デジタル特区CiP、その未来は

東京港区竹芝にデジタル・コンテンツの集積特区を作る「CiP」。推進母体のCiP協議会事務局から理事長(ぼく)に対し質問が3つ来ました。

1 東京・日本の未来をどうみる?

2 その将来性を伸ばすにはどうする?

3 CiPで実現したいことは何か?

回答を書いたんですが、サイトに載せるには長すぎると却下されました。ごめんなさい。仕方ないので、順番にここに載せます。まずは、第一問。「東京・日本の未来」について。

Adobe社の主要国調査によれば、世界一クリエイティブな国は日本と評価されている。当然だ。そして世界一クリエイティブな都市は東京だという。みんなよく見ている。私は東京に住み、第一の故郷は京都、第二はパリ、第三はボストン。いずれも最高級の都市だが、東京は図抜けている。

都市の時代である。リチャード・フロリダ「クリエイティブ都市論」によれば、経済生産のメガ地域の首位は広域東京圏(2.5兆ドル)。これはドイツ1国の規模に匹敵するという。イノベーションを特許数に基いて測ると、最も突出するのがNY、SFと並んで、東京。続いてボストン、パリ、大阪/京都だという。東京にはハイテク企業が集結している。

そして東京は、ポップカルチャーの本場として若者の憧れとなっている。マンガ、アニメ、ゲーム、J-POP、ファッション、和食、デザイン、建築、さまざまな文化がソフトパワーとなって海外の耳目を集めている。

世界の駅の乗降客数トップ3は新宿、渋谷、池袋。電車ネットワークが稠密だ。遅れるとあやまってくれるし。光ファイバーの普及とケータイの無線も最高位。インフラは盤石だ。

ミシュラン星付きレストランは、パリ64軒に比べ東京は266軒と断トツ。私の事務所から100m圏内に17か国のレストランがある。どこもうまい。そんな場所は他にない。

コンビニでコピーができて公共料金が支払えて小包を送って洗濯物を出してトイレが借りられる。公衆トイレにウォシュレットがついている。どの通りにもある自販機が壊れておらず、ビールも日本酒も、カップ麺もおでんも、バナナも、パンツも買える。

酔っぱらって道端で寝ていても身ぐるみはがされず、タクシーにケータイを忘れてもドライバーが届けてくれる。

いい町じゃないか!

課題は3つある。

まず、世界に先駆けて高齢化する社会の幸せをプロデュースできるか。お年寄りにとっても安全で便利でエキサイティングな町でいられるか。これがクリアできれば、東京は21世紀中、地球をリードできる。

2つ目は、国際化・多様化。東京のスゴさは、日本人コミュニティがむさぼってきた。諸国の多様なかたがたをおもてなしし、共存し、価値を共有することができるか。

3つ目は、夏が暑すぎること。8月、私はすさまじい東京を逃げ出して、パリでこれを書いている。私の事務所の中で熱中症が発生したが、これは事務所のせいではなく、東京のせいだ。2020五輪のマラソンは、あの炎天下を走らせるつもりか?

戦後70年。日本は軍事国家を捨て、経済に生きようとした。だが、GNP主義も行き詰まった。次は何だろう。GNPP(Gross National Pop Power)やGNSP(Gross National Soft Power)、つまり文化国家を目指すのだろうか。

2020年には、その答えが見えているだろう。