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「ゴール量産シーズン」のセリエA、10名の元得点王が予想する今季の得点王は?

中村大晃カルチョ・ライター
36節終了時点でセリエ得点ランク首位に立つジェコ(写真:ロイター/アフロ)

前半戦からのトレンドは、最後まで変わらなかった。今季のセリエAは、20チーム制に戻った2004年以降の13シーズンで最も多くの得点が決まっている。その「ゴール量産シーズン」の得点王に輝くのはどの選手だろうか。

第17節終了時点で3シーズン前の得点ペースを上回っていたセリエA。その勢いは止まることなく、2節を残しているにもかかわらず、リーグの総得点は1040ゴールと2013-14シーズンの1035ゴールをすでに超えた。

『コッリエレ・デッロ・スポルト』によると、スコアレスドローは昨季の31試合から15試合に減少。全試合数の56.9%で3ゴール以上、32.8%で4ゴール以上が決まっている。

もちろん、けん引するのは得点ランキングの上位に名を連ねるストライカーたちだ。

27得点のエディン・ジェコ(ローマ/27ゴール)を筆頭に、25得点のアンドレア・ベロッティ(トリノ)とドリース・メルテンス(ナポリ)、24得点のゴンサロ・イグアイン(ユヴェントス)とマウロ・イカルディ(インテル)、そして22得点のチーロ・インモービレ(ラツィオ)と、じつに6選手が20得点の大台を突破している。これは19年ぶりの快挙だ。当然、今季は得点王争いの行方も注目されている。

『コッリエレ』は17日、10名の元セリエA得点王たちにアンケートを実施した。得点王候補の上位3選手を挙げてもらい、1位に3ポイント、2位に2ポイント、3位に1ポイントを与えて総ポイント数を算出するアンケートだ。10名の回答は以下のとおり。

◆クリスティアーノ・ルカレッリ(2004-05/24得点/リヴォルノ)

1位: ベロッティ

2位: メルテンス

3位: イグアイン

◆ダリオ・ヒュブナー(2001-02/24得点、ピアチェンツァ)

1位: ベロッティ

2位: インモービレ

3位: イグアイン

◆ブルーノ・ジョルダーノ(1978-79/19得点/ラツィオ)

1位: ジェコ

2位: メルテンス

3位: ベロッティ

◆アントニオ・ディ・ナターレ(2009-10、10-11/29得点、28得点/ウディネーゼ)

1位: メルテンス

2位: ジェコ

3位: ベロッティ

◆イゴール・プロッティ(1995-96/24得点/バーリ)

1位: メルテンス

2位: ジェコ

3位: ベロッティ

◆パオロ・ロッシ(1977-78/24得点/ヴィチェンツァ)

1位: イグアイン

2位: ベロッティ

3位: ジェコ

◆アルド・セレーナ(1988-89/22得点/インテル)

1位: イグアイン

2位: ベロッティ

3位: ジェコ

◆サンドロ・マッツォーラ(1964-65/17得点/インテル)

1位: ベロッティ

2位: ジェコ

3位: メルテンス

◆ロベルト・ボニンセーニャ(1970-71、71-72/24得点、22得点/インテル)

1位: ベロッティ

2位: ジェコ

3位: メルテンス

◆ジュゼッペ・サヴォルディ(1972-73/17得点/ボローニャ)

1位: ジェコ

2位: ベロッティ

3位: メルテンス

この結果、「得点王」に選ばれたのは、21ポイントのベロッティだった。現在のランキング首位ジェコは16ポイントで2位。メルテンス(13ポイント)、イグアイン(8ポイント)、インモービレ(2ポイント)と続いた。チームが大不振で自身も3戦連続無得点のイカルディは、0ポイントに終わっている(17日に負傷が発表、今季終了の恐れとの報道も)。

だが、ベロッティも直近の4試合でネットを揺らしていない。一方、たとえばメルテンスは直近5試合で5得点と好調だ。

昨季のイグアインが最終節で66年ぶりに最多得点記録を更新したように、最後までどうなるかは分からないだろう。それだけに、28日の最終節まで目が離せない。

カルチョ・ライター

東京都出身。2004年に渡伊、翌年からミランとインテルの本拠地サン・シーロで全試合取材。06年のカルチョーポリ・W杯優勝などを経て、08年に帰国。約10年にわたり、『GOAL』の日本での礎を築く。『ワールドサッカーダイジェスト』などに寄稿。現在は大阪在住。

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