ビビり列島の空気を換えません?

ある小学校がママ友同士がSNSで交わるのを禁止しているとか。学校へのクレームの元になるからとか。ううむ、あいかわらずビビってるなぁこの国は。

昨年の震災後、被災地以外の土地で、集まりや遊びを自粛し、下を向いて歩くのが礼儀のような空気がたちこめました。テレビのCMもしばらく自粛されていました。復興に当たってはこれが最大の敵だと考え、ぼくは白い眼で視られながら「自粛を自粛」する旗を振っていました。

震災後に始まった風潮ではありません。ビビってるなぁと明確に感じたのは、2005年の姉歯問題。建物の構造計算書を偽造していたことに始まる一連の事件です。すぐさま「建築基準法」が強化され、全国的に建設業が冷え込み、景気減速につながりました。

多重債務問題の解消と借り手保護を理由として「貸金業法」の規制を強化し、中小企業の資金繰りが厳しくなるという事態も発生しました。医薬品をネットで売ることを禁止する「薬事法」の2009年改正も、ヤバいことはとりあえず締めとこう、という流れの結果でしょう。

不必要な自縄や自粛、過剰な引きこもりが続きます。2009年のインフルエンザ流行も不思議な様相を呈しました。世界的な流行の中でなぜか日本だけ、老若男女がみなマスクを着用する光景を全国でみせ、海外からは日本はそんなに危険なのか?と受け止められました。

食品偽装でも、2007年の赤福の消費期限や白い恋人の賞味期限などを巡り、ヒステリックなまでの報道や消費者の対応が見られました。そして今年のレバ刺し禁止へとつながります。いずれスシも生野菜も禁止か?

ぼくの関わった案件では、2008年、青少年ケータイ禁止。出会い系やネットいじめがあるからといって「青少年インターネット環境整備法」の制定、そして地方自治体の条例による規制に至りました。日本が強みを持っていた産業に凍え上がるほどの冷や水を浴びせました。

他にも、地震直後にデジタルサイネージの点灯を自粛したり、デジタル教科書の推進に不安が表明されたりするのも、個別の理由の皮をむいていくと、結局「なんとなく」やめておこうよという根拠のない消極に突き当たります。官も民も、ともにです。

90年代には規制緩和を通じて産業を活性化する対策が多くの業界で採られましたが、この10年、安心・安全を求める声が上がるたび逆に過剰なルールが導入され、社会経済活動が萎縮して、かえって世の中が不安定になっている。縮こまりが進みすぎて、世間がコチコチに固まっている。そんな気がしません?

マスクをすることが個々人にとって安心を増すことであったとしても、みんながマスクをしないと外出できないような空気が正常なのかどうか。景気が悪くなり、少子高齢化で国が衰え、政治も頼りにならず、みんなが内向きに縮み始めた。成長していたころは、もっと大ざっぱで、おおらかで、不潔で、適応力や危機対応力があったと思うんです。

震災後の自粛モードは終了。世間はそう受け止めているかもしれません。でも、それ以前からの重く湿った空気は変わりません。空気を換えませんか?ビビりへの特効薬はないかもしれません。ここはとりあえず、みんなで何かを声に出してみるのがいいかも。呪文。そうですね、こうしましょう。

「レバ刺し解禁!」