デジタル教科書に関する質疑から

文部科学省「デジタル教科書の位置づけに関する検討会議」にて、たくさん質問を受けました。なるほど、文科省での質問だな、と感じた2つをピックアップします。Aはぼくの回答。

Q 紙媒体の教科書が築いてきた我が国の授業研究の風土や授業のやり方について、どのように認識されていますか。

A 日本の学校現場におけるこれまでの様々な取組、そして、先生方の能力、情熱といったものは、世界トップクラスではないかと思います。すばらしい技術、文化を作ってこられているのだと思います。

先ほど日本の教育現場のデジタル化、ICT化が後れているというデータをお示ししましたが、まさに、これまで100年以上培ってきた学校現場のすばらしい文化、体系といったものがあるからこそ、大きく変わるインセンティブが乏しかったのではないかと思っております。

教科書をデジタル化することと、校務も含めてあらゆる学校での仕事をICT化していくことは必ずしもリンクできるものではないと思います。しかし、少なくとも、これまで培ってきたすばらしい文化が、ICTを使えばより大きく高い方向に進化をすることができる。また、全国の先生方の力をもっと発揮できるようにできる。あるいは、それぞれの先生方が研究して作り出してきている教材などを共有しやすくできます。ICTは単なる道具ですので、道具の使いようによっては、良い方向に向けることができるのではないかと思っています。

当初、私たちが活動を始めた際、「君たちは紙の教科書をデジタルに置き換えるということをやろうとしているのか」と問われました。我々の主張としては、一切そのようなことはありません。紙には紙の良さがあり、デジタル、ICTにはICTの良さがあるから、お互いにとってより良い環境を整備し共存していけば良いと思います。

ただ、それはいつまでなのかという問いもよく受けたのですが、それは我々DiTTがいつまでと決めることではなく、現場の先生方、子供たち、あるいは保護者の方々が使う中で、長い時間を掛けて決めていけば良いのではないかという議論をしているところです。

Q 「デジタル教科書」を使用する場合のカリキュラム化、教員研修についてのどのようにお考えでしょうか。

A 我々が協議会として主張している端末、ネットワーク、教材の整備というのは、あくまで道具をそろえましょうということであり、実際にこれらが先生方にどのようにお使いいただけるのか、お役に立てるのかを考えるには、現場の皆さんと一緒に検証したり、改善を加えたりといったフィードバックにかなり力を入れて進めていかなければなりません。我々は民間企業の集まりですが、民間企業と学校現場との連携で進めています。

同時に、先生方からのフィードバックを全国の先生方に共有していただくということも大事だと思っておりまして、全国の、この分野に熱心な約100名の先生方に参加していただき、やっていることを教えていただいて、デジタル教材の改善すべき点も厳しく御指摘いただき、返すという繰り返しをしているところです。

ただ、もっとそれを広げ、その他の先生方にきちんと使っていただけるように支援することや、ICTの整備を補助することも重要だと思っているのですが、それは我々協議会だけでできる話ではないと思っていますので、他の団体や政府、自治体の皆さんと相談しながら、コストの充実などを図ってもらえないかとお願いしている段階です。