バルサ沈めたローマ逆転劇に地元メディアが大興奮 「ミッション・インポッシブル」が「伝説」に

4月10日のCL準々決勝、バルセロナを下し喜ぶローマのデ・ロッシとフロレンツィ(写真:ロイター/アフロ)

「Mission Impossible」

決戦当日、『ガゼッタ・デッロ・スポルト』は一面の見出しにこのタイトルを選んだ。バルセロナを相手に初戦で1-4と敗れていたのだから、逆転突破を「不可能な任務」と考えたのは自然なことだ。

実際、ローマがリオネル・メッシを擁するバルセロナにゴールを許さず、3ゴールを挙げられると予想した人は数少なかった。ほぼいなかったと言っても、言い過ぎではないだろう。

だが、ローマはそれを成し遂げた。4月10日のチャンピオンズリーグ準々決勝セカンドレグで、ローマはバルセロナを本拠地オリンピコで3-0と粉砕。2試合合計スコアで並び、アウェーゴールの差で準決勝進出を決めた。ローマのベスト4進出は、1983-84シーズン以来の偉業だ。

アメリカから駆けつけたジェームス・パロッタ会長も、歴史的な快挙に熱狂した。『イル・ロマニスタ』によると、ローマ中心部ポポロ広場の泉に飛び込んだほどだ。

◆賛辞の嵐

当然、イタリアは「ローマ万歳」一色。サポーターはもちろん、ユヴェントスやインテル、ミラン、ナポリといったライバルクラブからも祝辞が寄せられた。メディアも例外ではない。

前述の『ガゼッタ』は、試合レポートで「たとえ史上最大ではないとしても、それに迫る快挙」と称賛。ユーヴェのお膝元、トリノを拠点とする『トゥットスポルト』も「信じられない、考えられない、あらゆる予想を覆した」と報じた。

一般紙『コッリエレ・デッラ・セーラ』は試合レポートで「不可能な偉業を成し遂げた」「奇跡ではない。それ以上」「完璧な試合が必要だった。そして完璧な試合だった」と絶賛。さらにはユニークな表現で、この日の試合がいかに特別なものとなったかを伝えた。

「今夜からローマ対バルセロナのチケットはプライスレスとなった。eBayでも見つけられないだろう。そのチケットを持つ者は、お守りのようにとっておくはずだ。問題があって、とても楽観しなければいけないときに、それを取り出すべきだ」

地元ローマのメディアが熱狂したのは、言うまでもない。『コッリエレ・デッロ・スポルト』や一般紙『レプッブリカ』が用いたのは、「伝説」の二文字。『コッリエレ』は「ドラマティックなローマ」が「すでに伝説となった」と報じ、『レプッブリカ』もこう記している。

「不可能と思われたことが実現する夜がある。ゆっくりと、我慢して、気合十分に、激しく、だが冷静に。ローマはこうして90分間を戦い、そして伝説となった」

実際、3点差以上をひっくり返しての逆転劇は、2003-04シーズンのデポルティーボ(対ミラン)、昨季のバルセロナ(対パリ・サンジェルマン)に続く史上3度目の快挙。欧州におけるローマの歴史や、対戦相手を考えれば、試合直後のレポートに「伝説」の二文字が登場したのもうなずける。

不思議なもので、この日得点を挙げたダニエレ・デ・ロッシとコスタス・マノラスは、初戦でオウンゴールを献上している。先制点のエディン・ジェコも、1月のマーケットで移籍寸前だった。それらの選手たちが活躍し、昨季「Remuntada(大逆転劇)」を演じたバルサ相手にドラマをつくったのだ。

◆スペインコンプレックス打破のきっかけに?

スペインのチームを相手に、このタイミングで快挙を成し遂げたのも興味深い。

今季のイタリアはワールドカップ予選で同組のスペインに屈し、スウェーデンとのプレーオフにも敗れ、60年ぶりに本大会への出場権を逃した。このCL準々決勝でも、初戦でユーヴェとローマがレアル・マドリーとバルサに3点差で敗れ、「スペインコンプレックス」は深まる一方だった。

だからこそ、マリオ・スコンチェルティ記者は『コッリエレ・デッラ・セーラ』で「イタリアのチームがこれほど強い技術力と一貫性で戦ったのは久しぶりだ。我々はこれまで何度もスペインサッカーをどうやって阻むのかと言ってきた」と記している。

「ローマはそれが単純なことだと示した。試合を通じて走り、人をマークしてプレッシャーをかけ、先んじて裏を狙うプレーをするだけでいい。それは、ほぼ不可能なことだ。だが、ローマはやってのけた。サッカーのタイプはさほど関係ないと思う。イタリアだろうが、スペインだろうが、同じことだ」

「イタリアのチームが準決勝に進んだのはうれしい。だが、イタリアであることは、あまり関係ないと思う。非常にうまく準備したチームが素晴らしい試合をしたのだ」

◆ユーヴェへの期待

11日にはユヴェントスがマドリーと対戦する。ホームで0-3と敗れているだけに、より厳しい状況なのは言うまでもない。ローマの逆転劇を受け、ユーヴェも続くことを期待するのは、あまりに短絡的というものだ。相手は2連覇中の王者である。

それでも、ローマは「不可能な任務」がないことを証明した。イタリア王者には、少なくとも試合後に胸を張れるようなプレーを期待したい。