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50カ国以上を渡り歩いてきた「が~まるちょば」が語る、これまでとこれから

中西正男芸能記者
「が~まるちょば」のけっち!(左)とHIRO-PON

 2004年に世界最大の芸術祭「エディンバラ・フェスティバル・フリンジ」でダブルアクトアワードを受賞したことをきっかけに、これまで50カ国以上で活動してきたサイレントコメディデュオ「が~まるちょば」。昨年吉本興業の所属となり、また新たな一歩を踏み出しています。来月から全国ツアー「サイレントコメディーJAPAN TOUR 2018」(7月12日の東京・新国立劇場中劇場公演から来年1月5日まで23カ所を予定)もスタート。普段のステージでは言葉を発しないケッチ!さんとHIRO-PONさんが結成以来約20年の歩みを語りました。

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ソロからデュオへ

HIRO-PON(以降・H):1999年の結成ですから、もうすぐ20年です。結成のきっかけですか?あの~、僕がどうしても読みたい本があって図書館に行ったら、偶然2人とも同じ本を取ろうとして手が触れまして…。自分で言ってナニなんですけど、こういういきなりのボケって、文字上はどうやって処理するんですかね(笑)。

ケッチ!(以降・ケ):いや、これはどうしようもないですよね…、すみません(笑)。ま、本当の話、それぞれソロでやっている時に、大きなパントマイムのフェスを先輩がやってまして。僕らはまだ若手のペエペエだったんで、いろいろと下働きをしながら参加していたんです。ある時、先輩から「若手だけで何かやってみろよ」と言われて、ソロの作品をそれぞれ持ち寄って何人かでセッション的にやったんです。そんな中で、急遽、僕らが2人だけでやる流れにもなりまして。それが97年。それから、若手5~6人で何回か東京で公演をやるうちに「これ、2人でもいろいろとやっていけるんじゃないか」となって正式に結成したのが99年なんです。

H:やり始めて気づいたんですけど、1+1は3にも4にもなるんだなと。その楽しさもありますけど、何と言ってもここまでやってこられたのは、2人とも持っているものが違うからでしょうね。性格も違うし、感性も違うし。僕が持っていないものを彼が持っていて。その逆もそうだし。僕は石橋を叩いて、叩いて、叩き壊してしまうタイプ。彼は壊れた石橋をひょいひょい渡って行っちゃうタイプ。そういう組み合わせだから、良かったんだと思います。唯一、女性の好みに関しては、リンクしているかもしれませんけど。

:2人とも、きれいな人が好きですね…。ま、これは、僕らというよりも、全人類そうかもしれませんけど(笑)。性格も違うし、もともとは作品作りも別々にやっていたので、多少すり合わせは要りましたけど、やってみると、プラス材料の方が多かったですね。

H:今、ネタ作りで言うと、基本は僕が“原石”を作る。それを2人で磨くという感じですね。そうすることで、やっぱり完成度の高いものができますしね。

市場は世界

:あとはね、単純に、いろいろ便利です。組んで最初の頃は道場破り的に海外をまわっていたんですけど、宿もその都度探すので、片方が荷物番をして、もう片方がホテルに値段などを聞きに行く。そんなこともできましたし、いろいろなところで「2人って、便利だな」と(笑)。

H:確かに、以前はかなりハードなスケジュールで海外をまわったりもしてましたしね。ずっと海外を転々としていて、日本にはほとんどいないという。今は完全にベースは日本になりましたけど、要はお仕事のお声がけをどこで、どれだけいただくかということ。僕らがやっていることは言葉を使わないことなので、市場は世界だとは思っています。お声がけをいただくのが日本ならば日本にいるし、海外ならば海外にいる。シンプルにそういうことだなと。

:ただ、言葉をそぎ落とした分、伝えたいものはいつでも、どこでも同じなんですけどね。それに対して、世界各地で反応が違ったりもする。それはそれで面白いものだなと思いますね。「えっ、ここで笑うの?」みたいなこともありますし、逆に「ここで笑わないの?」もありますし。アメリカは人種も文化もいろいろなものが混在しているから、とにかく分かりやすいことがウケる。そんなに入り組んでいるとは僕らの感覚では思わないことも、なかなかウケなかったり。そういう違いはありますね。

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世界を見て分かること

H:いろいろな国を見たからこそ思いますけど、やっぱり日本は奥ゆかしいです。欧米の人たちは自分が面白いと思ったら、周りがシーンとしていても大声で笑いますし、流されることなく感情を表現する。だから、それが重なった時、みんなが心底笑っている時というのは、とんでもなく大きな笑いになるんです。一方、日本のお客さんは面白いと思っていても、それを外に出さずに内に、奥に、秘めることも多い。心は動いているんだけど、それを体で表さないことも多いというか。ただ、どちらも面白いという反応なんです。そう思ってもらっているならば、こちらとしてはうれしいことなんですけどね。

:僕らのお客さんに関しては、ズーッとやっているうちに素直に感情を表現してくれるようになっている気はしますね。だんだん、感情を表に出すことに対するテレがなくなっているというか。その変化もまた、面白いことだなと思います。

H:やっていけばやっていくほど、そうやって、いろいろと感じることもあるでしょうしね。どこかの段階で、プレイヤーというよりも、教えたりする立場にシフトしていくのもありなのかもしれませんけど、僕はずっと現役でやっていたいと思いますね。教えたりすることも大切なことではあるけれど、実際にステージの上でやることの意味。それも大きいものだなと。だから、80歳になってもやれていたら幸せだと思います。

:確かに、そうなんです。ただ、ま、僕は80になったら、もうのんびりしていたいですけどね(笑)。

(撮影・中西正男)

■が~まるちょば

それぞれ別々に活動をしていた東京都出身のけっち!と埼玉県出身のHIRO-PONが1999年にユニットを結成。ともに年齢非公開。2007年から毎年開催している日本ツアー「サイレントコメディーJAPAN TOUR 2018」は7月12日の東京・新国立劇場中劇場公演から始まり、来年1月5日まで全国23カ所で開催予定。また、8月には世界中のパフォーマーが集う「エジンバラ・フェスティバル・フリンジ」にも参加する。

芸能記者

立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当となり、お笑い、宝塚歌劇団などを取材。上方漫才大賞など数々の賞レースで審査員も担当。12年に同社を退社し、KOZOクリエイターズに所属する。読売テレビ・中京テレビ「上沼・高田のクギズケ!」、中京テレビ「キャッチ!」、MBSラジオ「松井愛のすこ~し愛して♡」、ABCラジオ「ウラのウラまで浦川です」などに出演中。「Yahoo!オーサーアワード2019」で特別賞を受賞。また「チャートビート」が発表した「2019年で注目を集めた記事100」で世界8位となる。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

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1999年にデイリースポーツ入社以来、芸能取材一筋。2019年にはYahoo!などの連載で約120組にインタビューし“直接話を聞くこと”にこだわってきた筆者が「この目で見た」「この耳で聞いた」話だけを綴るコラムです。最新ニュースの裏側から、どこを探しても絶対に読むことができない芸人さん直送の“楽屋ニュース”まで。友達に耳打ちするように「ここだけの話やで…」とお伝えします。粉骨砕身、300円以上の値打ちをお届けします。

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