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misonoが筆者に語った島田紳助さんYouTube出演への思い

中西正男芸能記者
紳助さんの動画出演について思いを語ったmisono(写真は2014年、本人提供)

 2011年8月に芸能界を引退した島田紳助さんが歌手のmisonoさんのYouTubeチャンネルに登場したことを受け、misonoさんに取材のため連絡をしました。

 misonoさんとはタレント・たむらけんじさんを通じて交流があり、午後9時ちょうどにmisonoさんに事の成り行きを尋ねるメールを送りました。15分後、misonoさん本人から折り返しの電話がありました。

 以下はmisonoさんとの会話をもとに作成した取材メモです。

 ●10日まで海外に居て、11日はホテルで歌う仕事があったので大阪に来た。本来、その日のうちに東京に戻る予定だったが、たまたま仕事の流れがおして帰れなくなり、急遽大阪泊まりになった。

 ●宿泊先でNosukeと連絡を取っていたら、たまたま「(山田)親太朗もDJの仕事で大阪にいるみたい」となり、連絡をして合流することに。そこにたまたま紳助さんがいた。会ったことも全くの偶然。

 ●そこからお酒も進んでいた紳助さんがmisonoに動画の話を持ち掛けたが、当初、これをmisonoは固辞。

 「紳助さんの映像が何年ぶりかに出るということはとてつもなく大きなこと。これまで、明石家さんまらどんな大物の方のラブコールにも応じなかった紳助さんが、自分のYouTubeチャンネルで初の映像を出すなんてありえない」

 「今はお酒をお飲みになっているから、明日になって、もう一度しっかりと考えてください」

 ●動画を撮った後も「いろいろなタレントさんの名前も出ているから、そこへ確認をした方がいいのでは?」というmisonoの申し出にも「もし、何かしらクレーム的なことがあったら、オレが責任を負うから大丈夫」

 ●紳助さんが力を込めておっしゃっていたのは「みんな『ヘキサゴン』で売れて感謝してくれるけど、感謝するのはオレの方。みんなが一生懸命やってくれて、オレが助けてもらった」ということ。

 そんな思いを持ってくれる紳助さんの優しさ、愛、男気…いろいろな紳助さんのありがたい思いがギュッと詰まって形になった。

 ●紳助さんは「オレが責任を持つから大丈夫」と言い続け、結局、携帯電話のカメラで動画を撮影し、これもまた紳助さんの強い勧めですぐにアップすることになった。

 以上が動画アップまでの流れ。

 misonoの思い、言いたいこととしては、

 ●ただただ、紳助さんがありがたい思いの塊で言ってくださったことで、恐れ多いこと。ましてや、自分が紳助さんを利用して「動画を撮ってください」なんて言うわけもないし、言えるはずもない。言う発想もない。

 ●そんな中、今回のことを「紳助の利用」みたいに言われるのは事実と異なるし、何より純度100%の思いで出てくれた紳助さんに悪い。

 何の得もないmisonoのチャンネルみたいなところで動画を出してくださったのが、自らの純粋な思いで出てくださった一番の証拠。

 以上のような内容でした。

 引退から8年半近く経ちますが、今でも島田紳助という名前に対する“アレルギー”のようなものは感じますし、あるのが現実だと思います。

 実際Yahoo!拙連載を書いていても、自分の原稿の中に紳助さんの名前を出すだけでコメント欄が荒れます。それは一人の書き手としても痛感しています。

 ただ、misonoさん以外にも吉本興業関係者、後輩芸人、紳助さんの周囲などあらゆる関係者と話しましたが、どこに話を聞いても同じ答えが返ってきました。

 「『少しでもmisonoとご主人のサポートになれば』という以外の思いはない」

 いろいろな“炎上”を考慮しても、やることに意味がある。

 過去、紳助さんが海外に学校を建てるプロジェクトをしている時に、言っていた言葉が思い出されます。

 「こういうことをやると、偽善だという人がいる。ただ、もし仮に偽善であったとしても、やらないよりはやった方がいい。それで助かる人がいるんだから」

 今回のことにも、紳助さんの哲学が色濃く表れている。それは間違いないと考えています。

芸能記者

立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当となり、お笑い、宝塚歌劇団などを取材。上方漫才大賞など数々の賞レースで審査員も担当。12年に同社を退社し、KOZOクリエイターズに所属する。読売テレビ・中京テレビ「上沼・高田のクギズケ!」、中京テレビ「キャッチ!」、MBSラジオ「松井愛のすこ~し愛して♡」、ABCラジオ「ウラのウラまで浦川です」などに出演中。「Yahoo!オーサーアワード2019」で特別賞を受賞。また「チャートビート」が発表した「2019年で注目を集めた記事100」で世界8位となる。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

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1999年にデイリースポーツ入社以来、芸能取材一筋。2019年にはYahoo!などの連載で約120組にインタビューし“直接話を聞くこと”にこだわってきた筆者が「この目で見た」「この耳で聞いた」話だけを綴るコラムです。最新ニュースの裏側から、どこを探しても絶対に読むことができない芸人さん直送の“楽屋ニュース”まで。友達に耳打ちするように「ここだけの話やで…」とお伝えします。粉骨砕身、300円以上の値打ちをお届けします。

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