FUJI ROCK FESTIVAL '17~音楽と自然を堪能した3日間

ここに書いている記事で、唯一毎年同じテーマなのは、フジロックだけだ。しかも、毎年旅紀行的な文章になっている。今年も、読んでくれたフジロッカーたちが、「あぁ、分かる分かる」と感じてくれたなら、という思いで、また書かせて頂く。

21回目を迎えたFUJI ROCK FESTIVAL '17に今年も参加することが出来た。毎年、夏までの頑張る理由、そして、夏以降頑張れる余韻、として、ラジオDJとしての仕事の意味合いももちろんあるが、単純にこのフェスのファンとして参加している。今年は、金曜日から苗場に入って、3日目~日曜日の午後までいることが出来た。昨年までと違い、動きにも余裕があり、より楽しむことが出来た。

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土曜日のレギュラー番組がこの春に最終回を迎え、今年は金曜日から参加できるということで、準備万端、午前中に大阪を出発した。無理すれば木曜日の夜から入ることも出来たが、宿泊費を含め、自分の考える全体の旅予算、そして何より来年50を迎える自分の体力も考え、余裕を持って出かけた。21回の開催の中、自分はまだ今年で8回目だが、回を重ねるごとに、このフェスの魅力にハマり、また自分なりの楽しみ方も覚えたことで、プランも立てやすくなった。とりあえず、初日は移動と、グリーンステージのヘッドライナーであるGORILLAZを観ること、をテーマにスタートした。

夕方到着後、宿泊先に荷物を置いて、ゆっくりと会場へ。例年通り、先に会場入りしている仲間に連絡を取り、会えたメンツと乾杯、食事。グリーンステージに基地を構える前に、飲食ブースがたくさん集まるオアシスのすぐそば、苗場食堂というステージにドミコを観に行った。前にここにも書いたDENIMSのレコ発ライヴの時に対バンだったドミコ。音源で気に入り、その日のライヴも素晴らしく、もう一度観たい、という思いで足を運んだ。小さなステージなんだが、やはり注目のバンド、お客さんはとても多かった。日本一有名なフェス、といっても過言ではないステージで、さしていつもと変わることなく、淡々とアグレッシブに魅せるライヴに、熱く盛り上がった。途中、機材トラブルもあったが、臨機応変に曲目を変えて、最後までとてもいいテンションだった。

GORILLAZ
GORILLAZ

グリーンステージにイスを置き、この日のヘッドライナーであるGORILLAZを満を持して鑑賞。ブラーのデーモン・アルバーンを中心とした覆面バンド(今回、メンバーは姿を表しているが)。バンドメンバーは4人の架空のアニメーションキャラクター、という設定で、あの大きなステージに圧巻のスクリーンプレイとライヴ。振り返ればこのプロジェクトのスタートは1998年ということで、もう20年である。ライヴの表現方法などはどんどん進化していき、初出演となった今年も観客をとんでもない興奮の渦に巻き込んだわけだが、変わらずどこかシニカルで、絶妙に時代を捉える感覚は、本当にかっこよかった。

一晩中繰り広げられる音楽の祭り。例年通り、元気な仲間たちが、「この後、どうする?」と誘ってくれるわけだが、こちらも例年通り、自分は初日、このヘッドライナーを最後に宿泊先へと戻った。去年~ここ数年までと違うのは、明日(土曜日~第2日)は早めに会場入りして、夜更かしもしよう、と決めていたので、とにかく初日のテーマはクリアしたことに満足し、宿泊先で缶ビールを1本飲み、ベッドへ入った。

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初日、越後湯沢駅に到着した時に、偶然サンボマスターの山口君と会った。仕事で何度もインタビューをさせてもらい、仲良くさせてもらっているアーティストのひとりである。「明日、11時ですから!グリーンステージですから!絶対観てください!」と言われ、もちろん観るつもりだったし、「頑張ってください!」と伝えて、インスタ用の写真を撮って、別れた。本人からの気合いに、胸を熱くして、2日目、しっかり朝食を取り、まず朝イチのグリーンステージへ。きっと、あの、フジロックで一番大きいステージの、ステージ上から見る光景はとんでもないものだろう。サンボマスターのステージはいつも激アツだが、この日のメンバーのテンションは凄かった。海外のアーティストもたくさん来るわけで、それで言うと、日本のアーティストは、他に観る機会もたくさんあるわけだが、フジロックで観たい、という気持ちも大きい。今回も、グッと込み上げるものを感じながら楽しませてもらった。その後、ホワイトステージの、これも一度観たかったPUNPEEのライヴを堪能、昼食も兼ねてジプシーアバロンに移動し、FM802のヘビーローテーションアーティストでもあったAnlyのライヴを観た。こちらも大きなステージではないが、弾き語りでその歌の力を存分に発揮した彼女に、初見であろう観客も引き込まれていったようだ。素晴らしかった。

その後、いくつかのステージを回り、一旦、宿泊先へ。2日目は雨もなかなか激しかったし、着替えと休憩も兼ねて。ライヴを観ない時間、も、上手く取って、すごく観たいライヴに備える。ずっと野外にいるフェスは、自分の体とも話しつつ、が大事だ、ということを、ずっと参加してて、思っている。同部屋の仕事仲間と、最近の仕事の話なんかをゆっくり出来たのも、贅沢な時間だった。

満を持して、再び会場へ。目的は、ホワイトステージの小沢健二だ。今回のフジロックの目玉アーティストのひとり、だったであろう。自分は彼と同い年で、もちろんフリッパーズ・ギターの頃から好きで、ソロになってからもファンだった。ソロデビューから少し経って、九州のFM局でDJをしていた頃、一度インタビューさせてもらったことがある。その時のディレクターもファンで、1時間回したインタビューを、普段ならそれなりの時間に編集してOAするのだが、ほぼ編集せずに丸々OAしたのを鮮明に覚えている。どちらかというと、音楽の話よりも、同い年として、どんな環境で育ち、何に今興味があり、毎日何が楽しいか、みたいなインタビューだったと思う。今となっては、本当に貴重な時間だった。入場規制を考慮し、ライヴのかなり前に会場へ。何年も参加しているが、ホワイトステージがこんなにパンパンで身動きとれない状況になったのは初めてだった。小雨が降る中、ライヴは始まった。まさかの(いや、少し予想もあったが)盟友、スチャダラパーとの「今夜はブギーバック」も披露、そして今までの名曲をふんだんに演奏するセットリスト。大声で一緒に歌う観客。若い人ももちろんいたが、自分と年齢が近そうなお客さんが目をキラキラさせてステージを見入っているのが印象的だった。大きなビジョンには、ステージを映すサービス映像はなく、次々と歌詞の文字が映し出された。後ろの方だったので、ビジョンで彼の歌う姿を観たい、という気持ちもあったが、大好きな曲たちの歌詞を目で追いながら、その時その当時のいろんな思い出と共に聴く彼の声は、暖かかった。本当は、ライヴの途中で、他のステージに移動しようか、と思っていたのだが、次の曲のイントロが流れると、そこから動けない。結局、最後まで堪能させてもらった。実は、ライヴを観たのは初めてだった。一方的な再会ではあったが、確実に今年一番の思い出のひとつである。いつかまた、今の彼と、今の自分で、インタビューが出来れば、と思う。

人混みをかき分け、グリーンステージに到着。すでに盛り上がっていたこの日のヘッドライナー、Aphex Twinを観る。こちらも映像、照明、そしてなによりサウンドとの融合で会場はものすごいグルーヴとなっていた。ただ、この時間の雨がかなり強く、すでにびしょ濡れになっていた自分たちは、グリーンステージを後にして、屋根のある会場、レッドマーキーで、自分的にこの日の最後の楽しみであったMONDO GROSSOを待つことにした。

Aphex Twin
Aphex Twin

今年、ひとつ反省するとすれば、ここ数年、あまり激しい雨がなかったこともあり、今までで一番、雨対策をしていなかった、ということだ。ポンチョやレインジャケットは持っていたが、ボトムは普通のショートパンツのみ。Aphex Twinを立って観ながら盛り上がっている間、自分のイスに水が溜まっていることに気付かずそのまま座ってしまい、お尻がびしょ濡れになってしまった。野外はちょっとしたことで心が折れることがある。それもあって、早めにレッドマーキーに移動。そこでも久しぶりの友達と会えたりして、いろいろ話しながら、スタートを待った。こちらも久々の再始動で期待度も高く、また新作のゲストボーカルも話題だったので、どんなステージか皆がワクワクしていた。MONDO GROSSOといえば、bird、もちろん抜群の歌唱力でヒット曲を熱唱する。大興奮である。ラストかな、という時間に登場した満島ひかりに会場は最高潮の盛り上がりを見せた。これで終わりか、と思った時、「LIFE」のイントロが流れ、再びbirdがステージへ。これがまさにMONDO GROSSOだ、というステージには、笑顔の満島ひかりが後方でマラカスを降りながら踊り、この時間、この場所、ここでしか観られない、と思えるステージに大満足だった。その後、またオアシスに戻り、乾杯、雨もあがり、暖かい食事も深夜の冷えた体に染み渡り、仲間との宴は続いた。

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翌日は夕方に帰ることにしていたので、午前中は、毎年恒例のドラゴンドラに乗り、一番高い会場で、ゆっくり過ごした。降りてきて、フィールドオブヘブンへ。予約していた新幹線の時間があり、少し迷ったが、最後の思い出にLOVE PSYCHEDELICOだけ観て出ることにした。ゆったりと、熱く演奏するステージを楽しみながら、こちらも毎年の楽しみである、東京エール(地ビール)とラムチョップを堪能した。後ろ髪引かれる思いで会場を後にし、無事に新幹線に乗ることが出来た。もちろん、ずっと爆睡だった。

今回、久々に3日間参加することが出来て、今までの経験もあり、自分なりのプランで無理なく楽しめた。お尻が濡れて気持ち悪かったこと以外は。来年はまた仕事のスケジュールなどで、どうなるか分からない。ただ、またここに書けるように、そして、来年も行くぞ、というモチベーションで日々を楽しめるように、と思っている。

(敬称略)

(写真:Yasuyuki Kasagi、宇宙大使☆スター、Masanori Naruse)