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松田賢二を支える愛娘への思い。そして、バカボンのパパの名言

中西正男芸能記者
仕事への思い、そして7歳の娘への思いを語る松田賢二

 テレビ朝日「仮面ライダー響鬼」の仮面ライダー斬鬼役でブレークした俳優・松田賢二さん(49)。舞台「モダンボーイズ」(東京・新国立劇場中劇場4月3日~16日、 大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール4月28日~30日)にも出演するなど幅広いフィールドで活動していますが、指針となっているのが7歳の娘さんだと言います。2018年に辺見えみりさんと離婚はしましたが、今でも「恥ずかしい父親にはなりたくない」と娘さんへの思いを語ります。そして、あらゆる経験を経て見出した「これでいいのだ」の境地とは。

40歳からの変化

 今回の舞台も、新型コロナ禍で稽古中からマスク厳守ですし、聞き耳を立てないと相手のセリフも分かりづらい。表情も見えにくい。

 いろいろとやりにくい状況もありますが、それをある種の枷(かせ)にして、それもトレーニングだと思って前向きにとらえています。

 そうやって、コロナ禍で仕事に対する意識が変わった部分もありますが、僕の場合、40歳を過ぎてから大きく仕事への思いが変わったと思います。

 分かりやすく言うと、自分の不器用さを噛みしめるようになりました。常に崖っぷちだという意識と不器用さを認める覚悟。それをその頃から持ち続けてきたつもりです。

 若い時は、感性の鋭さだったり、未来があるというところに甘えてきたところもあるんですけど、40歳を超えると、そういう“逃げ場”がなくなった。

 昔と違って、今は自分が現場で最年長ということも多いですし、若い人たちと感性の違いも感じます。

 「若い頃は余裕がなかったけど、歳を取ったら余裕が出てくる」みたいなことをよく聞いたりもしますけど、僕に関しては、全く逆です。今の方が余裕がない。

 こういうことを言うと仕事が減らないか心配でもありますけど(笑)、正直な話、明らかにセリフ覚えも遅くはなってきています。

 遅くなっている分、時間的にも余裕はなくなってくる。ただ、それが全て悪いことだとは思っていないんです。

 若い頃に比べて台本を読む時間が増えた分、一つ一つの作品に対する思い入れ、理解といったものは確実に増しています。照れくさい言い方でもありますけど、仕事への愛情が深くなっているなとは思います。

 歳を取ることによるプラスもある。それを感じているのも事実なんです。

娘への思い

 あと、年齢のみならず、40を過ぎて娘ができたことも大きかったです。今、娘は7歳になっています。

 離婚という形になってしまい、それは娘に対して本当に申し訳ない。その思いは今ももちろんあります。

 時々会ってはいますし、今でも卒園式だったり、娘の大きな節目にママから動画が送られてきます。しっかりとたくましく成長してくれている。

 離婚はしましたけど、娘にとって恥ずかしい父親にはなりたくない。その思いも、今の自分の大きな指針になっていると思います。

 どんな仕事もやっていきたいとは思いますけど、できれば、自分の娘や同じくらいの年の子どもが喜んでくれる作品に触れたい。そう思うようにもなっています。

 ご多分に漏れずと言いますか、娘は「鬼滅の刃」にハマってまして。一緒に映画に行ったり、グッズを買ったりもしてるんですけど、この前「鬼滅の刃」のメイン声優の方と一緒の仕事になりまして。

 それを娘に言うと、すごく喜んでくれたんです。2年ほど前に映画「アナと雪の女王」の声優を僕がやった時も喜んでくれました。

 安い言い方になるかもしれませんけど、夢を売るというか、子どもが純粋に喜んでくれるような仕事を一つでも多くやっていきたい。改めて、そう思うようになりました。

 もともと、自分が世に出たきっかけも、仮面ライダーという子どもたちが真正面から楽しんでくれる作品でした。ただ、自分に子どもができて、そこを今一度違う角度から再認識しているというか。そういう感覚にもなっています。

「これでいいのだ」

 いろいろお話をしていますけど、結局自分の人生は、失敗して、失敗して、何とか自分なりの答えを見つける。やっぱり不器用な生き方をしてきたなとは思います。

 ただ、人生は可能性の分岐点の連続です。

 自分は自分が選んだ選択肢しか生きることができないので、本当の意味で、どれが失敗で、どれが成功だったかは分からないのかもしれません。

 もっと良い可能性もあったかもしれないし、ひょっとしたら、もっと悪い可能性もあったかもしれない。でも、それは最後まで絶対に分からない。

 最近、特に噛みしめているのが、バカボンのパパの名言「これでいいのだ」なんです。この言葉を前向きにとらえることが、これまでの人生で学んだことだったのかなと。

 自分自身に対してももちろんそうですし、動画を送ってくれるママに対しても、どんどん大きくなってくれている娘に対しても、心底「これでいいのだ」と思える自分でいる。

 そのためには、まずとことん自分がしっかり生きてないといけないんでしょうけど、そう思えるよう、まだここから頑張らないとなと思っています。

 まずは家の近くの公園を走ったり、なるべく髪の毛が薄くならないように努力をしたり(笑)、できることからやっています。

 “四十にして惑わず”。そして“五十にして天命を知る”なんてことを言いますけど、今も“五十にして迷いまくり”の人生です(笑)。

 でも、不器用なんだから一生懸命にやるしかない。そこだけは間違いないので、何とかそれを続けたいと思っています。

(撮影・中西正男)

■松田賢二(まつだ・けんじ)

1971年9月23日生まれ。大阪府出身。オスカープロモーション所属。高校卒業後、劇団俳優座養成所に入所。05年、テレビ朝日「仮面ライダー響鬼」に仮面ライダー斬鬼役で出演。その後も多くの仮面ライダー関連作品に出演する。11年、辺見えみりとの結婚を発表し13年に長女が誕生。18年に離婚。19年、ディズニー映画「アナと雪の女王2」の日本語吹き替え版で新キャラクター・マティアス役を担当する。舞台「モダンボーイズ」(東京・新国立劇場中劇場4月3日~16日、 大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール4月28日~30日)に出演する。

芸能記者

立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当となり、お笑い、宝塚歌劇団などを取材。上方漫才大賞など数々の賞レースで審査員も担当。12年に同社を退社し、KOZOクリエイターズに所属する。読売テレビ・中京テレビ「上沼・高田のクギズケ!」、中京テレビ「キャッチ!」、MBSラジオ「松井愛のすこ~し愛して♡」、ABCラジオ「ウラのウラまで浦川です」などに出演中。「Yahoo!オーサーアワード2019」で特別賞を受賞。また「チャートビート」が発表した「2019年で注目を集めた記事100」で世界8位となる。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

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1999年にデイリースポーツ入社以来、芸能取材一筋。2019年にはYahoo!などの連載で約120組にインタビューし“直接話を聞くこと”にこだわってきた筆者が「この目で見た」「この耳で聞いた」話だけを綴るコラムです。最新ニュースの裏側から、どこを探しても絶対に読むことができない芸人さん直送の“楽屋ニュース”まで。友達に耳打ちするように「ここだけの話やで…」とお伝えします。粉骨砕身、300円以上の値打ちをお届けします。

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