ソーシャルゲーム協会の発足

2012年11月、「一般社団法人ソーシャルゲーム協会」を設立しました。Japan Social Game Association、略称:JASGA。ジャスガと読みます。

ソーシャルゲームの市場は急速に拡大しています。しかし、コンプガチャ問題など、不安や社会的な問題が呈される状況も招きました。そこで、GREE、DeNA、mixi、NHN、サイバーエージェント、ドワンゴのプラットフォーム6社が中心となり、自主規制で健全化をすることにしたのです。

協会の理事には6社とコンピュータエンターテインメント協会(CESA)、日本オンラインゲーム協会(JOGA)の代表が就き、代表理事・共同会長には、グリーの田中良和社長とDeNAの守安功社長が就任。さらに、ソーシャルゲーム提供会社や通信会社など現在69社の会員が参加しています。ぼくが事務局長を務めます。

1.ソーシャルゲームに対する自主規制、2.青少年等に対する啓発活動、3.カスタマーサポート(CS)品質の向上のための活動、の3点に重点を置いて活動します。

ぼくはそれまでこの動きと強いつながりはなかったのですが、コンプガチャを巡る業界の対応にも、政府の動きにも、危惧を抱いていました。確かに業界は危機に対応して、連携する動きを見せていました。しかし、踏み込みが甘く、遅くはないか。かつて成長産業に政府が介入してきた歴史からみて、のろのろしていると、成長産業の芽を摘むような仕打ちが来てもおかしくない。

案の定、消費者庁は2012年5月、規制に動きました。これに対し、消費者庁と、経産省、総務省らのスタンスの違いも見えました。健全化への要請と、成長産業への期待との対立です。この問題に関心を持つ国会議員からも意見が聞こえてきました。

私も政府関係者と話をすることになりました。政官界と業界の双方に、産業界は自主規制に力を入れ、政府の介入は最小限にすべきことを訴えました。

業界として団体を作る議論が始まり、行きがかり上、私も参加することになりました。さまざまな調整を経て、業界団体としての社団法人を形成し、その中に第三者機関的な評議委員会を作ることに落ち着きました。業界の代表が責任を持って問題に当たることを前面に出すと同時に、中立的な対策を取る組織とするわけです。

熾烈なライバル関係にある関係企業が一つのテーブルにつく構図を構成できるかどうかが課題でした。それは何とかなった。残る課題は「中立性」。業界の内輪によるお手盛りの対応にしてはいけません。

そのため、堀部政男先生をヘッドに、パワフルで独立した評議機関を置くことにしました。問題は事務局機構で、当初は理事会社からの出向で発足するとしても、中立性を保つクサビが必要。とうとう、私が引き受けざるを得なくなった次第です。

リスクが高い仕事です。ソーシャルゲームに対する世間の怒りや不安を浴びる先頭ですから。ただ、ここで間違うと、ソーシャルゲームという、ひょっとすると今後の日本を引っ張ってくれる産業をしぼませることにもなりかねない。政策屋としては、割に合わないが取らなければならないリスクと判断しました。

課題は多い。うまくいく保証はありません。でも、まずはこぎ出すことが大事。そして、大きく成長するための運動に乗り出したい。80~90年代、任天堂もセガも、ゲームが子どもの未来を拓く国際研究に巨費を投じるなどして、産業と社会の折り合いを求めてきました。ソーシャルゲームも最早そうした責任を負っています。

ソーシャルゲームはコミュニケーション力を高める。ソーシャルゲームは豊かなコミュニティを育む。そんな新しい文化、新しい産業を形成してくれることを願いつつ、この新組織の業務をスタートさせたところです。