これからのマルチ×ソーシャル

「マルチスクリーンとソーシャルメディア」に関するトークショー。続きです。

「これをビジネスとしてどう見るか?」と問われました。

広告の地合いが少し上向いてきたとはいえ、6兆円市場を奪い合うのは消耗しますよ。課金で成功しているのはニコ動とオンラインゲームだけですが、広告と課金のポートフォリオを組み立てざるを得ません。日本はガラケーで大きなコンテンツ市場を作ったものの、スマホへの移行で広告市場がガラポンになっているので、再設計ですね。

それより大事になってるのがコマース。ネット小売り40社で合計1兆円、売上に占める比率が5%になったという報道がありました。2007年の日本のネット小売り/小売り全体の売上比は1.5%でしたから、急拡大です。ここをどう広げるか。

それについて、プラットフォームの競争が本質的に行方を左右するのですが、これもさきごろ海外へのテレビ配信サービスに関し、最高裁が原告のテレビ局への勝訴を確定させました。コンテンツの権利が守られたかに見えるものの、それは日本国内でコンテンツのクラウドサービスを行うのは難しいということを明確にしたものでもあります。

とすると、そうしたプラットフォームはGoogleやAppleなど海外のプレイヤーに取られるということでもあり、結局、テレビ局は生殺与奪を海外に握られることになりかねない。勝ったように見えて実は、国ごと負けるのかもしれません。

肝心なのは、コンテンツよりソーシャルサービスだってことでしょう。

マルチスクリーンをソーシャルメディアがどう絡み取って行くか。マルチスクリーンは、ぼく的なノマドだったり、息子的な3スクリーンだったり、同僚的なモバイルだったりしますが、その人たちはみなソーシャルメディアでつながります。

でもそのソーシャルは、twitterだったりmixiだったりFacebookだったりLINEだったり・・。それは毎年変わっているわけで。まだまだ落ち着きません。

人には人のソーシャルメディア、ということです。

そのメディア環境がどう発展するかはユーザの力量に左右されます。

この点、日本のユーザ力は高い。ドワンゴの川上会長が言うには、日本のニートはネットができる程度に豊かで、かつ24時間つながってるヒマ人であって、その人たちのクリエイティビティがやたら高い。その100万人を超えるユーザが日本のネット社会を構築している、と。ですよね。だからこそバルスで世界記録を 打ち立てるわけだし、初音ミクも育つわけだし、炎上大国と称されるほどのトラブルも巻き起こすわけです。

「では、これからのマルチスクリーン×ソーシャルメディアはどうなりますか?」との問い。

わかりません。10年前にはソーシャルメディアなんてなかったわけですからね。だけど、ハッキリしていることは、日本は欧米と違って、若い世代が新分野を 作っていくということ。欧米がビジネス主導で新しいサービスや商品が広がるのに対し、日本はティーンズが遊びの中から作り出して行きます。

「デバイスは?」

次のイノベーションは、スクリーンじゃないんじゃないでしょうか。先日、TV60周年をお祝いしていましたが、TVが60年、そしてPCとケータイが20 年。その後をスマホやタブレット、そしてデジタルサイネージが襲い、マルチスクリーンと呼ばれるようになったわけですが、そこにまたスマートTVが現れ て、一巡しました。この次のイノベーションは別のところから来るのでは。

例えば、ロボットやウェアラブル。

ロボットやおもちゃが電波を受けてダン スをするなど、「モノ」が表現して、コンテンツになる。あるいは、服や家電やクルマがネットでつながって交信する。技術的には難しくありません。あるい は、ファブラボ。ハードウェアを自分で作ってしまい、ダウンサイズする。

「非言語コミュニケーションになる?」

そうですね、人と人のコミュニケーションだけでなく、モノとモノ、マシン・トゥ・マシンになっていきますので、情報そのものが爆発的に増えます。そうしたビッグデータの世界と、いま議論しているマルチスクリーンの世界は、恐らくですが、地続きなのでしょう。