東京はどこがダメ?:景観と売り

東京のダメポイント、6点。5)景観と6)売り。

5 景観

◯統一感がない

「古い建物を活かしていない。故に建物に統一感がない。ポルトガル・スペインともに古い建物をリノベーションして活用している店舗が多かったです。そのため、街に統一感があり美しい印象を受けました。Crash to Createな東京は、環境にも良くないですしイケてないですね。」

逆に、統一感のなさが東京らしさであり、伝統とポップ、高貴と下品、タテとヨコ、それらバラバラ感を突き詰めたほうがよいのかもしれません。

◯電線が多い

「ヨーロッパは、電線の埋め込みが進んでいるのでスッキリしていて綺麗です。」

これも30年にわたり政府は電線類地中化を推進しているんだけど、難問です。

◯ゴミ箱が少ない

「日本は道にゴミ箱がないので、食べ歩きができません。せっかく日本に来たのに食べながら観光したいですよね!!」

これ、95年のサリン事件を引きずってるんですよね。悩ましい。

◯山がない

「山が見れないのは私も不満です。」

これは京都人のぼくが東京に欠けると感じるもの。

東京は海を持つ首都、という優れたポジションを活かせていないので、それは何とかしましょう。

一方、京都人は、街のどこにいても、北山や東山などの山を感じていて、それが自分のいるポジションを認識させ、落ち着かせてくれます。東京も(パリもボストンも)、それがない。山がある他の都市から来た子も同じく感じるようです。

6 売り

「「何が売り」なのか、が弱いと思います。歴史や文化に興味のある人は京都に行きます。じゃあ東京は何なのか?観光客が大好きなナイトビジネスも規制が強いですし海外の夜遊び場所に比べても六本木は分かりにくく、中途半端でダサい。カジノも無い。

「アニメ、漫画のコンテンツ力もアジアに負けつつある気がします。「世界に誇る日本のアニメ」のブームが去りそうな今となっては秋葉原も賞味期限が近いかと。」

「個人的にはもっとサイバーに、もっとエキゾチックでクレイジーな東京を感じれるスポットが欲しいですね。今の東京には「AKIRA」で世界中が熱狂した近未来都市「ネオ東京」はどこにも感じられません。」

ヤバいですね。

総合力で首位の東京、というたてつけで議論を始めたんですが、総合力がユルい、という評価なのです。

マンガ・アニメ・ゲーム。ファッション。伝統文化。食事。産業集積。技術。安全。それら東京の持つ強みを、もっと際立たせることでしょうか。

それとも、カジノやナイトスポットなど、他の都市に劣るエンタテイメントを充実させることでしょうか。

2020年に向け、東京は何をすべきでしょう。

さて、総じて明らかになったのは、東京は「民」が優れているのに「公」がダメ、ということです。 

東京が評価されているのは、ポップカルチャーにしろ、食にしろ、技術や産業にしろ、企業やクリエイターやユーザなどの「民」が支えてきたものです。

他方、今回、学生たちがダメ出ししたのは、1)交通、2)通信、3)金融、4)公共空間、5)景観など、インフラや制度に関わるものが多く、「公共」部門が何とかしなければいけないもの。

どれも東京都や国交省や総務省や財務省といった役所が関わるべき案件ですよね。

言い換えれば、「官」の失敗を「民」が補って、世界水準を保っているということです。

ではどうする。弱みを建て直すため、官にがんばってもらう。これは必要なこと。お願いします。でも、それに頼るのはやめましょう。見込みが薄いから。

民がもっと突き抜けて、その強みと魅力をもっと高める。そのほうが見通しがききますよ。願わくは、官には民が突き抜ける邪魔をしないよう、規制緩和したり、目をつむってもらったりすること。それを期待します。

港区竹芝の「CiP」は、民の力を集めて国家戦略特区を作る構想です。そのために産学が連携して、産業と文化と技術を集結します。東京の面白さを世界に示したい。官にはそれを可能とするように、後押ししていただきたいと存じます。