教育情報化の場面転換--教育ICT議連にて

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教育ICT議連が参議院議員会館で開催されました。正式名称を「教育における情報通信(ICT)の利活用促進をめざす議員連盟」といい、2015年に発足した与野党の超党派国会議員による議連です。

2019年2月現在、6党+無所属83名の議員が参加しています。会長は遠藤利明さん、会長代行は中川正春さん、幹事長に盛山正仁さん、事務局長に石橋通宏さん。ぼくは民間アドバイザーとして関わっています。

この議連は「学校教育の情報化の推進に関する法律案」を策定し、昨年の国会に提出しました。議員たちにぼくらのグループが関わり、政府や法制局とも協議して作成したものです。

昨年、政府が提出した学校教育法等の改正により、デジタル教科書の制度化が実現しました。議連の法案は、自治体が推進計画を策定・実施する等の総合的な施策により、自治体に委ねられていた年1800億円の地方財政措置の活用が進むなど学校教育情報化が大きく進展するエンジンとなります。

議連の場で「この法案が成立する見込みが高まった」という報告がありました。政府提出法案が片付けば真っ先に審議されることになったとのことです。与野党の議員のかたがたによる努力が実を結ぶよう祈ります。教育情報化後進国を脱する起爆剤となってほしい。

意見を求められたぼくは、世界は2周先、AI時代の教育に進んでいることを指摘しました。このため民間として超教育協会を立ち上げ、産学連携体制を講ずる。BYODやクラウドなどインフラの整備、AIやブロックチェーンなど先端の開拓の双方が大事だと申し上げました。

同席した文科省から、重要なコメントがありました。昨年秋に「柴山・学びの革新プラン」を公表、遠隔教育の推進、先端技術の導入などを掲げたのですが、その具体像が提示され、それがこれまでの文科省にない前向きな姿勢で、驚きました。

2点あります。まず、クラウド利活用に向け、セキュリティ・ガイドラインを検討、学術ネットワークSINETを初中等教育に開放するという方針。セキュリティを名目に各学校に閉じていたネットワークをクラウドに移行させるという方針転換です。SINET利用のおまけつきで。

これが進み、教材標準化が進めば、自分の端末を持ち込んで勉強できるBYODに道が開かれます。中古端末市場の整備などと合わせ、安価な端末を持てるようにし、一人一台を早く達成したい。いまのペースだと一人3台まででもあと25年かかる! 一人一台は来世紀か?そんな無策は許されません。

もう一つは、データ収集・利用が現状では不十分として、対応を進め、AIによるレコメンド・アルゴリズムの解析を進めることが必要、としたことです。データ+AI利用の教育に積極姿勢を見せました。これも新政策です。

現政権のAI推し、経産省のEdTech推し、さらには最近、規制改革会議が教育情報化を論点に据えたことなど、政府全体の方向性も手伝い、文科省も進化したと見受けます。子どもたちのため、政官産学で前進させたい。この議連が超党派であることも、皆で連携していく姿勢の現れだと考えます。

否定論もあります。

ぼくらがデジタル教科書の運動を始めたころ、教育情報化の学界重鎮からは時期尚早と叩かれました。いまもデジタル教科書は尚早という人もいます。2年ほど前にも、学校クラウド化やデータ利用について不適切という重鎮の声を聞きました。今も意見は変わっていないと思います。

文科省はどうしてそういう先生方を委員会などに使うのかしら。それは文科省の意見を代弁してくださるからなのかな。などと凹みつつも、問題はそれを含むアカデミズム側にある、と自らにブーメランを投げつけ、あるべき方向に進むべく、ぼくらは学の立場で旗を振ってきました。

でも、場面転換です。

デジタル教科書の正規化。プログラミング教育の必修化。推進法の成立による総合対策。クラウド化、データ+AI利用。次のステージに進みます。