著作権問題、随想 5

著作権法じゃなくてコンテンツ「政策」で解決する。その方向を強めたい。

一時、着メロや着うたが大きな産業を形成しました。ケータイに音楽を提供することに権利者側は当初、躊躇を見せていました。著作物の管理に神経質でした。でも豊かなサービスとして成立しました。その際、著作権法は改正されていません。なぜ音楽が提供されたのか。もうかったからです。先発企業がもうけたから他の企業もコンテンツを出した。カネが動けば実態は動きます。契約で、実態で解決していく、まずそれでしょう。

テレビ番組の二次利用を促進することが長い間、政策課題になっています。日本の放送番組の二次利用は13%程度だと聞きます。映画や音楽は60-70%が二次利用のビジネスです。テレビだけ進まないのは、制度のせいじゃないですよね。ビジネスモデルの問題です。著作権処理のシステムや契約で解決していく。権利処理をスムーズにする機関であるaRmaの設立を政府が応援する。正しい政策だと思います。

コンテンツ政策と言っても、法律で解決する手段もあります。2010年には通信・放送法制10本を抜本改正しました。電波の規制を緩和し、放送電波で通信を行うなど、世界一とも言える柔軟な制度に改めました。ぼくはその議論の急先鋒でした。2006年にスタートした議論で、ぼくは総務省の委員会に対し、通信放送のタテ割りをインフラ、サービス、コンテンツの横割りにして10本を1本の「情報通信法」に抜本改正する案を提出しました。

これはかなり物議をかもし、あちこちから批判も受け、火だるまになりました。でも数年の論議を経て、ほぼその方向に結論は収束し、制度化に至りました。その頃から強調していたのは、それはコンテンツの流通と利用を促進する措置だということ。抜本改正時にしかできない規制緩和を断行して、情報の生産・流通・利用を活性化するという考えのものでした。

制度論議の途中でも、実験措置として、ユビキタス特区を設けてもらい、地域限定で規制緩和による効果の検証も行いました。その後、ホワイトスペース特区も設け、制度的な枠を広げてもらっています。ケータイのwifiでテレビが見られたり、放送の電波を使って新聞紙面が送られてきたり、そうしたサービスが実現しています。

逆にネックとなっているのが著作権です。著作権法上、通信と放送の扱いが異なるため、一つのサービスを通信・放送の両方で扱おうとすると、処理が厄介です。おおもとの通信・放送制度は大改正をしても、著作権法制度は動きません。著作権法の学会では何か動きはありますか?

(つづく)