日本のケータイメーカーはなぜ敗けた?

通信会社の重鎮や官僚OBたちと「日本のメーカーはなぜ敗けたのか」という議論になりました。

第二世代ケータイ=2Gは欧州がGSMを旧植民地に広げ、日本は国際競争で敗けました。それはよく知られています。このときは国家間の様相を帯びていました。どの技術規格を選ぶのか、その政策や戦略に負う面も大きかった。

ところが、そのような枠から開放された第三世代=3Gは、市場やインフラの移行では日本が先んじたのに、なぜ日本のメーカーはサムソンやアップルに敗けたのか、というのです。

日本は2001年に3Gに移りました。海外には2-3年のアドバンテージがありました。当時、欧米の通信キャリアは電波オークションを導入したせいで3Gに移行するためのカネがありませんでした。

逆にオークションを導入しなかった日本はdocomoやauなど通信キャリアにカネがあったから、先に3G市場を作りました。日本がオークションを導入しなかったのはキャリア力温存という側面もあったのです。ところが、なぜメーカーは、その優位を海外市場に活かさなかったのだ、というのです。

メーカーのOB・重鎮は、いろんな理由を挙げます。欧州の通信キャリアの閉鎖性、日本のスペックの高さからくる高コスト体質、GSMデュアル運用に関する経験・ノウハウ不足などなど。しかし、当時、その事情はサムソンと変わりありますまい。いや、日本のケータイメーカーはサムソンよりも圧倒的に優位にありました。でも動かなかった。サムソンは動いた。

その後iPhoneが登場し、市場はまたひっくり返りました。当時、日本の通信キャリアもメーカーもスマホを軽視していました。3Gを世界に売らなかったこと、スマホを作らなかったこと、の2点の失敗で現在に至ります。

わかっていても、日本市場が大きく、通信キャリアに依存すれば食えた面はあります。政策の適否を指摘する声もあります。でも状況とチャンスはサムソンもアップルもさほど違いはなかったはず。

それはつまるところなぜなのか。ぼくにもわかりません。

結局は「経営者」の問題に行き着くのでしょうか。

だとすると、経営者を育てるにはどうするか、という問題となります。日本はプロ経営者が少なく、社内から叩き上げてきて経営者となるため、経営者に強く意見する風土に欠けているといいます。でも、トヨタのように同族経営でも世界に伍す企業はあるし。ソニー、ホンダ、ユニクロのように創業者が経営者として世界的な企業を育てたこともあるし。

もちろんその問いへの答えをぼくは持ちあわせてはいません。そこで「学」がすべき仕事は何があるのだろうかと考えこむ次第です。