Instagramも参入したモバイルビデオ業界の現状について

昨年4月にFacebookが10億ドルで買収したInstagramがビデオ共有機能を追加した。以前から、ビデオ版Instagramはいくつか登場していたので、いつかはInstagramもビデオ共有機能を追加する、またはスタンドアローンでビデオ版Instagramをリリースするだろうと予想されていた。

今回のビデオ機能の追加というのは、確実にTwitterのVineに対抗しようというものだろう。Vineは今年1月にリリースされた6秒間のビデオを共有するアプリで、リリース直後からビデオアプリの中では急成長している。今月頭にはAndroid版もリリースし、その時点では1300万ユーザーを獲得していたので、Facebookは早めに手を打っておきたかったのだろう。

さて、このモバイルビデオアプリ業界だが、現状はどのようになっているのだろうか。Onavoの調査によると、アメリカ国内のiPhoneユーザーに限っては圧倒的にVineが人気のようで、10.7%のiPhoneユーザーがVineを利用しているという。次に人気なのはKeeKだが、シェアは0.90%とVineの10分の1以下となっている。これに続き、Cinemagram、SocialCam、Viddyと並んでいる。

この数値を見て感じるのは、まだまだビデオアプリは普及していないということだ。写真共有アプリに関してはInstagramがアメリカ国内のiPhoneユーザーのうち約35%が利用しており、他の写真共有アプリのシェアを合わせると過半数を越えている。ビデオアプリは人気上位の4つのアプリを足しても13%以下なので、これから発展する市場であると言えるだろう。

本日のInstagramのモバイルビデオ参入のニュースに関しては大抵がVine(Twitter)対 Instagram(Facebook)という比較をしているが、みんな大事なことを忘れている。

そう、いつも立ちはだかるGoogleだ。Googleにはビデオ業界No1サービスのYouTubeがある。YouTubeは今や毎月10億人が訪れているサイトであり、規模で言えばFacebookと同等だ。あまり知られていないが、YouTubeは昨年12月にiPhone用にビデオを簡単に録画してアップロードするYouTube Captureというアプリをリリースしており、今年3月にはiPad版もリリースしている(Androidの場合はOSに機能が付いているので、後回しにしているようだ)。

YouTube Captureの利用状況に関しては発表資料が見当たらなかったので、どの程度モバイルからアップロードされているかは確かではないが、YouTubeのサイトによると全視聴時間のうち25%がモバイルからのものであり、再生回数は毎日10億回以上にも上るというから、モバイルからのアップロード数も相当な数になっていると予想される。

しかも、日本ではモバイルからの利用が半分近くになっていると昨年YouTube担当者が言っていたし、この傾向は世界的に進むと予想している専門家が多いことからも、今後YouTubeのモバイルアップローダーは増えていくだろう。

YouTubeはInstagramやVineのようなフォロー/フォロワーではなく、チャンネル/購読者というモデルなので、ややベクトルが違う気がするが、それでも正反対のベクトルではなくどこかで交わるようなものだと思う。

YouTubeは世界にYouTube Spaceというクリエイタースペースを作るなど、YouTube上で活躍するタレントの育成を試みており、個人がYouTube上でチャンネルを作成することも多くなってきているだけに、これからのYouTubeの展開はモバイルビデオ業界を語る上では外せないだろう。

Twitter、Facebook、Google+といった世界の3大ソーシャルネットワークがまたしてもビデオ共有で戦うことになったわけだが、勝利の鍵はシンプルさにあるのか、画質なのか、コミュニケーションの取りやすさなのか、このへんがポイントとなりそうだ。