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ミラン、次節が今季を左右する一戦に? 欧州への希望につながる3つの理由

中村大晃カルチョ・ライター

本田圭佑が所属するミランは、29試合を終えて勝ち点41の8位につけている。ヨーロッパリーグ(EL)出場ラインの5位サンプドリアとは勝ち点7差。来季も欧州の舞台に出場することは難しいとの見方が有力だ。

直接対決で負け越している4位フィオレンティーナを上回るには、勝ち点9差を挽回する必要があり、やや現実的ではない。だが、イタリア『ガゼッタ・デッロ・スポルト』は、5位サンプドリア(勝ち点7差)、6位ナポリ(同6差)、7位トリノ(同1差)を上回るのは不可能ではないと指摘している。

ミランが希望を捨ててはいけない理由として、『ガゼッタ』は以下の3つを挙げた。

1. 流れは変わった?

前節パレルモ戦の勝利は、ミランにとって昨年10月19日以来、実に5カ月半ぶりの連勝だった。その10月19日まで、ミランは開幕から7試合で勝ち点14、1試合平均勝ち点2を挙げている。残り9試合でも同じペースでポイントを積み重ねれば…

2. 負傷者の復帰

徐々にケガ人が戻ってきたことで、「最高」ではないが「まずまず」のポテンシャルを持つチーム力が戻りつつある。選手層に厚みが増し、疲労をコントロールすることが可能になれば…

3. 絶好調メネス

パレルモ戦で決勝点を挙げたジェレミー・メネスは、ここまで16得点。カルロス・テベスに1ゴール差で得点ランク2位につけるなど、好調を維持している。そこにマッティア・デストロの得点も加われば…

『ガゼッタ』は、さらにミランにとって励みになる要素を指摘している。日程だ。次節でサンプドリア、第34節でナポリ、第37節でトリノと、ミランはライバルたちとの直接対決を残している。それらにすべて勝てば、可能性はさらに高まるはずだ。

インテルとのミラノダービーやローマ戦など、ミランは直接対決以外にもビッグマッチを残している。当然、厳しい戦いとなるだろう。だが、それはライバルたちも同じだ。サンプドリアとナポリは直接対決やミラン戦に加え、3位ラツィオや首位ユヴェントスとの対戦を残している。トリノも2位ローマやユヴェントス戦がこれからだ。

また、もう一つミランにとって朗報なのが、ユヴェントス、ラツィオ、フィオレンティーナ、ナポリとリーグ上位チームがベスト4に残っているコッパ・イタリアの結果次第で、5位に入れなくてもEL出場権を手に入れられるという点だ。優勝チームがリーグで欧州進出を決めれば、最後の切符はリーグ6位のチームに回る。

もちろん、あくまで希望的観測でしかない。だが、諦めるにはまだ早いとも言えるのではないか。

いずれにしても、すべては次節次第だ。ホームでサンプドリアに敗れれば、残り8試合で勝ち点差は10となる。さらにナポリがフィオレンティーナを下せば、ミランの逆転は現実的でなくなるだろう。

逆にサンプを下して3連勝を飾れば、ラストスパートに向けてさらに勢いを増すはずだ。現地時間12日に行われるサンプ戦は、ミランにとって今季の出来を左右する勝利必須の一戦となる。その大事な時期に、本田が負傷したのは残念だ。

カルチョ・ライター

東京都出身。2004年に渡伊、翌年からミランとインテルの本拠地サン・シーロで全試合取材。06年のカルチョーポリ・W杯優勝などを経て、08年に帰国。約10年にわたり、『GOAL』の日本での礎を築く。『ワールドサッカーダイジェスト』などに寄稿。現在は大阪在住。

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