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ガリガリガリクソンが語る、無観客「R-1」で優勝する方法

中西正男芸能記者
無観客で行われる「R-1ぐらんぷり」に対して持論を展開するガリガリガリクソン

 昨年122キロから75キロまでダイエットし話題となったガリガリガリクソンさん(34)。2017年に飲酒運転で逮捕され、1年以上に及ぶ謹慎後はメディアでの活動はほとんどありませんでしたが、今月1日からインターネットラジオ番組「史上最低のワイドショー」を立ち上げました。ガリクソンさんが、自らの正義を旗印に、お笑いや音楽などをぶった切る内容。かつて大会を批判し、ひと悶着あったピン芸人ナンバーワン決定戦「R-1ぐらんぷり」(8日決勝)に対しても「無観客という難しいハードルを、むしろ前向きにする方法があります」とラジオの勢いそのままに持論を展開しました。

本当に、本当のことを話す

 ワイドショーという言葉をタイトルにつけたように、何か芸能界で事件が起きたり、取り上げたいテーマが出てきたら、ツイッター感覚ですぐに発信できるものにしたいと思っています。

 芸能人の方がやっているYouTubeは、自然体を見せるというか、仕事じゃないオフのところを見せるという色が強いと思うんです。釣りをやったり、無邪気にピカピカの泥団子を作ってみたり。

 ただ、僕はそこは見せたくないですし、そこまで一般の方に知ってほしくもない。みんなそこに行きがちですけど、僕はそういう方向には行きたくないというのがありまして。

 もっと言うと「本当の自分を見せてます!」みたいなことはすごく多いけど、本当に見せてるのは少ないと思うんです。“すっぴん画像”と言っても「本当にすっぴんか?」というものもありますし(笑)。

 今はとりわけメディアでは“好感度が命”のご時世になってます。ただ、いつかそのしわ寄せみたいなものがくると僕は思っているんです。

 本当に、本当のことを話す。もちろん、それをやるにはリスクもありますし、それでなくても、僕の場合は“吉本興業の捨て子”だと思ってますけど(笑)、ラジオをやることで、もっと芸人の皆さんから阻害されることにもなるかもしれません。

 ただ、あくまでも、誰かを貶めるためにやっているということではなく、自分が思う正しいことをそのまま言う。それが大前提です。その結果、摩擦が起きることもあるとは思いますけど、それで何かしら気づきが生まれればいいなと考えているんです。

“三浦マイルド化”を食い止める

 例えば、これはお笑いも、ミュージシャンもそうんですけど、若い人はみんなアルバイトばっかりやってます。また、それに対して、周りも“苦労人”という言葉で、そういう状況を前向きなものとして出したがる。

 深夜バイトを掛け持ちしながら、一日に十何時間バイトをしながらお笑いを頑張っている。それはもう、お笑いじゃなくて、バイトを頑張っているんです。

 バンドマンの人も「東京に出てきて、全てを音楽にかける」みたいなことを言いながら、コンビニでバイトしている人も多い。それは時間の無駄です。何かしら、音楽に関する仕事、アルバイトを必死に探す。そしてそれをやりながら、自分の音楽もやる。それだったらまだ筋が通ってますけど、コンビニで夜通し働くのはバイトを頑張ってるだけ。

 でも、それだけバイトしてたら肉体的にはしんどいですから、結局、勘違いをしてしまうんです。「オレはこんなに頑張ってるのに、なぜ結果が出ないんだ」と心がどんどん悪い方向に向いてしまう。

 こうやって、芸人やバンドマンが“三浦マイルド化”していくのを少しでも食い止めたい。そんな思いもあって、このラジオをやったというのもあります。三浦マイルド本人はもう手遅れですけど(笑)、そうなる前に、少しでも早い段階で気づかせるというか。

無観客「R-1」で優勝する方法

 今年の「R-1」も、もちろん優勝した人にもよりますけど、多くの場合“苦労人”という言葉が出てくるんだと思います。でも、それが果たして良い言葉なのか…とは思います。

 「R-1」で言うと、僕はもう出ないことにしたので、あくまでも外の人間が言っているだけになるんですけど、今年は無観客という異例の事態の中、行われます。

 果たして賞レースとして成立するのかといろいろ言われてもいます。ただ、もちろん、世の中が大変なことになっている中での決断ですから、それは受け入れた上で、今だからこそできるやり方というのもあると思うんです。

 具体的な案ですか?もちろん、あります。もし、僕が今年の決勝に出てたら「これをやったら優勝」と確信している方法があります。

 ネタ時間の半分は普通にネタをやって、そこから後半は、ステージ上で携帯電話を使ってエゴサーチをするんです。生放送で、リアルタイムにエゴサーチをして、そこまでのネタに関して僕の悪口を言っているヤツを全員ブロックするサマを見せていきます。

 そいつが前の日に何を食べていたかなんかを晒した上で、ブロックのボタンを押します。もし、少し前に彼氏と別れていた人間が悪口を言ってたら「ざまあみろ!」と言いながら、ブロックのボタンを押します(笑)。

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 だって、無観客試合ですから、まず誰に対してネタをやってるかが分からない。反応も分からない。なら、僕だったら、ネタをやる対象をインターネット民と定めて、その反応をリアルタイムにSNSで見て、そこをバサバサとやっていきます。ネット上の客イジリというか。

 そうやることで、無観客試合という難しいハードルは超えられるはずだと思っています。

 本当だったら目の前にお客さんがいらっしゃって、その人たちに向けてネタをやるわけですけど、一人もいないんですから。そこで、普通にコントをしても「何をしとんねん」となる。その場その場に合ったファイトをしないと。

 それと、このやり方は、お客さんがいらっしゃる「R-1」にはそぐわないんです。テレビの前の人を逆に晒す客イジリ。それをお客さんがいる「R-1」でやったら「こんなこと書いてるぜ!みんな笑ってやろうぜ!」と僕が客席に向かって言った瞬間、お客さんも巻き込んで“共犯”にしてしまう。笑った人を“悪”にしてしまう。

 ただ、お客さんがいない状態なら、純粋に「僕vsインターネット民」という構図になります。「なんちゅうことすんねん!」というベクトルは僕にしか向かないですから。これこそ、無観客だからこそのやり方じゃないかなと。全ての罪は僕が背負えば済むので。

 …あとね、もう一つだけ言わせてもらっていいですか?去年、122キロから75キロまで痩せて、今は95キロくらいまで戻ってるんですけど、実は、もう一回、体を作りなおそうと思ってまして。

 既に3月から糖質制限的なことは始めてるんですけど、その中で、画期的な方法を見つけたんです!

 VRゴーグルをつけて、エッチな動画、とりわけドS系の言葉責めをされるような動画を見ながら、腹筋ローラーをやるんです。すると、飛躍的にモチベーションが上がって、今まで4~5回しかできなかったローラーが、なんと30回はできるという…。

 ま、こんな感じのことをラジオで言っていくつもりです(笑)。なので、いつまで続いているか分かりませんので、できたら早めに聴いてみてくださいませ。

(撮影・中西正男)

■ガリガリガリクソン

1986年2月19日生まれ。兵庫県出身。本名・坂本祐介。吉本興業所属。“ニート漫談”などで注目され、TBS「あらびき団」、ABCテレビ「ごきげんブランニュ」など人気番組にも多数出演するが、2017年5月、酒気帯び運転が発覚し道路交通法違反で逮捕される。無期限謹慎処分を経て、18年6月に仕事復帰。19年4月、122キロあった体重を75キロまで減らしたことを報告し話題に。今年3月1日からインターネットラジオ番組「史上最低のワイドショー」をスタートさせる。出演はガリガリガリクソン、お笑いトリオ「ハニートラップ」梅木一仁。

芸能記者

立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当となり、お笑い、宝塚歌劇団などを取材。上方漫才大賞など数々の賞レースで審査員も担当。12年に同社を退社し、KOZOクリエイターズに所属する。読売テレビ・中京テレビ「上沼・高田のクギズケ!」、中京テレビ「キャッチ!」、MBSラジオ「松井愛のすこ~し愛して♡」、ABCラジオ「ウラのウラまで浦川です」などに出演中。「Yahoo!オーサーアワード2019」で特別賞を受賞。また「チャートビート」が発表した「2019年で注目を集めた記事100」で世界8位となる。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

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1999年にデイリースポーツ入社以来、芸能取材一筋。2019年にはYahoo!などの連載で約120組にインタビューし“直接話を聞くこと”にこだわってきた筆者が「この目で見た」「この耳で聞いた」話だけを綴るコラムです。最新ニュースの裏側から、どこを探しても絶対に読むことができない芸人さん直送の“楽屋ニュース”まで。友達に耳打ちするように「ここだけの話やで…」とお伝えします。粉骨砕身、300円以上の値打ちをお届けします。

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