Yahoo!ニュース

「タレントCМ起用社数ランキング」の常連、朝見心が選ばれる理由

中西正男芸能記者
多くのCMに出演する女優・朝見心

2018年、19年と「タレントCM起用社数ランキング」(ニホンモニター調べ)でランキング上位に入り、現在もニベア花王「ニベアクリーム」、小林製薬「ナイトミン」など9社とCM契約中の女優・朝見心さん(35)。居並ぶ人気女優の中で、朝見さんがランキングに入り続ける理由とは。

「…あ、私、やっぱり」

 京都の出身なので、小さな頃から吉本新喜劇を見て育ってきたんです。本当に、本当に、新喜劇が好きで、中学を卒業して新喜劇に入るか、高校に進むかで悩みました。

 新喜劇の中でも女性座員さんっていろいろなパターンの方がいらっしゃるなと思っていて。未知やすえさん、中西喜美恵さん、島田珠代さん…。いろいろいらっしゃる中でも、私にはやすえさんの役どころがすごく魅力的だったんですけど、もし新喜劇に入れても、そういう役どころができるかは全く分からない。

 そして、珠代さんを見るたびに「私はあそこまでやりきれるのか」と自問自答し続けた結果、私にはその自信がないと思って、高校に進学したんです。そこから大学に行って、一般企業に就職してという道に進むことになりました。

 仕事は大阪・梅田で機械の営業をしてたんですけど、外回りをしていた時に、美容師さんに「カットモデルをしませんか」と声をかけられたんです。その瞬間「…あ、私、やっぱりこっちの方がしたい」という思いがバッと出てきまして。

 というのは、同級生のお姉さんが美容師さんをされていて、そこの美容室で高校3年の時から大学を卒業するまでカットモデルをさせてもらったんです。

 その中で、東京で行われたカットのコンテストにモデルとして参加させてもらうことがあって、幸運なことに賞もいただいたんです。

 その時の感動がすごく大きくて「今後の人生で、これ以上の感動を得られることがあるのかな」という思いが漠然とあったんです。

 心の奥底にあった思いが、声をかけられたことによって再燃したというか、一気に出てきた。会社に勤めてまだ半年くらいだったんですけど、外回りから戻るなり上司に「会社を辞めます」と伝えました。かなりの流れなんですけど(笑)。

 あと、もう一つ奥の思いで言うと、就職したのも周りがするからそれが“普通”だという感覚だとか、親に四年制の私立大学まで出してもらったからとか、自分の本心とは違うところのもので固めてしまっていたというか。

 別にそれが悪いことではないと思ってたんですけど、毎日同じ人と会って、毎日同じ電車に乗る。そして、会社という枠組みの中だけで動く。

 そんな生活がこれからずっと続く息苦しさみたいなものも感じていて“今いるところではないどこか”への思いが、その瞬間に湧きあがったのかもしれません。

 そこから、モデルのお仕事をするようになって東京に出てきたんですけど、年齢的にもその世界ではかなり遅い部類に入るし、身長的にもなかなか難しいとなりまして。

 そこで、お芝居の世界に挑戦するお話をいただいて舞台をさせてもらったんです。それがすごく心に響きまして。

 もともとお芝居の勉強をしていたわけでもないので、大変なことだらけだったんですけど、最終的に残る感情は“楽しい”だったんです。

 それ以来、お芝居の仕事をやってきて、28歳の時に今の事務所に入って現在に至るという流れです。長い説明になりましたけど(笑)。

「私はこういう人間です」

 お芝居の仕事の中でも、本当にありがたいことにCMのお仕事をいただく機会に恵まれました。ただ、最初はオーディションに行ってもなかなか受からなかったんです。

 それが30歳を過ぎた頃で、考えたら、社会人で言うと10年目あたりになってきて、会社で働いている友達には部下もいて、結果を出している人もどんどん出てきている。

 違う業界とはいえ、結果が出ていないということは何かしら問題があるはずだ。そう思って、今一度、自分を見つめ直すというか、とことん考えてみたんです。

 オーディションって、受ける側が委縮しているというか、私もそうだったんですけど、とにかく力いっぱいに「受かりたい!」「頑張ります!」「なんでもやります!」みたいな空気が会場にあるんです。

 ただ、自分が監督とかクライアントだとして、何にでも「はい!分かりました!」と委縮して前のめりで返事をするような人は、本当に取りたいかなと。

 「言ったことはやってくれるかもしれないけど、その人から出てくるものがない」と感じるんじゃないかと思ったんです。

 逆に「私はこういう人間です。これはできます。これはできません」とはっきり言ってくれる人の方が採用側も理解しやすいし、プラスアルファが生まれやすいのかなと。

 その役に“当てはまりにいく”のも大事ですけど、私は「自分はこういう人間です」を出すようにしてから、急にお仕事が決まるようになったと感じているんです。

 あと、CMの現場に行かせてもらうようになって、いわゆる“売れている”皆さんとご一緒させてもらう機会が増えたんですけど、皆さんに言えることは「売れてる人はみんないい人」ということです。これは確実にそうだと思います。仕事はもちろんのこと、人としてあいさつも、気遣いも、本当に素晴らしい方ばかりで。

 内田有紀さん、妻夫木聡さん、山田優さん…。誰に対しても、同じように気遣いをされますし、みんながそれぞれの仕事をしやすいような空気をさりげなくされているんです。

 そういう皆さんが作られる空気を吸うことで、自分もできればそうありたいと思いますし「また一緒に仕事をしたい」と思われる人間でいたい。その気持ちも強くなりました。

夢の舞台

 とはいえ、まだドラマとか映画に出るとなると、ワンシーンだけというレベルですし、平日はしっかりと午前10時から午後6時までアルバイトもしてます(笑)。なので、ドラマなり、映画なり、一つの作品をしっかり作っていく役どころに早くなりたいと思っています。

 ただ、この世界は何がどうなるか分からないのが魅力だなと思っていて。モデルがしたかったけど、お芝居をして、そこからCMに出していただいて。まさかの連続です。

 さらに、CMきっかけでお声がけをいただいて、今はテレビ北海道さんで「土曜旅館 桜の間」で「次長課長」の河本準一とMCもさせてもらうようになりまして。

 今後も、またお声がけいただけるように積み重ねをしていきたいですし、河本さんともお仕事をさせてもらっているし、実は、少しずつですけど、夢の舞台である新喜劇にも、じわじわと近づいていってるのかなと(笑)。

 ただ、もし新喜劇の舞台に立ったら、その瞬間、うれしすぎて、まだ誰もギャグを言ってないのに膝から崩れ落ちてると思います(笑)。

(撮影・中西正男)

■朝見心(あさみ・こころ)

1985年9月30日生まれ。京都府出身。大学卒業後、一般企業で仕事を始めるが、カットモデルをきっかけに芸能界入り。「タレントCM起用社数ランキング」(ニホンモニター調べ)で2018年(8社で7位)、19年(8社で6位)と連続ランクイン。現在、ニベア花王「ニベアクリーム」、小林製薬「ナイトミン」、ニッスイ「レンジで作る中華キット2020」、JALなど9社とCM契約中。米津玄師「カナリヤ」のMVにも出演。テレビ北海道「土曜旅館 桜の間」では「次長課長」の河本準一とMCを務めている。出演映画「レディ・トゥ・レディ」が12月11日から全国順次公開。

芸能記者

立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当となり、お笑い、宝塚歌劇団などを取材。上方漫才大賞など数々の賞レースで審査員も担当。12年に同社を退社し、KOZOクリエイターズに所属する。読売テレビ・中京テレビ「上沼・高田のクギズケ!」、中京テレビ「キャッチ!」、MBSラジオ「松井愛のすこ~し愛して♡」、ABCラジオ「ウラのウラまで浦川です」などに出演中。「Yahoo!オーサーアワード2019」で特別賞を受賞。また「チャートビート」が発表した「2019年で注目を集めた記事100」で世界8位となる。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

中西正男のここだけの話~直接見たこと聞いたことだけ伝えます~

税込330円/月初月無料投稿頻度:月3回程度(不定期)

1999年にデイリースポーツ入社以来、芸能取材一筋。2019年にはYahoo!などの連載で約120組にインタビューし“直接話を聞くこと”にこだわってきた筆者が「この目で見た」「この耳で聞いた」話だけを綴るコラムです。最新ニュースの裏側から、どこを探しても絶対に読むことができない芸人さん直送の“楽屋ニュース”まで。友達に耳打ちするように「ここだけの話やで…」とお伝えします。粉骨砕身、300円以上の値打ちをお届けします。

※すでに購入済みの方はログインしてください。

※ご購入や初月無料の適用には条件がございます。購入についての注意事項を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。欧州経済領域(EEA)およびイギリスから購入や閲覧ができませんのでご注意ください。

中西正男の最近の記事