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「これだけは絶対にない」。ブラザー・コーンが明かす今の思い。

中西正男芸能記者
昨年12月に銀座で始めた「BAR K's 」で思いを語るブラザー・コーン

 11月5日に65歳の誕生日を迎えるブラザー・コーンさん。当日は東京・恵比寿アクトスクエアでバースデーライブを開催しますが、新型コロナ禍でライブもままならない状況が続き、様々な思いが頭をよぎったと言います。昨年12月、銀座にオープンさせたバーも大きなダメージを受けていますが、あらゆる思いが去来した中で「これだけは絶対にない」と断言したこととは。

経営するバーにもダメージ

 誕生日のライブは毎年やってまして、(木梨)憲武とか、大黒摩季ちゃんとか、(藤井)フミヤとかヒロミとか、いろいろなゲストがいつも来てくれるんです。

 ただ、今年は新型コロナでどうしたものかと。考えに考えたんですけど、周りの人たちからの話もあり、万全の対策をとった上でやろうとなりました。通常300人以上入れるところを100人限定にして、スタンディングではなく着席スタイルで。

 コロナ禍で、もちろんどの仕事も影響があるとは思うんですけど、やっぱりライブというのは人が集まってやるものだから、本当に難しいなと痛感しています。

 それと、去年12月から銀座で「BAR K's 」というバーをやり始めまして。こっちもコロナでダメージを受けています。

 4月、5月、6月は完全に店を閉めてましたし、今はパーテーションを立てたり、最新の検温機器とか消毒システムを取り入れて営業をしてますけど、コロナ前の売り上げとは比べるべくもない感じです。

歌いながら涙

 ただ、マイナスばかりを嘆いててもしょうがないですからね。家にいる時間も圧倒的に増えたので、YouTubeチャンネル「ブラザーコーンプライアンス」をやったり、あとは(ライブ配信アプリ)「17LIVE」もコロナ禍をきっかけに始めました。

 「17LIVE」の配信者では自分が最年長みたいで(笑)、周りでやってるのは若い人ばっかりだし、見てくれるのも若い人が圧倒的に多い。なので「『WON'T BE LONG』って『EXILE』が歌ってると思ってたら、もともとはコーンさんだったんですね」と言われたりね(笑)。

 そうやって、何かしらプラスを見出そうとはしてるんですけど、やっぱりいろいろ考えもしましたね。

 日本のみならず、コロナ禍は全世界ですから。テレビをつけても、コロナ、コロナ。地球全体がダメになってしまうんじゃないか。そんなことも考えました。

 今まで普通に、何も意識すらすることなく“当たり前”だと思って暮らしてきたことが、いかに普通ではなかったか。そして、それを支えてくれていた方々がいたことも感じましたし、コロナ禍で感謝という気持ちがすごく強くなりました。

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 となるとね、自分で作ってきた詞への感情移入も強くなってくるんですよね。それこそ、これまで数えきれないくらい歌ってきた曲なのに、歌いながら涙が出てきたりとか。

 「It's a MIRACLE CHANCE」(1994年)という曲があって、ライブなんかでは必ず歌う曲なんです。歌詞の中に、こうやって生きてこられたのはお前のおかげだみたいな思いを込めた部分があるんですけど、その歌詞を作った時の思いとか、今、新たに湧き出てくる思い。それがそこに乗っかって、また違う感覚になったりもしてるんですよね。

 だから、11月5日のライブも去年とはまた違う味になると思います。こっち側の感覚が去年とは確実に変わってますからね。

「これだけは絶対にない」

 しかし、もう65歳ですからね。完全に、いい歳ぶっこいてますから(笑)。自分としたら、寝て起きたらいつの間にか65歳みたいな感覚なんですけどね。

 ただ、もし同窓会なんていった日には、周りは等身大の65歳ばかりですから。そりゃ、65ですからね。それで当然なんですけど(笑)。昔は若返りたいとか、シワをなくしたいとか思ってましたけど、今は逆に早く70になってみたいなと思ってます。

 幸いなことに、そこまで生きていられたら、70のオレは何をしてるんだろうなと。70という歳まで、あと5年しかないことにも驚いちゃうけど、なんとか70の自分を見てみたい。だから、酒も控えるし、タバコは吸ってないし、暴飲暴食もせずに、ボウリングしたり、体を鍛えたりはしてます。

 あとね、嫌いなものを今からやる。これだけは絶対にないです。ここまできたら、好きなことをとことんやる。それはもう決めてます。

 そして、70でも何とかステージで歌っていたい。これが一番の思いです。何とか声が出てる間は歌っていたい。カッコつけて言ってるわけじゃないんですけど(笑)、心底、そう思うんです。

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(撮影・中西正男)

■ブラザー・コーン

1955年11月5日生まれ。東京都出身。大学在学中にフジテレビ「とびだせものまね大作戦」で注目を集め、83年に小柳トム(現:Bro.TOM)とデュオ「バブルガム・ブラザーズ」を結成する。「WON'T BE LONG」がヒットし91年には「NHK紅白歌合戦」に出場。11月5日には東京・恵比寿アクトスクエアでバースデーライブを開催。11月8日にも同所でスポーツイベント「スポーツ・オブ・ハート2020」で歌唱披露。12月19日には横浜のライブハウス「FRIDAY」でライブを行う。

芸能記者

立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当となり、お笑い、宝塚歌劇団などを取材。上方漫才大賞など数々の賞レースで審査員も担当。12年に同社を退社し、KOZOクリエイターズに所属する。読売テレビ・中京テレビ「上沼・高田のクギズケ!」、中京テレビ「キャッチ!」、MBSラジオ「松井愛のすこ~し愛して♡」、ABCラジオ「ウラのウラまで浦川です」などに出演中。「Yahoo!オーサーアワード2019」で特別賞を受賞。また「チャートビート」が発表した「2019年で注目を集めた記事100」で世界8位となる。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

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1999年にデイリースポーツ入社以来、芸能取材一筋。2019年にはYahoo!などの連載で約120組にインタビューし“直接話を聞くこと”にこだわってきた筆者が「この目で見た」「この耳で聞いた」話だけを綴るコラムです。最新ニュースの裏側から、どこを探しても絶対に読むことができない芸人さん直送の“楽屋ニュース”まで。友達に耳打ちするように「ここだけの話やで…」とお伝えします。粉骨砕身、300円以上の値打ちをお届けします。

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