IoT教育は成り立つか(上)

総務省情報通信審議会のWGで「IoT教育」というネタでプレゼンを致しました。

先日、「2045年の教室」というテーマで子どもワークショップを開きました。子どもたちにとって一人1台タブレットは当たり前、1人1台ロボットになる。AIで勉強を教えてくれるが、もう知識は脳にダウンロードするから不要だと。知識よりコミュニケーションが大切になる。IoT、AI、ロボットは当然。というのが彼らの未来です。

教育の情報化は、PC+CDで教材を使っていたデジタル教育から、タブレット+クラウドでデジタル教科書のスマート教育へと移行し、さらに、ウェアラブル端末、ビッグデータ、SNSへと広がりをみせます。

それが今度はロボット、IoT、AIの、いわば「IoT教育」へとコマを進めようというのですが、日本はまだスマート教育にも至っていません。日本の教育情報化がOECDの中でも最低レベルであることは周知のとおりです。

このところビッグデータの教育利用が盛んになってきました。学習履歴データを分析して、教材を開発したり、一人ひとりの指導を充実させたり、あるいは学校のマネジメントに活かしたりしています。

リクルート「学校サプリ」は、30万人のデータを活用して最適学習を提案。学研は学習塾10万人の履歴を分析しています。eboardというNPOは学習ログを活用する生徒・指導者向けサイトを提供。コードタクトのSchool Tactというアプリは、児童生徒の相互関係を可視化するアプリを提供。京セラは、大学に向けて、ビッグデータ分析による教育改善に加え、大学の広報や経営戦略に活かす総合サービスを提供。

ポイントは、これらは学校主導ではなく民間企業主導であることです。教育情報化の専門家や重鎮には、教育ビッグデータ利用は不要という人が結構いて困りもんだったんですが、企業主導でかまいません。

IoTは、その概念がまだ定まらないうえ、教育とかけ合わせると余計にイメージがハッキリしません。今のところ、デジタル技術でロボットやガジェットを作って身の回りの問題を解決するとか、学校に埋め込まれたセンサーの情報を使って学ぶとか、そういう感じです。

ソニーのMESHは、ブロック状の電子タグとiPadのアプリで、タグの中にあるLEDライトやセンサーを作動させて、工作したり、身の回りを楽しくしたりするIoTツール。ロボット(MEEBO)が画像認識センサーで子どもの顔を認識して、保護者と共有する事例。リアルグローブ社はロボットで教室空間のデータを収集し活用する構想を進めています。米AltSchoolは、カメラやヒートセンサーで教室空間の映像などのデータを収集して空間設計しています。

PCやネットなどのデジタル技術が教育現場に浸透してきたように、IoT、AI、ビッグデータを駆使した教育が広がるのも必然です。その環境を整えるため、何をするかが問われています。

(つづく)