イブラ抜きでも首位ミラン、ロナウド不在で勝てないユーヴェ…セリエA強豪の「エース依存度」比較

11月24日、CLフェレンツバロシュ戦でのC・ロナウド(写真:ロイター/アフロ)

2度あることは3度ある――クリスティアーノ・ロナウドを欠くと、ユヴェントスはセリエAで格下相手に勝ち点を取りこぼしてしまうのか。

11月28日の第9節ベネヴェント戦で、ユーヴェはロナウドを遠征メンバーから外して温存した。アルバロ・モラタの先制点で、昇格組を一蹴するかに思われた王者だが、前半終了間際に失点。後半も突き放せず、今季5度目のドローに終わった。

ユヴェントスは10月、新型コロナウイルスに感染したロナウドを一時的に失った。その際も、クロトーネとエラス・ヴェローナを相手に引き分けている。エースを欠いた3試合すべてで勝ち点を落としているのだ。

一方、首位ミランは11月29日、フィオレンティーナを2-0と下した。6試合ぶりのクリーンシートで、2位との差を5ポイントに広げている。

ミランは負傷でズラタン・イブラヒモビッチを欠きながら、その不在を感じさせなかった。彼らも9月から10月にかけ、新型コロナ感染でイブラヒモビッチを欠いている。だが、その間も勝ち続けた。

イタリア『スカイ・スポーツ』は、前節が開催される前のアンケートで、ロナウドとイブラヒモビッチのどちらの不在がよりチームに影響するかと尋ねた。ユーザーの回答は、58%でイブラヒモビッチだ。

だが実際は、イブラヒモビッチよりロナウドの不在が、チームの成績により影響している。

国外でも、ユーヴェはロナウドがいなかったチャンピオンズリーグ(CL)の2試合で1勝1敗。ミランはイブラヒモビッチ不在のヨーロッパリーグ(EL)の3試合で1勝2分けだ(PK戦の末に予選突破を決めたリオ・アヴェ戦は、120分を終えて2-2だったためドロー扱い)。

11月30日に『スカイ・スポーツ』が紹介したデータでも、違いは明らかだ。

不戦勝扱いのナポリ戦を除く公式戦12試合のうち、ロナウドが出場した7試合で、ユヴェントスは5勝2分けと平均勝ち点2.4を記録した。だが、ロナウド欠場時の5試合は、1勝3分け1敗で平均勝ち点1.2と半減する。

これに対し、ミランはイブラヒモビッチが出場した10試合で7勝2分け1敗の平均勝ち点2.3。欠場時も6試合で4勝2分けの平均勝ち点2.3と数字が変わらない。

もちろん、ロナウドとイブラヒモビッチの存在だけが、勝敗や成績を決めるわけではない。だが、少なくとも現時点で、エースへの依存度に大きな違いがあることは確かだ。

なお、セリエAの他の強豪との比較も興味深い。

インテルは、ロメル・ルカクが出場した11試合で5勝4分け2敗の平均勝ち点1.7を記録。欠場した2試合は1分け1敗で平均勝ち点0.5だ。ユーヴェ同様に開きが大きいことに加え、欠場がわずか2試合であることからも、ルカクへの依存度は高いと言えるだろう。

ラツィオのチーロ・インモービレも、その存在が成績にインパクトを及ぼしている。出場時の9試合は6勝1分け2敗で平均勝ち点2.1だが、欠場した4試合は3分け1敗と白星なし。平均勝ち点0.75と、ロナウドやルカク以上の下げ幅だ。

ロレンツォ・インシーニェが出場した10試合で、ナポリは8勝2敗と平均勝ち点2.4(不戦敗扱いのユヴェントス戦除く)。欠場した2試合は1勝1敗で平均勝ち点1.5となっている。

興味深いのは、エディン・ジェコを擁するローマだ。出場した9試合は5勝3分け1敗で平均勝ち点2なのに対し、欠場した4試合では3勝1分けの平均勝ち点2.5。エース不在時に、むしろ平均勝ち点が上がっている(手続きミスで不戦敗となったエラス・ヴェローナ戦は、試合そのもので0-0だったためドロー扱い)。

11月30日付イタリア『スカイ・スポーツ』参照、筆者作成
11月30日付イタリア『スカイ・スポーツ』参照、筆者作成

ちなみに、近年のセリエAに欠かせない強豪アタランタは、比較対象外となった。不動の主将アレハンドロ・ゴメスが、公式戦13試合すべてに出場しているからだ。その意味では、最も依存度が高いと言えるのかもしれない。

今季はコロナ禍で選手の出入りが激しい。負傷だけでなく、ウイルス感染により突発的にエースを失うリスクもある。それだけに、大黒柱を欠いたときの出来は、最終成績に大きな影響を及ぼすかもしれない。強豪たちの“依存度”に、今後も注目したい。