リチャード・フロリダ「クリエイティブ都市論」

リチャード・フロリダ著「クリエイティブ都市論」。人生で意味を持つものは「何を」「だれと」行うかに加え「どこで」=居住地が重要だといいます。

ふむ、と思ったポイントを5点列挙します。→はぼくの感想です。

1) 世界はフラット化しているのではなく、集積化している。クリエイティビティ、イノベーションの生産要素は特定の地域に偏り、集中している。先進国では人口の3/4が都市部に住んでいる。アメリカではGDPの9割以上を大都市圏が担う。

→スマートシティ=集積による都市再生は、交通・通信の発達による移動と交流の自由とのセット。ぼく自身、都市に住みつつ、移動の自由を確保するスタイルがしっくりきます。

2) 経済生産のメガ地域の首位は広域東京圏(2.5兆ドル)、2位はボストン/NY/DC圏(2.2兆ドル)。この2地域の規模はドイツ1国に匹敵する。「大阪(京都)名古屋」(1.4兆ドル)は5位。これら「地域」の経済生産は伊、加、印、韓、露らの「国」を上回る。

→東京圏の大きさは日本の強みです。いま改めて地方活性化政策が注目を集めていますが、それが東京圏の弱体化とのセットであるなら、考え直したほうがいいと思います。東京圏・大阪圏をいかに強化するか。そちらのほうが今日的なテーマではないでしょうか。

3) イノベーションを特許数に基いて測ると、最も突出するのが東京、NY、SF。続いてボストン、パリ、大阪など。

→ぼくが住んだのは東京、ボストン、パリ、大阪(京都)なので、ぼくは地方居住のメリットに鈍いのだろうと思います。地方活性化に力を入れるかたから、この本に対するコメントを聞いてみたいです。

4) 日本には広域札幌、広域東京、大阪名古屋、九州北部の4メガ地域があるが、その境界線が不明確で、世界初の統合されたスーパー・メガ地域=巨大な単一経済圏へ歩み始めているのかもしれない。

→本書は小規模地方都市の活性化より、4大都市圏の強化と、それらの連結を示唆しています。これも地方活性化政策を進めるかたからコメントを聞いてみたい。

5) ボヘミアン(芸術人)とゲイの人口集中と住宅価格にはかなりの相関が認められる。そうした人たちの環境への美的感覚、寛容性、文化的開放性が貢献していると考えられる。

→ボヘミアン集積はクールジャパン策でもあります。クリエイターのインバウンド政策。だけど、ゲイ優遇策が政策の俎上に載ったことはないですね。だれが提案するといいでしょう?

ところでこの本にSexPistolsの名前がちょくちょく出てくるのですが、それはどう受け止めておけばいいんでしょう。