「ナインゴランは不完全なティラミス」 インテル、監督手腕にも注目の大事な3連戦へ

11月6日、サン・シーロで行われたCLバルセロナ戦でのナインゴラン(写真:Maurizio Borsari/アフロ)

チャンピオンズリーグ(CL)の組み合わせが決まったときに、インテルがトッテナムと同勝ち点で2位通過を最終節で競うと予想した人は、決して多くないだろう。過去2シーズンのプレミアリーグで2位、3位だったチームに対し、インテルは7年ぶりにようやくCLに戻ってきたばかりだ。

それだけに、引き分けても決勝トーナメント進出を決められた11月28日の敵地でのトッテナム戦で、残り10分を耐えきれずに0-1と敗れたのは痛かった。勝ち点で並ばれたインテルは、直接対決の成績でトッテナムを下回る。勝ち進むには、首位通過を決めたバルセロナが最終節でトッテナムに負けないことを期待しなければいけない。

近年を考えれば、グループ3位でヨーロッパリーグ(EL)に回ったとしても、インテルにとって「失敗」ではない。だが、『ガゼッタ・デッロ・スポルト』によると、2次リーグが廃止された2003-04シーズン以降、開幕2連勝を飾った38クラブ中、29クラブが決勝トーナメントへの切符を手にしている。インテルとしては、「10番目」になりたくないところだ。

朗報は、バルサがCLでのホームゲームで5年以上も土をつけられていないこと。最後に敗れた2013年5月1日から、トッテナム戦まで2050日間も負けていないことになる。インテルもイタリアサッカー関係者も、あきらめていない。

◆ナインゴラン不調で迎える大事な3連戦

他力本願となる12月11日の最終節、インテルはPSVに勝つことが必須となる。だが、そこに至るまでの道のりが険しい。ローマ、ユヴェントスとのアウェー連戦だ。エネルギー消耗は避けられない。インテルにとって、PSV戦までの10日間は、シーズンを左右しかねない重要なものとなる。

そんな大事な時期に痛手なのが、ラジャ・ナインゴランの不調だ。トッテナム戦でも精彩を欠き、前半終了間際にボルハ・バレロとの交代を命じられた今季の新戦力は、開幕から負傷で出遅れたのも響き、公式戦13試合出場、3得点にとどまっている。

ゴールが売りの選手ではないが、大きなインパクトが期待されていただけに、低調なパフォーマンスを嘆く声は少なくない。グイド・デ・カロリス記者は『コッリエレ・デッラ・セーラ』で「爪痕を残した試合がひとつも記憶にない」と断じた。

実績を考えれば、能力に疑問をはさむ余地はないだろう。ただ、問題は離脱の多さとコンディション不良だ。トッテナム戦で再びケガをし、ローマ戦は招集外。ユーヴェ戦出場も危ぶまれている。『ガゼッタ』も、インテルの4つの問題点を指摘する記事の中でナインゴランの状態に触れた。

◆解決策にラウタロ起用との声も

だからこそ、まず状態を万全にすべきと主張するのが、ルイジ・ガルランド記者だ。「フィジカルの強さがないニンジャ(ナインゴラン)は、マスカルポーネが入っていないティラミスのようなものだ。なんの意味がある?」と、当面はラウタロ・マルティネスを先発起用すべきと述べている。

鳴り物入りで加入したアルゼンチンの新星は、思うように出場機会を得られておらず、父親がたびたび不平を漏らしている。ガルランド記者は、出場時間がケイタ・バルデやボルハ・バレロを下回るマルティネスが、重要な試合の前にマウロ・イカルディの代役を務めるだけに終わっていると指摘。「スターのコンサートにおける前座のバンド」のようだと嘆く。

マルティネスは、サッスオーロとの開幕戦でイカルディとの共存がうまくいかなかった。だが、ガルランド記者は、トリノ戦やサン・シーロでのバルセロナ戦など、終了間際にマルティネスが途中出場し、イカルディの得点につながった例を挙げ、「それほど共存不可能に思えない」と記している。

◆インテルをハイにしてくれる案とは?

ナインゴランはここまで期待に応えられていない。「ティラミス」とは、イタリア語で「私をハイにして」。マスカルポーネ抜きのままなら、インテルとサポーターをハイにはできない。

PSV戦までにナインゴランが「完全なティラミス」として戻ることを期待するのか。ガルランド記者が提言したマルティネス起用はあるのか。それとも、スパレッティ監督には代案があるのか。

指揮官の手腕が問われる大事な10日間、まずはナインゴラン欠場が決まっているローマ戦が間もなくキックオフを迎える。