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伊メディア、日本敗戦に「サプライズ」 「文句なしにカタールに劣っていた」の声も

中村大晃カルチョ・ライター
2月1日、アジアカップ決勝でカタールに敗れ準優勝となった日本代表(写真:ロイター/アフロ)

2月1日のアジアカップ決勝で、日本はカタールに1-3と敗れた。森保一監督の下で2大会ぶりの覇権奪還を目指したが、あと一歩が及ばず。カタールに初優勝を許した。

イタリアのメディアも、カタールがアジアの頂点に立ったことをそれぞれ報じている。ただ、その扱いは決して大きくないというのが正直なところだ。マルチェッロ・リッピ率いる中国や、アルベルト・ザッケローニのUAEが決勝を戦っていたら、もっと違う扱いだったかもしれない。

その中で、比較的詳しく試合の詳細を伝えたのは、『ガゼッタ・デッロ・スポルト』電子版。「圧倒的有利とみられていた日本」を相手に「歴史的な勝利」を収めたと伝えた。

同紙は、カタールが「日本の攻撃にほとんど苦しまず、見事な2ゴールなど、犠牲を厭わない、気持ちのこもったプレーで戦前の予想を覆した」と報じている。

また、当初は日本がポゼッションから「予想どおりに試合を支配する」印象だったとしながらも、アルモエズ・アリの見事なオーバーヘッドという「突然の一撃に面食らった」日本が、その後もピンチを迎えたと紹介。ここは「吉田が奇跡的に救った」と伝えた。

南野拓実のゴールシーンについては、「素晴らしいトラップでペナルティーエリアにボールを持ち込み、1対1となったGKをループシュートで破った」と表現。「試合は再び分からなくなった」としたが、PKで再度点差が広がると、「カタールの守備が日本の攻撃に耐え、歴史的勝利をつかんだ」。

そのほか、『Eurosport』や『Calciomercato.it』も、カタールの優勝に「サプライズ」との表現を用いており、日本有利の下馬評が覆されたとの見方を示した。一方、『Foxsports』は「文句なしに日本はカタールに劣っていた」と、森保ジャパンをこき下ろしている。

また、『スポーツ・メディアセット』は、「5度目の優勝を夢見た長友たちは手ぶらで帰ることになった」と、インテルで長年プレーした長友佑都の名前を出して記事を締めくくった。

一方、『スカイ・スポーツ』は「試合の主役はいつもどおりアルモエズ・アリ」と、大会新記録の9ゴールを決め、MVPに輝いたカタールのエースを称賛。「大会9点目は希少な美しさを持った宝石だった」と、華麗なオーバーヘッドシュートに賛辞を寄せている。『コッリエレ・デッロ・スポルト』も、アルモエズ・アリのゴール動画に「CR7(クリスティアーノ・ロナウド)ばりのオーバーヘッド」と添えた。

もちろん、全体的にはカタールの「歴史的快挙」がクローズアップされている。そのカタールと一緒に6月開幕のコパ・アメリカに出場する森保ジャパンは、南米の強豪相手に「歴史的快挙」を成し遂げることができるだろうか。

カルチョ・ライター

東京都出身。2004年に渡伊、翌年からミランとインテルの本拠地サン・シーロで全試合取材。06年のカルチョーポリ・W杯優勝などを経て、08年に帰国。約10年にわたり、『GOAL』の日本での礎を築く。『ワールドサッカーダイジェスト』などに寄稿。現在は大阪在住。

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