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高木ブー役で注目度急上昇。加治将樹が語るイケメンから体重100キロまでの葛藤と覚悟

中西正男芸能記者
話題作に次々と出演している加治将樹さん

 志村けんさんの半生を描いたフジテレビのドラマ「志村けんとドリフの大爆笑物語」(12月放送)で高木ブー役を務める加治将樹さん(33)。現在放送中の日本テレビ「二月の勝者-絶対合格の教室-」にも出演中で、今まさに引く手あまたとなっています。イケメン俳優から、セールスポイントとなっている約100キロの体型に行きつくまでには葛藤と覚悟がありました。

1カ月半で20キロ増

 ここ何年かは本当にありがたいお話をいただき、どこまでも光栄なことだと思っています。その転機になったのは今から7年前だったと考えています。

 「サムライフ」(2015年公開)という映画をきっかけに、今の体型になったんです。実在の方をモデルにした役で、その方がすごく大柄な方だったので、監督から「太ってくれないか」と言われまして。

 以前からお世話になっている監督さんでしたし、やる以上はやれるだけのことをやろうと思って、約1カ月半で72キロから93~94キロまで増やしました。とにかく食べられるだけ食べてお腹が空いている時間がない毎日でした。

 まず朝は牛丼2杯からスタート。お昼はハンバーガーとピザ。夜はほぼ毎日お酒を飲んで、飲んだ後に必ずシメでラーメンとチャーハンを食べる。そして、すぐに寝る。その毎日でしたね。これはね、きつかったです(笑)。

 一カ月半後、スタッフさんやキャストの皆さんと会った時に、ものすごく驚いてくださいまして。少し体のラインが丸くなるくらいかと皆さん思ってらっしゃったみたいなんですけど、完全に体型が変わっていたので「すごいな」と。やって良かったと思いましたし、実は、自分としてもすごくしっくりきたんです。

 もともと、自分の中で全く個性がないなと思っていて、オレの面白いところってなんだろうという思いがずっとあったんです。

 それが太ったことで満たされたというか。やっと方向性が見いだせたというか、自分が動くべき方向性を見えたといいますか。

 逆に、撮影が終わって、また2カ月ほどかけて体を絞って元に戻したんですけど、その時に「何もなくなっちゃったな」という感覚になったんです。

今の自分が幸せ

 そもそも、子どもの頃から人前に出て何かをやるということへの思いは強かったんです。小学校の卒業文集にも将来の夢として芸能人と書いてました。

 高校に入って料理屋さんでアルバイトを始めるんですけど、そこの女将さんの後押しもあって新聞に載っていたワタナベエンターテインメントの俳優集団「D-BOYS」のオーディションを受けることになったんです。

 女将さんはかつてスタッフさんとして芸能界に関わっていたこともあったので「安心しなさい。絶対に落ちるから(笑)。でも、それも経験だし勉強になるから」と言われて行ったんですけど、何の加減か、合格しまして(笑)。

 16歳で「D-BOYS」に入って、舞台「ミュージカル テニスの王子様」に出演して、最初はすごく順調だったんです。ファンの方もついてくださるし、ワーキャー言ってもらえるし、その上、出演料までもらえる。なんて素敵なお仕事なんだと思いました。

 ただ「―テニスの王子様」が終わってからが本当のスタートだったんですね。その後は、テレビも舞台もお仕事がなかなか入らない。お金もなくなっていく。そこで「本物を追求しないといけない」という思いが強く出てきたんです。

 でも、それは簡単なことではないですし、思いはあるのに具現化できない。自分の中でもがいていたところで出合ったのが「サムライフ」だったんです。

 太った。自分の中でしっくりきた。そして、周りの方々からも「そっちの方が面白いよ」とたくさん言っていただいた。そこでマネージャーさんとも相談して、その方向でこれからも進むことにしたんです。

 ただね、今は全くワーキャー言われなくなりました(笑)。本当に言われません。ただ「自分にとってどちらが幸せか」といったら、以前よりも、自分が思っていることを表現できている今の方が幸せだと思っています。

原動力と今の体型

 あと、この体型になって周りからの見られ方が変わりました。その変わり方が僕にとってはこれもしっくりきたんです。

 ものすごく柔らかい人だと見てくださるようになったんです。その結果、とてもコミュニケーションが取りやすくなりました。親しみをもって接してくださるので、こちらもそこにスッと入っていけるというか。

 そして、その形というのは元々自分がやりたかったものでもあったので、うれしさと充実感をすごく得ることにもなっていったんです。

 というのは、これは最初から揺るがない思いなんですけど、自分がこの仕事をしている根本にあるものは「人の命を救いたい」ということなんです。

 そう言うと、すごく大きな話に聞こえてしまいますけど、僕を見て「こんなやつも頑張ってるんだ」とか「面白いやつもいるんだな」とか前向きな気持ちになってもらえないか。何かがフックになって「もう少し生きてみよう」という気持ちになってもらえないか。それが一番強い思いなんです。

 そこを目指しているので、今の僕の在りようというのは自分がやりたいことに以前よりフィットしていると感じています。

 ただ、それをさらに進めるためには、僕のことをもっとたくさんの人に知ってもらう必要がある。これを簡単な言葉で言うと「売れる」ということなんでしょうけど、そうしないと見てもらえないし、その先もないですから。

 お声がけをいただかないと仕事が発生しないのが俳優の仕事ですし、そのために何をするのか。腕を磨く。個性を際立たせる。それを模索して、とにかく求めてもらえる自分であり続ける。これは一生の課題だと思っています。

 もちろん、この体型も一つの個性ですしね。今、通常体重は100キロでキープしています。今は無理して食べるというようなことではなく、ランニングとトレーニングは欠かさずにやりながら、この体を作っているという感じです。

 そして、体型や雰囲気を多くの人に知ってもらうために服装も大切ですからね。昔、一応、ワーキャー言っていただいていた頃は、家のクローゼットに細身のジャケットもたくさんありましたけど、今はほぼオーバーオールになりました(笑)。

 結婚もしましたし、ワーキャーを追い求めることもないですし、覚悟を決めて本物を追求する。そして、皆さんに楽しんでもらい、家族を幸せにする。もう今はこれしかないですから。体型も、覚悟も、より一層定まったと思っています。

(撮影・中西正男)

■加治将樹(かじ・まさき)

1988年1月29日生まれ。東京都出身。ワタナベエンターテインメント所属。16歳で若手俳優集団「D-BOYS」のオーディションに合格し、2005年の舞台「ミュージカル テニスの王子様」でデビューする。12年に「D-BOYS」を卒業。15年公開の映画「サムライフ」で体重を約20キロ増やし、以降、その体型をベースとして活動する。18年に一般女性と結婚。日本テレビの連続ドラマ「二月の勝者-絶対合格の教室-」に出演中。来月放送のフジテレビの特別ドラマ「志村けんとドリフの大爆笑物語」に高木ブー役で出演する。

芸能記者

立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当となり、お笑い、宝塚歌劇団などを取材。上方漫才大賞など数々の賞レースで審査員も担当。12年に同社を退社し、KOZOクリエイターズに所属する。読売テレビ・中京テレビ「上沼・高田のクギズケ!」、中京テレビ「キャッチ!」、MBSラジオ「松井愛のすこ~し愛して♡」、ABCラジオ「ウラのウラまで浦川です」などに出演中。「Yahoo!オーサーアワード2019」で特別賞を受賞。また「チャートビート」が発表した「2019年で注目を集めた記事100」で世界8位となる。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

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1999年にデイリースポーツ入社以来、芸能取材一筋。2019年にはYahoo!などの連載で約120組にインタビューし“直接話を聞くこと”にこだわってきた筆者が「この目で見た」「この耳で聞いた」話だけを綴るコラムです。最新ニュースの裏側から、どこを探しても絶対に読むことができない芸人さん直送の“楽屋ニュース”まで。友達に耳打ちするように「ここだけの話やで…」とお伝えします。粉骨砕身、300円以上の値打ちをお届けします。

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