IoT教育は成り立つか(下)

IoT教育のプレゼン@情報通信審議会、つづき。

IoT教育に向けてまず求められるのはプログラミング教育。全てのモノがデジタルになっていくので、その原理は、「よみかきプログラミング」と言うべき基礎的な素養となります。いわゆるSTEM教育、理科学教育が注目されていて、それをIT専門家やIT産業人材を育てる文脈で語られることがありますが、そうではなく、全ての人が身につける基礎教養と捉えるべきです。

子ども向けプログラミングで世界的に最も利用されているのがScratchという言語。MITメディアラボが10年前に作ったもので、日本でもこれを使った教室や塾がブームのようになっています。これを古くから日本で展開しているのがCANVAS。14年前に総務省の支援も受けて立ち上げたNPOです。

http://canvas.ws/

PEGというプロジェクト名で、ラズベリーパイという簡易PCと組み合わせて学校などで年間2.5万人の子どもにワークショップを展開しています。ただ、この活動を支援しているのはGoogleやSalceforce.com、マイクロソフトといったアメリカ企業であることに留意すべきです。

http://pegpeg.jp/

(CANVASはさきごろ「プログラミング教育普及プロジェクト Computer Science for All」を立ち上げ、この分野のプラットフォームを構築しています。国会議員、文科省、総務省、産業界、学術界の主要なかたがたにも参加いただいています。)

http://csforall.jp/

日本がやるべきことは2つ。1)スマート教育のインフラ整備と、2)IoT教育の先端開拓。

前者はキャッチアップであり、後者は世界をリードする取組です。

1)スマートのインフラ整備のミッションは3つあります。a)タブレットの1人1台化と、b)クラウドの普及と、c)デジタル教科書の正規化。

a)1人1台は自治体がお金をつける仕事。

b)クラウドの普及は、セキュリティのために学校をつながせないでいる条例などのルールを改めること。これは政府がガイドラインを作って促す。

c)デジタル教科書の正規化は学校教育法など数本の法律を改正するもので、国会の仕事。DiTTでも法案の文案を策定しています。

さらに民間でも動かせる施策があります。例えば、

a)中古PCの流通市場を作ること。

b)教材クラウド配信機構を作ること。

c)デジタル教材は著作権がネックになるので、映像や音楽で進められているような著作権集中処理機構を作ること。

こうしたことは総務省PMOでも議論していることであり、実現に向いたい。

最大のネックはお金です。この際、年間800億円が徴収されている「電波利用料」を使えばどうでしょうか。いずれも電波の有効利用に資するものです。地デジ整備終了で浮く部分を、デジタル教育という、次世代の電波利用者に還元していくのは悪くない。と思ってパブコメも出しました。

画像

もう一つ、2)IoT教育の先端開発。世界一のIoT環境、これは今なら作れます。「未来の教室」テストベッドを作るのはどうでしょうか。IoT、AI、ウェアラブル、ドローン、ロボットを集中して開発・実証できる産官学連携のオープンラボ+ショウケース。

私は港区・竹芝にデジタル集積特区を作るプロジェクトを進めています。研究機関やビジネス活動を集めて2020年に街開き。既に総理から国家戦略特区の認定を受け、具体的な特区構想を練っています。電波特区や技適特区。技適マークのついていない開発中の機材が使えるとか。

著作権者不明の孤児著作物を蓄積して利用できる映像アーカイブ特区、デジタル教材特区。ロボット特区やドローン特区もやりたい。NICTのような国の研究機関が来てくれて実現してくれればなぁと夢想する次第です。