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TikTokランキング男性日本1位の“はやたく”の思考法

中西正男芸能記者
“はやたく”の愛称で知られる林拓磨

 動画作成共有アプリ「TikTok」のフォロワー数ランキングで男性部門日本1位の林拓磨さん(19)。“はやたく”の愛称で、特に中高生から圧倒的な知名度を誇りますが、東海地方を拠点にする5人組男性アイドルグループ「Hi☆Five」のメンバーとしても活動しています。グループとしての3枚目のシングル「WE CAN FLY」も3月17日にリリース。急速に注目度がアップしていますが、飛躍の礎となっているのは常に“面白いもの”を探す目線でした。

流行りを作る

 TikTok、最初は好奇心というか、流行りのものだし、ちょっとやってみようかなという感じで始めたんです。タピオカが流行ってるから、タピオカを飲むくらいの感じで(笑)。始めたのが2017年11月頃。高校2年生の時でした。

 やっていくうちに、だんだん見てくださる方の人数が増えてきて、反応をいただけるようになっていったんです。

 すると、初めはあくまでも自分が楽しむためにやっていたものが、見てくださる方に楽しんでもらいたいという意識に徐々に変わっていきまして。

 楽しんでもらいたい。共感してもらいたい。そして、流行りに乗るというよりも、自分で流行りを作りたい。そんな風に意識が変わっていったんです。

アイデアのタネ

 それが決定的というか、ドンと大きくなったのは2018年の8月でした。そこで初めて、いわゆるバズるというか、自分が作った動画が話題になったんです。

 内容としては、ボーイズラブ的なもので、再生回数が1000万回くらいにまでなりまして。

 それまではリップシンクという口パク動画とか、その時に流行ってるものを自分もマネする。そんな方向性のものだったんですけど、ボーイズラブの動画は全部自分で考えて作ったものだったんです。

 それが世の中に認められた。大きな反応をいただいた。そこから「また、こうやって楽しんでもらいたい」という思いが一気に広がっていった感じです。

画像

 基本的に、毎日1本、年間365本の動画をアップしてるんですけど、その源となっているのはメモです。生活の中で「あ、これ、面白いな」と思ったことはメモに残すようにしているんです。

 その“アイデアのタネ”をもとに、それを15秒の動画でどう表現したら面白さが伝わるのか。そこに音楽をつけて、頭の中で動画を作ってみて、それをそのまま撮影するんです。頭の中を形にする。それが本当に楽しくて。

 例えば、味はミルクティーなのに見た目は水みたいに無色透明なドリンクって売ってますよね?あれを見た時に、そこからの着想というか、じゃ、色のある飲み物をいきなり透明に変えたらすごいんじゃないか。それが映像でできないか。それがアイデアのタネなんです。

 そこからいろいろ考えて、ペットボトルに水を入れて、色付きの紙を下に敷くと、ある角度から見ると、色付きの水に見える。その紙をサッと抜き取ると、映像的には一瞬で無色にしたようになる。そんなことを頭の中でシミュレーションして、実際にやってみる。そして、動画をアップする。日々、そんな流れでやってきました。

 その中で、一つこだわっているのは“誰でもすぐにマネができる”ということ。すごく高度な技術を使ったりするものだったら、見てくださる方は「すごいな」とは思うかもしれませんけど、単に見て終わっちゃう。

 でも、誰でもできるものなら、マネをしてもらえる。そして、その動画をまた皆さんが世間に広めてくれる。それが流行りを作るということになるのかなと。

オンリーワンの存在へ

 今、自分は東海地方を拠点にする(5人組男性アイドル)グループ「Hi☆Five」のメンバーとしても活動させてもらっているんですけど、SNSだけでなく、グループとしてはテレビにも出してもらって、そこで一気にこちらを知ってもらっている方の年齢層が広がったと感じています。

 TikTokなどのSNSも、テレビなどのメディアも両方しっかりと取り組む。そして、それを自分自身に、グループに、還流させていくというか、全部をうまく繋げていく。その結果、オンリーワンの存在になれたらいいなと考えています。

 グループとしては「オリコン週間ランキングで1位をとる」というのが当面の明確な目標です。そして、いつかはドームクラスの会場でライブもやりたいと考えています。

 TikTokでは今、日本の男性部門の1位なので、次は日本全体の1位を狙いたいですし、日本で1位になったら、次は世界1位を目指したい。まだまだ上を見ると果てしなく高いところにまでたくさんの方がいらっしゃるので、こんなことを言うのも烏滸がましいんですけど、そうやって、少しでも上を目指したいなと。

 なんだか、ずいぶん真面目みたいになっちゃいましたかね(笑)。でも、本当に、本当に、僕自身、毎日楽しく動画を作ってますし、その動画でもっと、もっと皆さんにも楽しんでもらいたい。いきつくところはそれだけなんです。たくさんの方に楽しんでもらった結果がそういう数字にも繋がると思うので、これからも、毎日面白いものを探していきます。

(撮影・中西正男)

■林拓磨(はやし・たくま)

2000年4月3日生まれ。愛知県出身。身長179センチ。ワタナベエンターテインメント所属。短編動画作成共有アプリ「TikTok」で男性部門日本1位のフォロワー数(約180万人、2020年2月現在)を誇る。19年4月、5人組アイドルグループ「Hi☆Five」としてシングル「We are Hi☆Five」でデビュー。3月17日には「Hi☆Five」としての3枚目のシングル「WE CAN FLY」がリリースされる。

芸能記者

立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当となり、お笑い、宝塚歌劇団などを取材。上方漫才大賞など数々の賞レースで審査員も担当。12年に同社を退社し、KOZOクリエイターズに所属する。読売テレビ・中京テレビ「上沼・高田のクギズケ!」、中京テレビ「キャッチ!」、MBSラジオ「松井愛のすこ~し愛して♡」、ABCラジオ「ウラのウラまで浦川です」などに出演中。「Yahoo!オーサーアワード2019」で特別賞を受賞。また「チャートビート」が発表した「2019年で注目を集めた記事100」で世界8位となる。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

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1999年にデイリースポーツ入社以来、芸能取材一筋。2019年にはYahoo!などの連載で約120組にインタビューし“直接話を聞くこと”にこだわってきた筆者が「この目で見た」「この耳で聞いた」話だけを綴るコラムです。最新ニュースの裏側から、どこを探しても絶対に読むことができない芸人さん直送の“楽屋ニュース”まで。友達に耳打ちするように「ここだけの話やで…」とお伝えします。粉骨砕身、300円以上の値打ちをお届けします。

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