コンテンツを元気にするには

「コンテンツ」という言葉は90年代半ばに登場しました。映画やテレビ番組や本やCDやDVDなどの情報作品のことですね。この14兆円産業に政府も期待を寄せて、5兆円拡大させるぞなんて目標も掲げました。だけど、近ごろパッとしません。補助金をくれたり著作権法をいじったりしてきてはいるが、この数年、市場は縮小し、アニメや音楽などのジャンルは韓国に押されっぱなしです。

史上最大のコンテンツ政策は何? ぼくは、1957年の岸内閣、39歳で郵政大臣に就任した田中角栄氏が民放34社に一斉免許を与えたことだと思います。テレビ産業を拡大させ、日本コンテンツの大本となる産業を成立させたんです。コンテンツを元気にするには、ちまちまと補助金をまくより、電波を開放して新しいメディアを一気に形作るような、ダイナミックな政策プランと政治力が求められます。

事態は急変しています。コンテンツ市場が縮小する一方、ソーシャルサービスは伸びています。 mixiにしろtwitterにしろニコ動にしろFacebookにしろ、ソーシャルはコミュニケーション、つまりシロウトの個人が作る情報=コンテンツで成り立つサービスです。

デジタル化がもたらした最大の効果は何? ぼくは、コンテンツの作り手を増やしたことだと思います。あらゆる人がPCやケータイで情報を発信するようになったことで、情報量が爆発的に増大しました。95年からの10年間でコンテンツ市場の伸びは5.8%。その間、日本の情報発信量は20.9倍に増えています。産業は伸びなくてもコンテンツは活発に生まれています。そこがポイント。

コミュニケーション=個人コンテンツは、通信産業としてカウントされます。自分でコンテンツを作って発信し、そのコスト=通信料も自分で負担する仕組みでできあがっている市場です。通信市場は年間15兆円。デジタル化は、コンテンツ14兆円とコミュニケーション15兆円を一体にさせる。その計だいたい30兆円市場をどう切り盛りするかが政策課題。

コンテンツ+ソーシャルを軸に据えた政策パッケージがほしい。

まず、コンテンツ産業へドンとおカネが回るようにします。コンテンツ産業の法人税を撤廃したり、文化活動への寄付を優遇する税制を創設したりする。電波監視や研究開発等に限定されている「電波利用料」の使い道をコンテンツ制作へも拡げる。

日本のソーシャル力を守り、育てます。コミケ、ニコニコ超会議、初音ミク及びそれに類するものを奨励したり、外敵から保護したり。海外への発信力のあるポップカルチャーサイトに中・韓・英・仏・西・露の多言語翻訳をつけてやったり。

流通を確保します。日本コンテンツ向けの海外メディア枠、つまりテレビチャンネルを買い取っちゃう。著作権も問題ですね。著作権特区を作って新ビジネスモデルを試させる。

アイディアはいくらでもあります。必要なのは実行する政治力、ですね。