キッズにデジタルの力を

色鮮やかな全く正体不明のキャラクターたちがスクリーンに登場した。「バートールー、ピヨピヨパーンチ!、カミナリおとしー!、ガーッ!、ハッハッハー、ボカーン、ドワー、ドワー、ドワドワドワー!完。」戦って、戦って、怒濤のように、どうにかなって、終わってしまった。

子どもたちが作ったデジタルアニメです。アニメ作りワークショップの一こま。涙と汗の作品は、いつもこんな感じです。たいていギャグと戦いの応酬となり、しばしばウンコも登場します。そんなコト大学でやってていいのか?ええんちゃいますか、クリエイティブだから。

ぼくのグループはこういう活動を世界各地で、先進国から途上国まで、実施していますが、キャラクター設定、絵コンテ、ストーリー、構図、セリフ、編集など、日本の子はどれもぴかイチ。ふだん親に叱られながらゲームやアニメに没頭している力が発揮されます。

10年前、2002年に設立したNPO「CANVAS」は、慶應義塾大学とも連携し、デジタル時代の子どもに創造の場、表現の場を提供し続けています。これまで1750件のワークショップを20万人の子どもたちに与えてきました。

アニメ作り、映画作り、ゲーム作り。作詞した作品、作曲した楽曲をネット上で共有し、互いにマッチングしたり、その曲を演奏したりするバーチャルなコミュニティも提供。自分たちの住む地域の情報をブログや新聞などのメディアを駆使して発信していく活動もあります。

吉本興業とも連携し「おもしろかし子大作戦」も展開中です。毎回プロの芸人たちが特別講師として登場します。「お母さんに送るムービー作品をつくろう!」の巻にガレッジセール、ペナルティが講師を務めた際には、ぼくが大好きな「2700」八十島さんも親子連れで参加。レイザーラモン講師「かんじをかんじてつくる」の巻では、「フォー!」と登場したHGに子どもがドン引きで、後部席の親たちが一斉に写メという、なるほど世代は移るのね、などと、NPOと吉本が組む化学反応も感じた次第。慶應の教室に「フォー!」が響くのも、大学当局にバレないかなと少々スリリングでよろしい。

ワークショップの場を広げたい。東京大学、早稲田大学などでも活動しています。ノウハウや素材をまとめたパッケージも開発中です。小中学校、幼稚園、保育園、学童保育所、アミューズメント施設など、いろんな場で活用できるようになってきています。

日本のワークショップは国際的にみて高水準です。胸を張ります。この分野の産学連携が充実し、点だった活動が面的に広がってきました。10年間の成果です。でも、10年たって、なお道半ば。欧米には、至るところに体験学習型の子ども博物館があります。これらは小学校との連携が強く、プログラムが小学校のカリキュラムに組み込まれています。

日本ではこういう取組が学校現場に入れない。距離が遠いんです。だからぼくらは「デジタル教科書」の運動も起こし、デジタルの力を学校にも浸透させようとしています。目標は「全ての子どもがアニメを作れて作曲できるようにすること」。いよいよ民間の自主活動、課外活動から、学校教育に進める場面だと考えています。