テレビは融合からスマートへ

地デジカくん、このごろ見ませんね。どこに行ったんだろう?

地デジ、地上波放送のデジタル化は2011年に完成しました。20年前にはタブーでした。アナログのテレビを死守、が業界と政府の一致した意見。94年に政策が転換され、ようやく実現したんです。高速ネットの全国整備も行われ、日本は放送・通信ともにデジタル融合ネットワークが完成しました。

「通信・放送の融合」。2007年にホリエモンがフジサンケイグループを買収したいと言い出しクローズアップされた言葉ですが、これも2011年に場面が転換しました。激しい論議を経て、いわゆる「通信・放送融合法制」が成立、同じ周波数を通信にも放送にも使うことができるなど世界でも画期的な規制緩和が断行されました。日本は優れた環境が整ったのです。

「融合」も20年も前から議論されてきました。これもかつてはタブー。放送業界は放送にITが侵入することに否定的だったんです。しかし近頃はネット配信や、ケータイ向け放送や、見逃しIP視聴などに力を入れています。NHKは2008年末にNHKオンデマンドをスタート。民放各局も徐々に番組を配信し始めました。ネット事業が黒字転換をみせるようになり、吉本興業やエイベックスなど番組制作側も積極的に攻めています。

ただ、海外と比べたら、未だヘッピリ腰。NHKオンデマンドに先行すること3年の2006年1月、米国でグーグル、ヤフー、マイクロソフトがアップルに続き映像配信ビジネスを発表。これが号砲となり、対するCBS、NBCなど放送界は電光石火、これらIT企業群と提携、番組を配信し始めました。放送局主導の配信サイトhuluは日本上陸も果たしています。同時に欧州もBBC、フランスTV、ドイツZDFなど国営・公共放送局が融合を主導しました。

さらにニューズ・コーポレーションによるダウ・ジョーンズの買収、マイクロソフトとヤフー、グーグルを巡る攻防、グーグルによるモトローラ・モビリティの買収など、もはや通信・放送という狭い枠組は色あせて、新聞、出版、コンピュータなどメディア全体を巻き込む世界的な再編劇が繰り広げられています。ここに日本企業の出番はありません。

しかも、です。後追いながら日本がようやく融合路線にアクセルをふかし始めたとたん、世界の舞台も改まりました。「スマートテレビ」です。PC、スマホ、タブレットのマルチスクリーンが広がる中で、この1-2年、改めてテレビのスマート化が話題となっています。

グーグル、アップルらかつて号砲を鳴らした陣営がスマートを合い言葉にテレビ画面を奪いに来ているのに対し、タイムワーナー、コムキャストら放送陣営もチャンスとばかりに動く。AT&Tやヴェライゾンなど通信会社も本気。欧州でもBBCがBTと組むなど、以前の融合バトルと同じ様相です。

スマートテレビは、テレビとネットが結合し、ソーシャルサービスとも連動した新しいサービス。ただ、まだどの陣営も明確なモデルを描けてはいません。進路が見通せません。融合で出遅れた日本。スマートではどうか? 実は放送、IT、メーカ、さまざまなトライアルが走っています。遅れを逆手に取って、スマートでは逆転したい!