吉本興業「経営アドバイザリー委員会」が始まりました。

*著者撮影
*著者撮影

所属芸人が反社が関わる集まりに参加し、ギャラ受領についてウソをついたことに始まる吉本興業の騒動に関し、反社の被害にあったみなさん、お笑いを愛するみなさん、株主はじめ関係各位にご迷惑をおかけし、社外取締役としてお詫び申し上げます。

 7月22日、岡本社長が会見を開き、1.コンプライアンスの徹底、2.芸人ファーストの取組を表明しました。これらに関し、さらに抜本的な対策を得るため、第三者による「経営アドバイザリー委員会」が設置され、8月8日に第一回が開催されました。

 メンバーは、座長・川上和久 国際医療福祉大学教授、大仲土和 弁護士・関西大学教授・元最高検察庁総務部長、久保博 読売巨人軍 顧問、島根悟 日本サイバー犯罪対策センター理事・元警視庁副総監、町田徹 経済ジャーナリスト、三浦瑠麗 国際政治学者、山田秀雄 弁護士・元日本弁護士連合会副会長の7名です。会社から岡本社長らも出席しました。ぼくも傍聴しました。

 諮問事項は以下の4点。

1. 反社会的勢力の排除のためのより盤石な体制構築

2. タレントとのリレーションシップ強化の方策(契約の在り方など)

3. コンプライアンス体制の検証とさらなる強化

4. 吉本興業グループ会社のガバナンス強化の方策

 会議後の記者向けブリーフィングで、川上座長はまず「吉本がこの機会に会社全体を再起動し、社会的責任を果たし、将来に向けてより国民の皆様から信頼され、より社会に貢献していくきっかけとする、という認識のもので委員会を立ち上げた」と報告しました。

「決して芸人を目指す多くの人たちの門戸を狭めるようなことが契約の内容となってはならない。社会的に必要な意義のあることは残しつつ、切り替えるべきことについては迅速に・徹底して切り替え、グローバルスタンダードに沿ったコンテンツ企業として飛躍していく機会にしていければ。」

「まず、反社会的勢力と一切関わらない、関わらせない。所属タレントの契約は、それぞれが充実した仕事をしている、していける、そうした人たちを守るためのものでなくてはならない。ガバナンス、コンプライアンスも、透明性の確保や風通しのいい組織にするための取組など課題がある。スピーディーに助言し、後押しするため、集中的に委員会を開催する。」

 そして会議の模様として、以下のように報告しました。

・反社に対しては(年間6000件の属性調査を行うなど)一般水準を超える程度によく取り組んでおり、研修も重視しているが、さらに、知識だけでなく意識をもって取り組むことが大事。直営業で仕事を請け負った場合のチェックは、情報共有が重要であり、芸人は会社に全て報告する仕組を入れる。会社が反社チェックを行う方向で、さらなる検討を進める。

・タレント全員と反社との断絶などをうたう共同確認書を結ぶ。6000人の芸人全員と契約書面を交わし、所属であることを明らかにする。

・そのうえで、希望者とは専属マネジメント契約書や専属エージェント契約書を交わしていく。専属エージェント契約はタレント個人がマネジメントする新種のカテゴリー。海外にはある形態だが、日本の芸能プロダクションとしていち早く導入する。どの契約形態とするかは個々のタレントとの話し合いで決めていく。

・ギャラの配分、料率も話し合いながら契約で明確にしていく。タレントを守る契約としていく。タレントを育成し、劇場でチャンスを与える。吉本流のやりかただが、それが古くなっている部分もある。それを見直し、改良する。

・(他社の雛形になるのでは?との質問に対し)日本をリードする委員会としたい。芸能プロダクションへの誤解もある。明日を夢見て芸を磨き、パフォーマンスを発揮する、その環境を整えることが吉本の使命だ。

・(提言を会社は受け入れるのか?との質問に対し)受け入れる意欲を感じる。岡本社長からも、議論の内容に沿いPDCAを回し、委員会に回答していくと言われている。

・コンプラやガバナンスについて、次回以降掘り下げる。

 厳しいながらも的確な指摘であり、ぼくの認識と一致する点が多いやりとりでした。

 委員会は迅速に提言していくとしています。

 これを受け止め、会社に実行させる圧を加えるのがぼくの立場だと認識しています。