「クール・ジャパン!?」

鴻上尚史さん著「クール・ジャパン!?」。刺激的な本です。

鴻上さん司会のNHKクールジャパンは11年目を迎えます。世界に配信されていて、海外のファンも多い。ぼくは5人の御意見番の一人。これまで出演したのは60本!最近の日本スゲぇ番組の先駆けですが、ホメてるばかりじゃなく、辛辣な外国人の視点に驚くこともしばしばです。

本書にはさまざまなネタが登場します。ママチャリ、納涼、100円ショップ、コンビニ、マン喫、ゴスロリ、ラーメン、おもちゃ、食べ放題、ゆるキャラ、水族館・・多くがぼくが出演したときのものです。

ぼくが出演したテーマ。ポップカルチャー:マンガ、アニメ、ゲーム、音楽、カラオケ、秋葉原、制服、ファッション。食:麺、どんぶり、居酒屋、レストラン、家庭料理。に加えて、友達、夏、子育て、女子、恋人、礼儀、歳、涼む、マナー、出会い、といったものも。「クール」の幅が広いでしょ。

NHKの番組で、フランス人がマンガを「コーチングのいらない唯一の日本文化」と評した件。お茶お花空手歌舞伎など日本文化代表はコーチングが不可欠。クールジャパンは海外から入ってきた日本評だが、クールとされるものはいずれもコーチング不要で広がっていった文化ではないかな。

クールジャパンなる言葉は2002年のダグラス・マッグレイ論文が嚆矢とされますが、マンガアニメゲーム等のエンタメコンテンツから、食、ファッション、デザインへと波及し、日用品やライフスタイルにも広がりをみせた。番組の守備範囲も実に広くなっています。

鴻上さんの本が紹介する洗浄器付き便座、100円ショップ、自販機、コンビニなどのスゴさは知っていましたが、番組を通じて海外の評判を知ったものもたくさんあります。

たとえば、居酒屋ブーム。飲みながら食事し、食事しながら注文するスタイルが海外では新鮮であること。

たとえば、水族館。日本人の水族館好きがハンパなくて、ハイテクな文化を築いている。

たとえば、犬。人犬一体の文化を築いていて、日本の犬が海外で人気を博している。

日本ポップカルチャーの特徴として、ぼくは多様性、庶民性、大人子どもの文化融合、技術融合を挙げることが多かったのですが、番組を通じて、「自由」と「輸入起源」にも気がつきました。

自由。鴻上さんの本が紹介するゴスロリやコスプレが典型です。フランス人が日本は自分の着たいものを来て街を歩いている、自由だ、と評した話。食べ放題や飲み放題は日本だけ、という話。居酒屋スタイルも自由さの現れ。そうか、ぼくたちは、自由だったんだ。

輸入起源。アニメもゲームも元は舶来技術。制服もゴスロリも洋装を日本が発達させたもの。コンビニもアメリカのビジネスを日本が発達させ、今や輸出産業に。クールとされているものはほぼ輸入・加工して輸出しているものではないでしょうか。

鴻上さんが紹介する食べものクールも、日本起源のオムライス、インド人がおみやげにするカレールー、調理パン、みな輸入モノの発展系。中国にない中華丼も、王国とされる高みを築いたラーメンも。

クールジャパンのそんな背景も、この本や番組で読み取ってみると、日本文化にもまだまだ新しい発見がありますよ。