとは、TechCrunchのRyan Lawler氏の定義では「YouTubeをベースとする収益目的のビデオネットワーキングのこと」としている。

配信者に、分析ツールやノウハウ、撮影環境を提供すると同時に配信者同士のコラボレーションを促進し、YouTube上のチャンネル購読者を増やすことなどを主にサービス内容としている。

このYouTubeネットワークには色々な形態が出てきており、それぞれが急成長している。例えば、今年5月にGoogleなどから3500万ドル(約35億円)を調達したMachinimaは主にゲームビデオにフォーカスしている。自社でゲームの紹介動画やシリーズものの動画を作ることもあれば、マネタイズプラットフォームとしての機能も果たしている。

6月に3000万ドルを調達したFullscreenは高機能な分析ツールのダッシュボードを提供している他に、自分が演奏した音楽を他人にライセンスするためのプラットフォームや企業の広告キャンペーンに自分のビデオを提供し収益を得る手助けもしていたりする。

こうした配信者のコンテンツ作成とマネタイズを支援するサービスと反対にZEFRでは企業が著作権違反している動画を発見するための機能や、その動画からお金を得るための支援をしている。

この他にもYouTubeネットワークはたくさんあるが、この3つだけを見ても、色々な可能性を秘めている業界だと言えるだろう。動画というと、海賊版がアップロードされたり、流出動画が流れたりで批判を受けることが多かったがここ数年で一般ユーザーが質の高い動画を提供することで新しい展開が見えてきたと思う。

YouTubeによると、2011年時点で年商6ケタ(10万ドル≒1000万円)クラスのユーザーは数百にも昇り、2010年から2011年にかけて300%も増加したというから、今では数千、数万規模に到達していると予想される。

この収益はYouTubeからの広告収入なので、サポート側も十分に成立つ市場規模に成長してきたと言える。日本ではまだ動画マーケティングのコンサル事業をしている企業ぐらいしか見当たらないから、今年や来年あたりまでに参入したスタートアップにはチャンスがあるのではないだろうか。

「昨年の夏頃から私もYouTube関連のサービスを立ち上げます!」と言っていたものの、時間とリソースが無く、なかなか進展が無かったのだが、今年後半に1つは出来上がりそうなので、そこはお楽しみに。