FUJI ROCK FESTIVAL 2018~フジロッカーとして満喫した3日間

グリーンステージ/撮影:宇宙大使☆スター

今年のフジロックフェスティバルが終わって、1ヶ月が経った。今年は、もちろん取材ではあったのだが、プライベートの友人も一緒に、例年以上に“イチ・フジロッカー”として満喫させて頂いた。自分が担当するラジオ番組でも話したが、そのフジロッカーとして楽しむことが、まだフジロックを知らない人にとって、一番のレポートではないか、と思っている。いつも以上に旅行記的になると思うが、お付き合い頂きたい。

7月27日(金)28日(土)29日(日)の3日間、今年も新潟県苗場スキー場で開催されたフジロック。今年は、そのプライベートの友人が、車で行こう、と誘ってくれて、7年ぶりに、木曜日深夜の大阪から、新潟~苗場へと向かった。深夜の高速道路~車移動は、空いているとはいえ、やはりしんどい。2010年、2011年と、車で行ったが、慣れない夜の長距離運転(仲間と交代で、ではあったが)で、ナビでは8時間弱、と表示されていても、サービスエリアで何回も休憩し、結果10時間くらいかけて到着した、と思う。今回、車を出してくれた友人、仲間たちは、毎年、冬にスノーボードをかなり本格的に楽しんでいる。もちろん、平日は仕事しているわけで、週末をフルに楽しむためには、仕事が終わった平日の深夜、関西から、今回の新潟をはじめ、かなり遠い、各地域のスキー場へ毎週のように行っているわけだ。「運転は慣れてるから」というセリフと共に車はスタートした。途中、お手洗いや、飲み物を買う、程度の休憩は何回か取ったが、すごいテンポで目的地へ向かう。そして、ほぼナビ通りの約8時間で会場に到着した。駐車場に車を停めて、ひとつめのライヴまで、しばし仮眠。動きやすいバッグに必要な荷物を詰めて、会場へ向かった。

サカナクション/撮影:Rui Nishi(NF)
サカナクション/撮影:Rui Nishi(NF)

普段、飲みに行ったりすると、友人たちにフジロックの魅力を話していた。アーティスト~ライヴの魅力はもちろんだが、それだけではない、フジロック特有の、そこでしか味わえない、非日常の“フェス感”みたいな話を熱く語っていた。「いつか行きたい」と話していた友人たちは、仕事のスケジュールを調整して、3日間参加できるように準備していた。前述のスノーボードの話だが、自分はスノーボードをしていない。数少ない自分の今の趣味である、アウトドア~キャンプを通じて知り合った仲間だ。だから余計に、フジロックは絶対に楽しんでくれるだろう、と確信していた。

会場に足を踏み入れると、友人たちは「わぁ!」と声を上げた。「ここでライヴやるんだね」と。大自然の中に作られた巨大なステージ。決してその環境を壊すことなく、自然と共生するように準備された会場。いろんなところから聴こえてくる生の音楽。たくさんの人。友人たちの笑顔を見ていると、一緒に来れて本当によかった、と思えた。

一番大きなグリーンステージの、初日のトップはMONGOL 800だった。業界人ぶるわけではないが、ある程度、ステージが見える場所にイスを置いて、いつもゆっくり観るスタイルだ。もちろん、テンションが上がれば立ち上がって体を揺らすし、声を上げることもある。ただ、年齢もあるだろう、朝から夜~深夜まで繰り広げられるステージに自分の体力を合わせて動く。モンパチのライヴが聴こえてくると、友人夫婦は「昔から好きだった。ちょっと前まで行ってくる」と走り出した。もちろん、前方はスタンディングで観るわけで、人も密集し、盛り上がればモミクチャだ。自分より随分若いとはいえ、10代20代ではない。ただ、その無邪気な後ろ姿は微笑ましかった。もちろんトップから大盛り上がりだったモンパチのステージが終わり、帰ってきた2人は「楽しい!感動した!」と。もう、正直、これだけでも誘ってよかった、と思えた。

N.E.R.D/撮影:Tsuyoshi Ikegami
N.E.R.D/撮影:Tsuyoshi Ikegami

経験者として、会場を案内するように移動していった。ホワイトステージでgo!go!vanillasを観て、昼食を兼ねて、フィールドオブヘブン(ステージ)に移動。ここには、毎年食べる、好きな飲食ブースがあるので案内した。Ovallを観ながらランチ。ラムチョップと東京エール(地ビール)を喜んでくれた。時間的には、日差しも強く暑かったが、美味しいフェス飯、初めて耳にして「かっこいいね」と言ってくれたアーティスト、そしてたわいもない話。楽しい時間が過ぎていく。

ボードウォーク/撮影:宇宙大使☆スター
ボードウォーク/撮影:宇宙大使☆スター

ボードウォークを歩き、いろんなステージでいろんなアーティストのライヴを観て、一旦、荷物を置くために、駐車場へ行って荷物をピックアップして、宿泊場所へ。少しだけ休憩して、友人たちが、そしてもちろん自分も、楽しみにしていたサカナクションを観るべく再びグリーンステージへ。何度も観ている彼らだが、やはりフジロックではまたひと味違うし、日が落ち始めたシチュエーションがより感動を深めてくれた。行きの車のカーステレオでも、「楽しみだねー」と聴いてきたサカナクション。友人たちのキラキラした笑顔も印象的だった。その後、N.E.R.Dについて多少解説しながら、みんなで楽しんだ。アーティストを知らなくとも、曲を知らなくとも、圧倒的な音楽のパワーと、ビールで、みんなの体は自然に動いた。こうして、初日は終了。宿泊場所に戻って、深夜の長距離移動もあり、全員すぐに爆睡した。

フィールドオブヘブン/撮影:宇宙大使☆スター
フィールドオブヘブン/撮影:宇宙大使☆スター

2日目、少しゆっくり動きだし、午前中はまた、いろんなステージをまわり、小川に素足で入って涼んだり、お土産を買ったりもした。「また、昨日のところで昼ご飯食べようよ」というリクエストで、フィールドオブヘブンへ。そこでライヴしていたのはRANCHO APARTE。フジロックではおなじみの、いわゆる“ワールドミュージック”にカテゴライズされるであろうアーティスト。知らなくて、帰ってから調べたが、コロンビアの人気バンドだった。これがすごくハッピーで楽しくて、会場も熱気に包まれていた。もちろん自分も、友人たちも、ビール片手に楽しんだ。フジロックに来なければ、出会うこともないであろうバンドに毎年必ず出会える。「(音楽の仕事をしている自分も)知らないんだ?」「うん、知らない。でも、楽しいね」そんな会話も面白かった。その後は友人たちのリクエストもあり、今回最初のジプシーアバロン(ステージ)で、トータス松本を観て、マキシマム ザ ホルモンに間に合うようにグリーンステージに戻った。友人夫婦は、また会場前方へ走る。「いやー、騒いだよ」と戻ってきて、そのままグリーンステージにイスを出し、自分のリクエストで、SKRILLEXの登場を待った。DJセットでの圧巻のステージに、知らなかった友人たちも楽しんでくれたし、なによりYOSHIKI(X JAPAN)の登場に「おーっ!YOSHIKIだ!」と、また前に走っていった。雨が強くなり、KENDRICK LAMARを待たずに数人の友人は宿に戻った。「部屋飲みの準備しておくから」と。残りの友人と降りしきる雨の中、この日のヘッドライナーを目撃した。こちらもまた、たったひとりで、大迫力のライヴを繰り広げた時間に、この時間は音楽の仕事をしているものとして、今観ておくべきアーティストを観れた満足感を得た。びしょ濡れで宿に戻り、シャワーを浴びて、最後の夜を、部屋で乾杯して楽しんだ。ここまでの感想、そしてまた、普段通りのたわいもない話は深夜まで続いた。

SKRILLEX×YOSHIKI(X JAPAN)/提供:フジロックフェスティバル
SKRILLEX×YOSHIKI(X JAPAN)/提供:フジロックフェスティバル

翌日、チェックアウトを済ませて、荷物を車に積み込み、再び会場へ。レッドマーキー(ステージ)でKing Gnuを観て、最終日の、自分たちには最後に観るアーティストとしてSuchmosを選び、大満足で会場を後にした。月曜日からみんな仕事だ。車で帰って、夜までに着いて、日常に戻る準備をしなきゃならない。後ろ髪引かれる思いは、自分以上に、友人たちの顔に浮かんでいたような気がした。

例年、電車で帰る自分は、越後湯沢の駅にも詳しいので、駅に寄ろうと提案して、また少しお土産を買い、名物の爆弾おにぎりを車中用に買って、大阪へ戻る高速に乗った。疲れもあったが、車内での「楽しかったねー」の会話は尽きなかった。22時頃に大阪到着。握手を交わして解散した。

KENDRICK LAMAR/Photography by: Christopher Parsons for Top Dawg Entertainment
KENDRICK LAMAR/Photography by: Christopher Parsons for Top Dawg Entertainment

日程と天候が合わず、名物の“ドラゴンドラ”に乗って山頂のステージへ、が出来なかったのは残念だったが、ずっと話してた楽しさは友人たちに伝わった、と思う。「来年も行けるように、仕事頑張んなきゃ」と、別れ際に言ってたのが、とても嬉しかった。

こうやってフジロッカーは増えていくのだろう。来年も楽しみに、自分も頑張る。

http://www.fujirockfestival.com/

(敬称略)

(協力・写真提供:フジロックフェスティバル)