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不倫・離婚危機報道でトッティが「うんざり」「フェイクニュース」 ローマ復帰説には…?

中村大晃カルチョ・ライター
2021年6月11日、EURO2020のトルコ対イタリア戦でのトッティ(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

故郷ローマの街中を自由に散歩することも長くできなかったほど、フランチェスコ・トッティはあまりに象徴的な存在だ。「有名税」という言葉で片づけられないほど、彼は自身にまつわる憶測が世間を賑わせるのを見てきた。ため息まじりに見過ごした経験は数知れないだろう。

だが、家族にも関わるゴシップ、それも家庭の今後を左右しかねない報道が過熱し、トッティは口を開いた。2月22日、インスタグラムのストーリーで、妻イラリー・ブラージとの離婚危機を巡る一連の報道にくぎを刺したのだ。

イタリアサッカー界を代表するローマの元主将と芸能界で活躍する美しきタレントは、2005年に結婚した。『Sky』が24万ユーロ(約3000万円)を支払い、12台のテレビカメラを使って結婚式を独占中継したほどの大物カップルである。

2002年のダービーでラツィオに5-1と大勝した際、トッティがユニフォームの下に着たTシャツのメッセージを世間に示し、ブラージにささげたのは有名だ。メッセージの“6 unica”は、日本語なら「君しかいない」という感じだろうか。

2002年3月10日、セリエAのラツィオ戦でのトッティ
2002年3月10日、セリエAのラツィオ戦でのトッティ写真:ロイター/アフロ

それから15年、トッティが引退した際、ラストゲームでのセレモニーでブラージは“6 unico”と書かれたTシャツを着ていた。夫の現役生活の晩年、確執が騒がれた当時のルチアーノ・スパレッティ監督を「小さい男」と公にこき下ろしたこともある。

2017年5月28日、トッティのラストゲームでのブラージ
2017年5月28日、トッティのラストゲームでのブラージ写真:ロイター/アフロ

そんなビッグカップルが約17年の結婚生活に終止符を打つらしい――先日からの騒ぎは、22日にさらにヒートアップした。すでにトッティに別の女性がいるとの報道も浮上。オリンピコでローマ戦を観戦した際、2列斜め後ろに座っていたシングルマザーとの関係が取りざたされた。

22日夜、ブラージはインスタグラムのストーリーで、レストランでの夕食の様子を投稿した。そこには子どもたちやトッティの姿。家族でディナーに出かけ、そのときのひとコマを公開したのだ。

一方、トッティもやはりインスタグラムのストーリーに動画を投稿。真剣な顔つきで、「最近メディアで自分、そして特に自分の家族に関する様々なことを目にした」と話している。

「こういうフェイクニュースを耳にするのは、初めてのことではない。これらのすべてを書いている人たちに、気をつけるように言っておく。子どもたちもいるからだ。そして子どもたちは大切にしなければいけない。正直、否定しなければいけないことに本当にうんざりしている」

トッティとブラージには、結婚した年に生まれた16歳の長男と、14歳の長女、6歳の次女がいる。過熱する報道が子どもたちに影響しないことを願うばかりだ。

一方で、一夜明けた23日には、トッティに関して別の注目ニュースも届いた。『Gazzetta dello Sport』が、ローマを退団して約3年のトッティとクラブが再接近していると報じたのだ。

引退後もローマのフロントで幹部を務めたトッティだが、2019年6月に退任。退団会見では前経営陣との確執をおおっぴらにした。だが、現在のフリードキン体制とは良好な関係が報じられており、昨年12月のインテル戦で約2年ぶりにオリンピコでの観戦に至っている。

記事によると、トッティはそれからオリンピコに通っており、クラブから招かれたときもあるとのこと。先週末のエラス・ヴェローナ戦では、大型スクリーンに映し出されてサポーターからの声援に応え、その後SNSにゴール裏スタンドの写真を投稿。「君たちと最後まで」のひと言を添えた。

ローマユースの息子を迎えに行く際も、現在は外部の人間として練習場トリゴリアの中に入らないというトッティ。だが、あいさつに出てくる関係者もいるとのことで、良好な関係に変わりはないようだ。また、チアゴ・ピントGMやジョゼ・モウリーニョ監督とも互いを尊重する良い関係という。

かつて、トッティはモウリーニョと仕事したいと話したことがある。そしてカリスマ指揮官は、仕事するクラブのアイコンを重視してきた。強烈な個性の彼らのタッグを見たいというファンも多いだろう。

定期的に話題となるトッティのローマ復帰説だが、今回は実現の可能性はあるのか。トッティが「うんざり」しているのか、進展を待ちたい。

カルチョ・ライター

東京都出身。2004年に渡伊、翌年からミランとインテルの本拠地サン・シーロで全試合取材。06年のカルチョーポリ・W杯優勝などを経て、08年に帰国。約10年にわたり、『GOAL』の日本での礎を築く。『ワールドサッカーダイジェスト』などに寄稿。現在は大阪在住。

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