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「公衆トイレの位置は全て覚えた」猫ひろし、42歳の今

中西正男芸能記者
カンボジア代表として、東京五輪を目指す猫ひろし

 芸人とマラソンランナー、二足のわらじで走り続ける猫ひろしさん(42)。2011年にカンボジア国籍を取得し、16年のリオ五輪では同国代表としてマラソンに出場しました。11月30日に行われる「東南アジア競技大会」にマラソンのカンボジア代表として出場し、そこで好成績を収めれば来年の東京五輪を引き寄せることにもなりますが、現在42歳。容赦なく押し寄せる加齢に抗いながら東京を目指しますが、その原動力は「カンボジアへの恩返し」だと言います。

1日5時間のトレーニング

 毎日、最低30キロは走っています。だいたい週に5~6日は芸人の仕事があるので、仕事をやりつつ走っています。

 今の生活拠点で言うと、基本的には東京で暮らしてまして、年間3カ月くらいはカンボジアにいる感じです。なので、状況的には在日カンボジア人です(笑)。

 トレーニング時間は、だいたい1日5時間ほど。まずは準備運動とストレッチから始めて、各種ランニング。あと、補強として筋力トレーニングもやっているので、どうしてもそれくらいはかかってしまうんです。

 スタッフさんに先に荷物を運んでもらったりして、できる限り、現場までの移動を使って走るようにもしています。

 ただ、それだとジョギングしかできないので、週に3日は強度の高いトレーニングをしないといけない。しっかりとスピードを意識しながらの40キロ走とか、インターバルトレーニングも組み合わせてやっている感じです。

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年齢との勝負

 なんだかんだで、この生活が10年。走る前は好きだった天ぷらも、もう長い間、食べてないですね。ただ、こればかり仕方ないのかもしれませんけど、正直、疲労が抜けなくなってきました(笑)。

 自分で言うのもナニなんですけど、性格がまじめというか、ま、猫まっしぐら!なんで(笑)、放っておくとトレーニングをやりすぎちゃうんです。この歳になると、特に「休むのもトレーニングだ」と胸に刻み込んでいます。

 あと、明確に変化があるのは…、おしっこが近くなりました。以前はそこまでトイレを意識しなかったんですけど、今はランニング中にどうしても我慢できなくなるんですよ。なので、都内の公衆トイレは頭に入ってます。自ずと全部覚えました。あと、地方とかで初めて行く公園でも、公園の外観からどこにトイレがあるのか、ほぼ分かるようになりました。そこは確実に進化しています(笑)。

 今から3年前、リオ五輪に出た時ですら「アー・ユー・コーチ?」と数えきれないくらいきかれましたらね。ただ、東京でやるとなったら、これは目指さないわけにはいかない。もちろん、日本でのオリンピックに出たいという思いもありますけど、一番は恩返しです。

カンボジアへの感謝

 というのも、前回リオの時に、順位は完走者140人中139位だったんですけど、ゴールしてから会場でカンボジアコールが起こったんです。そうなると芸人魂というか、盛り上げないわけにはいかない。踊ったり、身振り手振りで会場をあおるようなことをしたんです。「カンボジア!」と叫びながら。

 そして、カンボジアに戻ったら「私たちの小さな国・カンボジアをアピールしてくれてありがとう」と本当にたくさんの人から言われたんです。

 向こうでは芸能活動をしていないので、街を歩いていて気づかれることは一切なかったんですけど、リオ五輪以来、サウナのオッチャンがタダで水をくれたり、コインランドリーの受付の人がサービスしてくれたり。

 小さなことかもしれないですけど、日本から来た僕のことを知ってくれて、そして好意的に迎えてくれる。そこに言いようのない感謝の気持ちが生まれてきまして。

 もし選手として出られなかったとしても、他の競技も含め、カンボジアの選手は絶対に東京に来るので、そのメンバー、スタッフさんのサポート。これは絶対にやろうと思っています。

 開催地が東京ですからね。これがアフリカとかだったら僕も全く分かりませんけど(笑)、せっかく慣れたところでやるんだから、練習のサポートでも、観光案内でも、なんでもやれればと。

 もちろん、選手として出られたら最高ですけどね。お世話になっているマキタスポーツさんからは「芸人として一番面白いのは、1位で戻ってくることだ」と言われているんですけど、それはタイム的に、かなり、かなり厳しいので…、やっぱりゴール後のパフォーマンス。ここになってくるでしょうね。

 まずは全力を出して走り切る。そして、ゴール後は芸人として、ここも全力でカンボジアをアピールする。それが自分にできるカンボジアへの恩返しなのかなと。

 そこで、新ギャグですか?いや、そんな流れでギャグをやってウケるイメージは全く浮かばないので…。そこはギャグで決めにいくのではなく、ふんわり、何となく、楽しそうな空気で盛り上げたいと思います(笑)。

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(撮影・中西正男)

■猫ひろし(ねこ・ひろし)

1977年8月8日生まれ。千葉県出身。大学卒業後、フリーでの活動を経て、ワハハ本舗に所属する。健脚を買われ、バラエティ番組の企画などで始めたマラソンで実績を残し、本格的にレースにも参加するようになる。2007年に一般女性と結婚。11年には長女が誕生する。同年、ロンドン五輪の男子マラソン、カンボジア代表を狙うため、カンボジア国籍を取得。しかし「(ロンドン五輪の時点で)国籍取得から1年未満かつ連続1年以上の居住実績がない」など参加資格を満たしていないと判断され、ロンドン五輪には出場できなかった。16年、リオデジャネイロ五輪の男子マラソン・カンボジア代表に選出され、2時間45分55秒の記録を残す。

芸能記者

立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当となり、お笑い、宝塚歌劇団などを取材。上方漫才大賞など数々の賞レースで審査員も担当。12年に同社を退社し、KOZOクリエイターズに所属する。読売テレビ・中京テレビ「上沼・高田のクギズケ!」、中京テレビ「キャッチ!」、MBSラジオ「松井愛のすこ~し愛して♡」、ABCラジオ「ウラのウラまで浦川です」などに出演中。「Yahoo!オーサーアワード2019」で特別賞を受賞。また「チャートビート」が発表した「2019年で注目を集めた記事100」で世界8位となる。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

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1999年にデイリースポーツ入社以来、芸能取材一筋。2019年にはYahoo!などの連載で約120組にインタビューし“直接話を聞くこと”にこだわってきた筆者が「この目で見た」「この耳で聞いた」話だけを綴るコラムです。最新ニュースの裏側から、どこを探しても絶対に読むことができない芸人さん直送の“楽屋ニュース”まで。友達に耳打ちするように「ここだけの話やで…」とお伝えします。粉骨砕身、300円以上の値打ちをお届けします。

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