Yahoo!ニュース

長澤まさみが「だまされない」理由

中西正男芸能記者
映画「コンフィデンスマンJP」で共演した長澤まさみ(右)と東出昌大

 フジテレビ系連続ドラマとして話題になり、映画化された「コンフィデンスマンJP」(公開中)に出演する長澤まさみさん(31)と東出昌大さん(31)。今回は共演の小日向文世さんらと香港を舞台にスケールの大きな物語を展開します。だますということが作品の軸にもなっていますが、長澤さんは自らを「だまされない」と分析します。その理由とは。

香港でのロケ

長澤・昨年、香港でロケをしたんですけど、香港の街ってすごく騒がしいところも多いので、静かになるのを待っていても、なかなかタイミングが来ないんですよね。なので、音がうるさかろうが、強行突破するというか(笑)。そういうところが、いかにも「海外で撮っているんだ!」という感覚になりましたね。

東出・物語のスケールが、海外に行くことで大きくなった。それは間違いなくありますよね。撮影現場でも日本語、英語、北京語、広東語が入り組んでいましたし、絶対に香港でしか撮れない映像になっていると思います。

長澤・2週間くらい香港に行っていて、撮影が休みの日もあったので、しっかり香港を満喫してきました(笑)。私は、友達に美味しいお店をリストアップしてもらって、そこを全部まわっていったり、今回初めて作品に参加したモナコちゃん(織田梨沙)と観覧車にも乗りに行きました。皆さん、ドラマからのスタッフさんで仲が良いので、女子会を開いて、みんなで点心を食べに行ったり満喫しました(笑)。

東出・男子は男子で、マカオに行きまして。女子会で行ったところの写真と、男子で行ったところの写真を送りあったりして、かなり、香港を楽しんでましたね。

頼りになる存在

長澤・ドラマの時はとにかく日々の収録に追われる感じだったので、プライベートで食事に行くとか、そういうことがあまりなかったんです。ただ、今回は時間があったので、撮影終わりにご飯を食べたり、お酒を飲んだりして、今まで知らない顔を知ることもできました。翌日の撮影が休みの日の夜、小日向文世さんも一緒に東出君のホテルの部屋で飲むことになったんです。そこで東出君がお酒も、おつまみも、完璧に揃えてくれて!私たちは手ぶらで行くだけという。何と頼れる人なんだと、そこで思いました(笑)。

東出・そこで初めて思ってくれたの!?お酒の揃え方がしっかりしていたから(笑)。

長澤・なんかこう、東出君、同い年だから“同学年の男の子”という感じだったんですけど、その時に「オトナだなぁ。しっかりしてるなぁ」と思いましたね。ま、でも、もうお父さんだしね(笑)。

東出・その時も、一晩中撮影をして、結局、飲み始めたのは明け方くらいからだったんです。朝陽が差してくる中、ベランダでビールを飲みながら長澤さんが「初めて仲良くなったね」と。じゃ、今までは何だったんだと(笑)。

長澤・いや、仲は良かったんだけど(笑)、映画でゆっくり時間を過ごすことで、より交流を深められた感じはありましたね。

芝居は詐欺?

東出・小日向さんが「ま、お芝居も詐欺みたいなもんだから。普段、オレら詐欺やってるからね」と現場でおっしゃってたんですけど、今回の作品でそれをいろいろな形で思いましたね。詐欺師は、たとえば本当は1000円のツボを100万円だと言って売る時に「1000円だから、これで大儲け!シメシメ」と思って売るんじゃなくて「これは本当に100万円の価値がある」と思い込んで売るとも聞く。その方が売れると。お芝居も、恋愛の風情をお見せするのではなく「本当にこの人が好きだ」と心底思って「好きです!」と言って、初めて見てくださる方は「あ、恋愛ドラマだな」と思ってくださる。そんなことを改めて考えた作品でもありましたね。

長澤・私はお芝居をするにあたり、とにかく台本を読み込むんです。基本的には、台本に書いてあることが完璧なもの。ただ、自分が読んでいる時点で、それは自分の間合いとか読み方になっている。なので、相手には相手の間合いや読み方があるので、それがぶつかった時に化学反応で生まれるものがある。それを大切にしたいという思いはありますね。

だまされやすい?

東出・今回はだますことが作品のテーマでもありましたけど、僕はだまされやすいと思いますね。実際、先日、ドッキリの番組があったんですけど、まんまとだまされましたし…。全くもって、自分で言う言葉ではないですけど、ピュアだなと思いました(笑)。

長澤・私はだまされないと思います。理由ですか?疑り深いから(笑)。ま、慎重なんです。割と、どんな場面でも緊張するタイプなので、どうしても少しずつ探り探りいくし、そうなると、だまされにくいのかなと。ただ、それがいいとも思わなくて。少しずつではなく、時には思いきりいくことも必要なのかなと思いますし。

東出・それこそ思い切ったことを言うと、もし次回作をやるなら、僕はこの作品の時代劇バージョンがやりたいですね。僕たちのご先祖はこうやっていたという。悪代官から僕らが鼠小僧的にお金を取るとか。

長澤・だったら、私は宇宙編かな…。なんでもアリで楽しそうだし、そうなったら、もうやりたい放題にやります。宇宙人の特殊メイクもやってみたいですね。宇宙人のグレイになりきって「何事もグレイ(グレー)が大事だよ。物事に白黒つけちゃだめだよ」って(笑)。

東出・その一言を言いたいがための扮装!出オチ感満載(笑)!

(撮影・中西正男)

■長澤まさみ(ながさわ・まさみ)

1987年6月3日生まれ。静岡県出身。2000年に第5回「東宝シンデレラ」オーディションでグランプリを受賞し、映画「クロスファイア」で女優デビュー。03年には「ロボコン」で映画初主演を務め、04年には映画「世界の中心で、愛をさけぶ」が話題となる。その後も映画では「海街diary」「銀魂」「散歩する侵略者」「50回目のファーストキス」「マスカレード・ホテル」「キングダム」(公開中)などに出演。映画「コンフィデンスマンJP」(公開中)では江口洋介、竹内結子、三浦春馬らと共演している。

■東出昌大(ひがしで・まさひろ)

1988年2月1日生まれ。埼玉県出身。高校時代に第19回メンズノンノ専属モデルオーディションでグランプリを獲得しデビュー。モデルとして活動後、2012年に映画「桐島、部活やめるってよ」で俳優デビュー。13年にはNHK連続テレビ小説「あまちゃん」「ごちそうさん」に連続して出演。最近の出演映画として「聖の青春」「関ヶ原」「OVER DRIVE」「パンク侍、斬られて候」「菊とギロチン」「寝ても覚めても」「ビブリア古書堂の事件手帖」など。主演を務めた連続ドラマW「悪党〜加害者追跡調査〜」(瀬々敬久監督)が放送中。

芸能記者

立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当となり、お笑い、宝塚歌劇団などを取材。上方漫才大賞など数々の賞レースで審査員も担当。12年に同社を退社し、KOZOクリエイターズに所属する。読売テレビ・中京テレビ「上沼・高田のクギズケ!」、中京テレビ「キャッチ!」、MBSラジオ「松井愛のすこ~し愛して♡」、ABCラジオ「ウラのウラまで浦川です」などに出演中。「Yahoo!オーサーアワード2019」で特別賞を受賞。また「チャートビート」が発表した「2019年で注目を集めた記事100」で世界8位となる。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

中西正男のここだけの話~直接見たこと聞いたことだけ伝えます~

税込330円/月初月無料投稿頻度:月3回程度(不定期)

1999年にデイリースポーツ入社以来、芸能取材一筋。2019年にはYahoo!などの連載で約120組にインタビューし“直接話を聞くこと”にこだわってきた筆者が「この目で見た」「この耳で聞いた」話だけを綴るコラムです。最新ニュースの裏側から、どこを探しても絶対に読むことができない芸人さん直送の“楽屋ニュース”まで。友達に耳打ちするように「ここだけの話やで…」とお伝えします。粉骨砕身、300円以上の値打ちをお届けします。

※すでに購入済みの方はログインしてください。

※ご購入や初月無料の適用には条件がございます。購入についての注意事項を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。欧州経済領域(EEA)およびイギリスから購入や閲覧ができませんのでご注意ください。

中西正男の最近の記事